この記事では、名刺に一般的に用いられる肩書きのほか、相手にインパクトを与えられるかっこいいものやユーモアがある肩書きも併せて一覧でご紹介します。また、肩書きの英語表記や表記する際の注意点、肩書きを記載する目的や効果もお伝えします。名刺に記載する肩書きに疑問点がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
名刺に肩書きを記載する目的と効果
名刺の肩書きの具体例を紹介する前に、肩書きを記載する目的・効果を4つご紹介します。ご自身の名刺に肩書きをどう記載するかを検討している方は、どのような効果を得られるのかの参考にしてください。
相手に自分の立場を把握してもらう
名刺に記載する肩書きは、自己紹介の役割を果たします。名刺に肩書きを記載することで、自分が組織の中でどのような役割を担い、どのような仕事をしているのか、相手に把握してもらいやすくなります。
また、組織規模が大きいと、ひと口に営業部と言っても「第一営業部」から「第五営業部」まで分かれていたり、複数の社員が同じ役職に就いていたりします。組織内の分業化が進んでいるため、かえって個人の役割が見えにくくなってしまうという場合もあります。そうした組織では、自分の役割を端的に相手に伝えるために名刺に肩書きを記載することもあります。
個人の信用度を高める
名刺の肩書きは、自身の専門知識や役割、経験を裏づける要素としても効果を発揮します。特にハイクラスな肩書きになるほどその傾向は高まります。相手に自分の専門性や権限を持った人物であるとアピールすることで個人の信用度が高まり、商談や営業などのビジネスがスムーズに進められることが期待できます。
複数人の名刺交換時に役立つ
名刺への肩書きの記載は、複数人で行う名刺交換の際に役立ちます。例えば、同行営業や複数人での商談の場面では、誰がどの役職に就いていて、誰に権限があるのかを素早く理解することが重要です。
名刺に肩書きが記載されていれば、誰に向けてアプローチをすればよいのかが明確になり、相手を戸惑わせることもなく円滑にコミュニケーションができます。
顧客が名刺情報を活用しやすくなる
名刺に肩書きを記載することで、顧客や取引先が名刺情報を活用しやすくなる効果があります。交換した名刺の数が増えると、相手は名刺情報の分類が複雑になりますが、肩書きが記載されていれば、素早く分類できます。
加えて、肩書きを通じて企業の指揮系統やアプローチが必要な担当者を把握できるため、肩書きが記載された名刺は、顧客の意思決定をサポートする有効なツールになり得ます。
名刺の肩書きの例(一覧)
名刺に記載される肩書きについて、一般的に用いられるものから、かっこいいものや面白い肩書きまで紹介します。自身の名刺にどのような肩書きを記載すればよいか考えている方は、ぜひ参考にしてください。
一般的に用いられる名刺の肩書きの例
一般的に用いられる名刺の肩書きを紹介します。役職名の記載では、主に次のような肩書きが使用されていることが多いです。
- 会長
- 取締役会長
- 代表取締役
- 専務取締役
- 取締役
- 執行役員
- 部長
- 次長
- 室長
- 課長
- 係長
- 主任
また、部署名の肩書きを見ると、次のようなものが代表的なのではないでしょうか。
- 総務部
- 営業部
- 経理部
- 人事部
- 法務部
- 広報部
- マーケティング部
- 情報システム部
- 商品企画部
かっこいい役職名の名刺の肩書きの例
一方、役職や部署ではなく自身の専門性の高さを相手に伝えられる肩書きとして、横文字や「専門家」といった言葉を使用した例では、次のようなものが挙げられます。
- 〇〇コンサルタント
- 〇〇クリエイター
- 〇〇コーディネーター
- 〇〇マイスター
- 〇〇スタイリスト
- 〇〇専門家
- 〇〇評論家
面白くユーモアがある名刺の肩書きの例
また、名刺交換をした相手に強い印象を残したり、アイスブレイクトークのきっかけになったりするような、面白くユーモアがある名刺の肩書きでは、次のようなものがあります。
- ポジティブライフプランナー
- 墨田区随一のWebライター
- ストーリーメーカー
- スマイルNo.1の営業マン
- (企業名)のムードメーカー
これらの肩書きは、相手によってはふざけていると受け止められたり、不快に感じられたりする可能性もあるので、使用する際には注意が必要です。正式な部署・役職名等を記載した上で、副次的な位置づけとして使用するような工夫が必要です。
英語表記の肩書き一覧
英語表記の肩書きも紹介します。事業をグローバルに展開している企業などでは、名刺に日本語と英語の両方の肩書きを併記しているケースも少なくありません。
役職別の肩書き:英語表記の例
役職別の英語の肩書きの例としては、一般的に次のようなものが挙げられます。
日本語表記 | 英語表記 |
---|---|
最高経営責任者 | CEO(Chief Executive Officer) |
最高執行役員 | COO(Chief Operating Officer) |
最高戦略責任者 | CSO(Chief Strategy Officer) |
最高技術責任者 | CTO(Chief Technology Officer) |
最高財務担当責任者 | CFO(Chief Financial Officer) |
会長 | Chairman of the Board |
代表取締役 | Representative Director |
専務取締役 | Senior Managing Director |
取締役 | Member of the Board of Director |
部長 | Department Manager |
課長 | Manager、Section Manager |
係長 | Manager、Deputy Manager |
主任 | Chief、Assistant Manager |
営業職の肩書き:英語表記の例
続いて職種ごとの英語表記の例をご紹介します。まず、営業職の英語の肩書きには次のようなものがあります。
日本語表記 | 英語表記 |
---|---|
営業部員 | Sales Representative |
販売員 | Sales Associate、Sales Staff |
国際営業マネージャー | International Sales Manager |
顧客担当営業部員 | Account Executive |
IT関連の肩書き:英語表記の例
IT関連の肩書きは多岐にわたりますが、代表的な例を挙げると次のような表記があります。
日本語表記 | 英語表記 |
---|---|
ITコンサルタント | IT Consultant |
システムデザイナー | System Designer |
システム管理者 | System Administrator |
ソフトウェア開発者 | Software Developer |
ウェブマスター | Webmaster |
クリエイター職の肩書き:英語表記の例
最後にクリエイター職の英語の肩書きの例は、次のとおりです。
日本語表記 | 英語表記 |
---|---|
デザイナー | Designer |
グラフィックデザイナー | Graphic Designer |
動画クリエイター | Video Creator |
ゲームクリエイター | Game Creator |
画家 | Artist Painter |
写真家 | Photographer |
漫画家 | Cartoonist |
作家 | Author(著者)、Writer(記者)、Novelist(小説家) |
名刺の肩書きの記載について
名刺の肩書きを表記する位置や企業用と個人用の違い、複数の肩書きがある場合の記載方法をご紹介します。これから名刺を作成するという方は、これらを知っておくと役立ちます。
肩書きの記載位置
横書きの名刺の場合、肩書きは名前の左横、もしくは左上に記載するのが一般的です。また、縦書きの名刺の場合は名前の右上に記載することがほとんどです。このときの文字サイズは、基本的に名前の記載よりも小さくします。
企業用の名刺と個人用の名刺における肩書きの位置づけの違い
近年は、副業に取り組む人が増えていることもあり、企業の名刺とは別に個人用の名刺を持つ人も増えてきました。個人の名刺では、企業の名刺では使用することが難しい面白くユーモアを感じさせるような肩書きを使用することで、営業活動などの際に相手に強い印象を残すことも可能になります。
一方で、企業用の名刺では、企業の顔として顧客や取引先とコミュニケーションを取らなければならないため、一般的な肩書きを使用されることが多いです。名刺に記載する肩書きを工夫する際には、相手に不快な感情を抱かれないようにTPOをわきまえた使用を心掛けることが大切です。
複数の肩書きがある場合の記載方法
もし自分の肩書きが複数ある場合は記載方法に注意が必要です。複数の肩書きを並列して記載すると、相手はどの役職で呼べばいいのか迷ってしまい、余計な混乱を生じる可能性があります。
例えば「取締役」「執行役員」「営業部本部長」の3つの肩書きがあるなら「取締役 兼 執行社員 営業部本部長」といったように兼任役職がひと目でわかるように明記することで、自分の役割や立場を明確に伝えられます。
名刺の肩書きと法律の関係
名刺の肩書きには法律上の制限がある場合があります。制限がある代表的な名刺の肩書きと、自由に使用できるものの例をご紹介しますので、トラブルを未然に防ぐためにも、これらを念頭に置いて、記載する肩書きを検討することが大切です。
法律上の制限がある名刺の肩書き
会社法では、取締役や代表取締役といった肩書きが使用できるのは株式会社に限られており、合同会社ではこれらの肩書きを使用できません。(第47条)合同会社の場合は名称が変わり、経営に関わる人を「業務執行社員」と称します。(第860条)このように、企業の形態によって使用できる肩書きが異なりますのでご注意ください。
国家資格に関する名刺の肩書き
国家資格を肩書きとして名刺に記載する場合は、法律に則った表記方法にする必要があります。職業能力開発促進法第50条では、技能検定の合格者の名称について次のように定められています。
技能検定に合格した者は、前項の規定により技能士と称するときは、その合格した技能検定に係る職種および等級(当該技能検定が等級に区分しないで行われたものである場合にあっては、職種)を表示するものとし、合格していない技能検定に係る職種または等級を表示してはならない。
例えば、国家資格のキャリアコンサルタント試験に合格した人は「キャリアコンサルティング1級技能士」や「キャリアコンサルティング技能士(1級)」のように、正式な職種名と等級の表記が求められます。
自由に使用できる名刺の肩書き
法律による制限がある肩書きがある一方で、名刺に自由に使用できる肩書きもあります。企業のトップを表す「社長」や「代表」、「CEO(Chief Executive Officer)」といった肩書きは、法律で使用場面が定められていないため自由に使用できます。
また、企業のトップをサポートする役割を持つ「執行社員」や「相談役」「顧問」といった肩書きも同様に、自由に使用できる名刺の肩書きの一例です。
名刺の肩書きの表記に関する注意点
最後に、名刺の肩書きの表記に関する注意点をお伝えします。肩書きを正しく活用するためにも、押さえておくべきポイントになります。
名刺の肩書きは、相手がその内容を把握しやすい表記にすることが特に重要です。例えば、肩書きが複数ある場合、すべての肩書きを同列に扱い名刺に羅列すると、名刺を受け取った相手が自分の立場や役割が把握しづらくなります。
そのため、中には配慮が行き届いていないと感じ、悪い印象を抱いてしまう人もいます。例えば「代表的な肩書きがわかるように記載する」もしくは「相手が見やすいように1行につき1つの肩書きを記載する」といった工夫をして、少しでも相手に伝わりやすいような表記を心がけることが大切です。
まとめ
この記事では、一般的な名刺に用いられている肩書きをはじめ、少し変わったかっこいいもの、ユーモアがある肩書き、それぞれの肩書きの英語表記や表記する際の注意点をご紹介しました。
名刺に記載する肩書きは、自己紹介の役割を果たします。正しい肩書きを相手にわかりやすいように表記することで、円滑なコミュニケーションにつながります。肩書きやその表記方法に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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