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今やビジネスには欠かせないツールとなった「名刺」。普段、当たり前のように使っている名刺には、とても長い歴史があることをご存じですか?実は、名刺のルーツは中国の古代王朝、漢の時代にあるといわれています。
皆さんは、名前を書いた紙なのになぜ名「紙」ではなく名「刺」なのか、疑問に思ったことはありませんか。これは、中国で木や竹を使った「刺」という札を使っていたことが由来とされています。相手の家を訪問して不在だった際、「刺」に自分の名前を記して玄関や戸口に挟んでいたそうです。
ちなみに、現代の中国では貿易業の方など対外的にビジネスを展開する人だけが名刺を使っており、国内事業ではほとんど使われていないのだとか。
日本では江戸時代から名刺が使用されるようになりました。中国と同様、不在時の訪問を知らせるため、和紙に自分の名前を書いたことが始まりとされています。その後、明治時代からは上流階級の社交用アイテムとして人気を博し、昭和以降は身分証明の役割も持つように。
そのほか、ヨーロッパでも16世紀ごろから名刺の元となるメッセージカードが使われています。中国や日本と同じように、訪問した相手が不在だった際に残していたそうです。
現在ではビジネスツールとして広く普及している名刺ですが、長い歴史のなかでさまざまな役割を担ってきたことがおわかりいただけたと思います。「名刺の『刺』って、どうしてこう書くか知っていますか?」と、話のネタにしてみてはいかがでしょうか。