製造業などの現場でよく掲げられている「5S」、皆さんはご存じですか?営業活動においてはあまりなじみがないワードかもしれませんが、実は効率的な業務の基礎を支える重要な要素なんです。今回は、「営業パーソンにお勧めしたい5S活動」についてご紹介していきます。
あらゆる仕事に通じる「5つのS」
5Sは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字をとったものです。特に「整理」「整頓」「清掃」は職場環境整備の基本として、3Sと呼ばれることもあります。それぞれどのような意図があるのか、営業活動での効果も含めて見ていきましょう。
整理:相手の名刺や使用した資料、案件の進捗状況、相手との関係性など、営業活動ではさまざまな情報を扱っていると思います。机上の物や資料、PC内のデータやファイルは要不要で分別し、不要なものは処分しておくと◎。
整頓:必要なものをすぐに使用できるかたちで、あるべき場所に配置しておくこと。必要なツールや資料をすぐ取り出せるよう整頓しておくと、お客様の要望にも迅速に対応しやすくなるはずです。
清掃:デスク周りだけでなく、営業で使用する車の中、かばんの中などは普段から意識して掃除をしておきましょう。古びていたり壊れかけたりしている箇所がないかどうかの点検も大切です。
清潔:前述の3Sがすべてできている状態のこと。お客様とお会いする機会が多い営業活動において、見た目の清潔感は第一印象を左右する重要なポイントといえます。
しつけ:職場のルールや規律を守り、モラルのある職場を目指すこと。ここまで述べた4つのSを習慣的に行う癖をつけるほか、決められた時間や締め切りの厳守を徹底する必要があります。
営業活動の質を高める環境づくり
営業担当の皆さんは、資料やプレゼンテーションの準備をしたり、顧客情報や商品知識をインプットしたりと、お客様との商談や打ち合わせ以外にも多くの時間を費やしていると思います。営業活動で成果を出すには、こうした準備の精度を上げることも重要ですよね。
つまり、営業準備や周辺業務がはかどる環境を整えておけば、営業活動の質を高めることにもつながるのです。これは営業職に限らずさまざまな業種・職種の方にも通じることではないでしょうか。
また、「あのデータはどこだっけ」「去年作った資料はどこに保存したかな」「さっき使っていたボールペンは……?」など、ビジネスパーソンは何かを「探す」という行為に意外と時間を使っています。定期的な整理整頓はそうした時間の短縮につながるため、その分、営業活動やその準備に注力しやすくなるはずです。
特に注意したいのが、お客様の正確な情報が記載された「名刺」の管理。個人情報が記載されていることから、遺失・紛失がないよう安全に保管していく必要があります。
また、ヒアリングや商談で得た情報と合わせて名刺情報をデータ化しておけば、効率的な営業活動を支えるデータベースとして活用していくことが可能です。重要な情報の「整理」「整頓」ツールとして、名刺管理サービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
“成果を出す”という視点で取り組む「5S」
営業で成果を出すためにも、「5S」をはじめとした周辺環境の整備はとても重要だとおわかりいただけたのではないでしょうか。お客様への対応に集中するためにも、営業以外に割く時間はなるべく減らして、その分しっかりと準備に充てたいところです。
まずはオフィスや車内など身の回りの「整理」「整頓」「清掃」から、継続して取り組むのがお勧めです。さらに「清潔」「しつけ」の意識を常に持ち、質の高い営業活動のベースを整えていきましょう。