営業活動は、企業の売上を増加させる上で欠かせません。効率的に営業活動を行うには、営業部門だけでなく社内のさまざまな部門と連携しながら進める必要があります。この記事では、営業活動の基本や種類、その進め方や営業活動を効果的に行うためのポイントなどをご紹介します。
営業活動とは
営業活動とは、自社の商品やサービスを見込み客(商品やサービスを利用していただける可能性がある企業など)に販売するための商談やアプローチの総称です。特にBtoBにおいては、商品やサービスを受注するために営業活動が欠かせず、企業は営業活動を通して売上や収益を増加させます。
近年では、BtoBビジネスにおいても営業部門とマーケティング部門が連携して営業活動を行うことが多くなり、マーケティング部門で新規の見込み客(リード)の獲得や問い合わせを起点とした顧客の育成(ナーチャリング)に取り組み、営業部門が見込み客へのアプローチや具体的な商談を行うことが増えています。
営業活動におけるプロセス
受注獲得に向けて行う営業活動の一連の流れを「営業プロセス」といいます。基本的には、顧客リストの作成からアポイントの獲得、商談、受注といった流れで進みますが、実際の営業活動では見込み客の反応や行動を見ながら臨機応変に対応する必要があるため、複雑化します。
営業活動と営業行動の違い
一般的に「活動」とは自分の意思による動きや働きを表す言葉で、「行動」は動きそのものを指す言葉です。つまり、営業活動とは企業や個人の意思に従って行われるさまざまな施策を指し、営業行動は営業活動の中で起こした行動そのものを指します。例えば、営業における行動計画とは、営業目標を達成するために「具体的にどんなアクション(行動)を行うのか」を定め、それを管理することです。
営業活動の本質とは
営業活動の本質は売上や利益を上げることですが、営業活動の過程では見込み客に対して情報提供やアドバイスをすることもあります。企業は商品やサービスの品質を向上させながら顧客にベネフィットを提供し、それに対して正当な対価を得ることでWin-Winの関係を築くため、見込み客と真剣に向き合うことが大切です。
営業活動は大きく2種類に分かれる
営業活動は大きく2種類に分けられます。ここでは、それぞれの営業活動についてご紹介します。
新規開拓営業
新規開拓営業は「ハンター型営業」とも呼ばれ、自社のターゲットを定めて積極的かつ能動的に見込み客へアプローチする営業スタイルです。新規開拓営業はどの業界でも難易度が高く、自社の商品やサービスを利用してくださるであろうターゲットを見極める力や、競合に見込み客を取られないよう積極的にアプローチする行動力が重要になります。新規開拓営業には、テレアポやメール営業、DM(ダイレクトメール)などの手法も含まれます。
既存営業
既存営業は「ファーマー型営業」とも呼ばれ、すでに成約した顧客とコミュニケーションを取りながらアップセルやクロスセルを狙い、売上を伸ばす営業スタイルです。既存営業は顧客との信頼関係を構築することが効果的で、長期間の取引において重要な役割を果たします。既存営業を行うには、最新の顧客の状況や業界のトレンドに合わせて適切な情報やアドバイスを提供する必要があり、新規開拓営業とは異なるスキルやアプローチが求められます。
営業活動と連携することが多い部門
営業活動を行う上で、営業部門と連携して業務を進めることが多い部門を3つご紹介します。
カスタマーサポート部門
カスタマーサポート部門は、主に商品やサービスに関するお問い合わせや不具合およびトラブルに対応する部門で、24時間 / 365日(年中無休)の対応を実現している企業もあります。カスタマーサポートに問い合わせた顧客に安心感を抱いていただけるような対応をすることで、企業に対する信頼度の向上にもつながります。
反対に、問い合わせた顧客に対して丁寧な対応をしなかったり、顧客が満足できる対応ができなかったりした場合には顧客の信頼を失い、最悪の場合は解約に踏み切られる恐れもあります。カスタマーサポートは売上を維持する面で欠かせない存在です。
カスタマーサクセス部門
カスタマーサクセス部門は、顧客の成功(サクセス)を支援する役割を担う部門です。商品やサービスを導入した顧客に対して定期的なフォローアップを行い、顧客がつまずかずに継続利用できるよう、さらに商品やサービスの導入効果を最大化できるようフォローします。また、新規の商品やサービスがリリースされた際は、顧客にそれらを案内することで売上の増加にも貢献します。
マーケティング部門
マーケティング部門は、ひと言でいえば「売れる仕組み」を構築する役割を担い、商品やサービスの企画、ブランディング、広告宣伝など、さまざまな手法を用いて営業活動をサポートします。ビジネスのデジタル化が進むにつれて、オンライン上で見込み客を発掘する重要性が高まったことから、BtoBビジネスにおいてもマーケティングの効果が期待されており、今後はマーケティング部門と営業活動のつながりがさらに強くなるといわれています。
営業活動の進め方
営業活動の進め方を具体的にご紹介します。
販売する商品やサービスの明確化
営業活動では、最初に見込み客に販売する商品やサービスを明確にします。飲食店に例えると、提供メニューを決めてから営業を開始することと同じです。一見すると当たり前のことのようですが、BtoBビジネスではメニューを明確にしないまま営業活動に踏み切ってしまうケースも少なからず見受けられます。あらかじめ、どのような商品やサービスを販売するのか、どのようなプランで販売するのかなどを具体的に決めておくことが重要です。
ターゲットを詳細に設定する
ターゲットを決めるときは、できる限り詳細に設定することが重要です。BtoBで商品やサービスを販売する際は、具体的な社名やエリアまで選定します。ターゲットをより細かく設定するため、年齢や性別、名前、仕事、趣味などを挙げ、まるで実在する人物のような細密なユーザー像に落とし込んだものを「ペルソナ」といいます。
BtoBビジネスではペルソナの設定は不要という考え方もあります。しかし、現場の担当者や商品選定の決裁者、経営層など、それぞれの立場を想定したペルソナを複数設定することで、商品やサービスの購買行動に関係するすべての人に対し、適したアプローチができるようになります。また、営業先となる企業の抱える悩みや導入を検討している理由などを挙げ、企業そのもののペルソナを設定すれば、より顧客目線に立った提案ができるようになります。
ターゲットに伝えるメッセージを考える
販売する商品やサービス、アプローチするターゲットが明確にできたら、ターゲットに伝えるメッセージを決めます。商品やサービスの説明だけでなく、商品やサービスが、見込み客にとって購入するだけの価値があることを具体的に示す必要があります。また、問い合わせや資料請求など、見込み客が次のアクションを起こすために必要な手段も併せて考えることが大切です。
アプローチの方法を考える
自社の予算やスケジュールを加味しながら、テレアポやメール、広告宣伝、メディア掲載といったさまざまな手法から最適なアプローチ方法を選択します。アプローチの方法は、可能であれば複数用意し、どの施策の組み合わせが最も効果的だったかを検証できるようにすることが重要です。
顧客とコミュニケーションを取る
アプローチを開始し、見込み客や顧客から反応があれば、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。顧客からニーズや課題をヒアリングしながら、顧客ごとに最適な解決策や情報を提供するように働きかけます。
問い合わせや見積もり依頼にはできる限り迅速に対応し、今後アプローチに役立つように顧客情報や対応内容は記録に残しておくことが大切です。BtoCに比べ、BtoBでは購買行動のプロセスが複雑で成約までに時間がかかる傾向があるため、顧客とのコミュニケーションを途切れさせず、関係性を維持することが特に重要です。
PDCAサイクルを繰り返し、常に改善に努める
PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルを繰り返すことで、着実に営業活動の効果を高められます。もし、思うような結果が得られない場合でも諦めず、一連の営業活動を振り返りながら改善を重ねていくことが大切です。
営業活動においてやっておきたいこと
営業活動を行う上でやっておきたいことをご紹介します。
目標管理
企業の売上目標や営業部門内の目標を設定し、目標から逆算して各営業担当者の個人目標を設定します。常に前年度より高い目標をクリアし続けるためには、実績の進捗を細かく確認しながら各担当者の行動パターンや傾向を理解し、適切なアドバイスや指導を行うことが鍵となります。
案件管理
案件管理は、個々の営業案件の進行状況を可視化し、将来的な受注数や売上などの数値を予測する上で役立ちます。また、案件管理を徹底することで停滞している案件も明確になり、対策の検討や再アプローチに素早く踏み切れます。案件管理ができていると、営業担当者が変更した際にも、後任に引き継ぎがしやすい点もメリットです。
行動管理
行動管理は、営業担当者の日々の行動を記録し、管理するための重要な役割を担っています。営業担当者においては、プロセスより最終的な成果に意識を向けてしまうケースもありますが、行動を細かく記録することでPDCAサイクルを回しやすくなるため、目標達成に適した行動が起こせるようになり、成果につながっていきます。
営業活動を効果的に行うための体制づくり
自社の商品やサービスの性質や業界の動向なども踏まえて、最適なタイミングで見込み客に提案できる営業体制を整えることが大切です。また、営業部門が一つのチームとなり、各担当者が円滑に業務を遂行できるような環境を整備することも必要です。
ここでは、より良い営業体制を構築するために意識すべきポイントをご紹介します。
営業プロセスの構築
自社の営業活動をどのような流れで進めていくのか、営業プロセスを可視化することが重要です。もちろん、実際の営業活動を行っていれば、あらかじめ定めた営業プロセスどおりに進まないことも少なくありません。しかし、営業担当者が基本的な流れを共有し、それを意識して行動することで、自分が今どの位置にいるのかを測る指標となり、次に起こすべき行動は何かを判断しやすくなります。
トークスクリプトやマニュアルの準備
トークスクリプト(営業の際に使用する台本)や商談のマニュアル、過去の顧客との取引事例、クレーム対応集、メールのテンプレートなど、営業部門内で共有できるものを洗い出し、できる限り言語化することが大切です。標準化された資料があることで、営業担当者は提案や対応に頭を悩ませる時間が削減できるだけでなく、見込み客への対応に営業担当者によって差が生じるリスクも減らせます。
営業担当者が持つスキルを可視化して把握する
営業担当者には商品やサービスに関する知識や業界に関する知識をはじめ、ヒアリング力や課題発見力、プレゼンテーション力などの幅広い知識とスキルが必要です。
必要なスキルが多岐にわたる分、営業担当者によって得意とする分野や足りていないスキルが異なります。営業担当者のスキルをスキルマップ(担当者ごとのスキルを可視化し、一覧にしたもの)で管理するといった方法で可視化し、各担当者の能力を深く理解することも大切です。
名刺管理で営業活動が効率的に行える?
顧客情報の基礎となる情報が記載された名刺ですが、それを従業員が個人で管理している企業も少なくありません。名刺管理ツールを用いて組織として名刺管理を行うことで、担当者だけが知っていた情報を全体で共有できるようになります。名刺情報の共有により個々の従業員が持つ人脈の可視化につながり、営業活動の効率向上が期待できます。企業が名刺情報を組織的に一元管理することには、次のようなメリットがあります。
営業活動に割り当てられる時間が増える
名刺管理ツールは、名刺をスキャナーでスキャンしたり、スマートフォンのカメラで撮影したりして画像として取り込み、OCR(光学的文字認識)によって名刺に記載されている情報をテキストデータ化して、名刺データを登録するのが一般的です。これまで、Microsoft Excelなどを使って手作業で名刺情報を入力していたという場合は、名刺登録にかかる時間を短縮できるメリットがあります。しかし、OCRの精度によって誤った情報が登録されることも少なくないため、登録内容のチェックと訂正は必要になります。
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」は、AIを用いたOCRを活用してデータ化の精度向上を図っており、専門のオペレーターが登録データを目視で確認し、OCRの結果に誤りがあれば訂正した上でデータを登録しているので、営業担当者は名刺を取り込むだけで、高精度のデータ登録が完了できます。
また、条件を指定して名刺を絞り込み検索することもでき、移動中や商談前に顧客の情報を確認したい際にもスピーディーに名刺を取り出せます。わずかな時間短縮ですが、提案内容の確認や顧客との連絡といった営業活動に割ける時間が増えます。そして、こうした積み重ねがいわゆる「営業コアタイム」の増加につながります。
外出先でも効果的な営業活動が実現できる
名刺管理ツールは、PCとスマートフォンを組み合わせて利用できるサービスもあり、外出先での名刺登録や、名刺情報を確認したいときに役立ちます。商談後にすぐ名刺登録が行えば、名刺交換日や商談時に話した内容も正確に記録できます。名刺管理ツールを活用する際は外出先でも手早く名刺が取り込めるかという点も、確認しておくことをお勧めします。
顧客企業の組織編成を可視化し、戦略が練りやすくなる
名刺管理ツールの中には、相手先企業の組織編成を可視化できるものもあり、営業戦略を練る際にも活用できます。アプローチする担当者やアプローチの順番などが判断しやすくなるだけでなく、顧客企業への訪問や商談管理など一連の営業活動の効率化も期待できます。
SKYPCEでは、組織図ツリーの自動生成機能を搭載しており、登録された名刺に記載されている情報を基に、組織を視覚的に把握することができます。
名刺を社内で一元管理することで売上や利益につながる可能性がある
名刺は、営業活動を進めて売上を伸ばし、利益を上げるために重要な役割を果たします。名刺情報を社内で一元管理することで、個人管理による紛失などのリスクが軽減できるほか、名刺交換を起点にアプローチをかけ始め、顧客企業に対する理解を深めることで親密な関係を築けるなど、さまざまなメリットが得られます。
名刺の獲得をきっかけに自社の商品やサービスを認知していただき、アプローチや商談を経て受注し売上や利益の増加につながるケースもあります。ターゲットとなり得る見込み客の名刺情報を社内で共有し、活用できるよう企業全体で名刺管理を行うことをお勧めします。
SKYPCEは、さまざまな営業活動を通じて入手した名刺を集約して、社内に存在する名刺の情報がまとめて管理できるほか、名刺情報に紐づけて営業活動の記録を蓄積することもできます。この「営業活動記録」は社内で共有でき、営業担当者自身や営業チーム内での振り返りに利用するだけでなく、しばらくコンタクトできていない顧客へのフォローや、カスタマーサポートなどの他部門との情報共有にも活用できます。
▼SKYPCEの最新機能については、こちらのページをご覧ください
営業支援 名刺管理サービスのSKYPCE:新機能
まとめ
この記事では、営業活動の概要や進め方、営業活動を効果的に行うためのポイントなどをご紹介しました。営業活動では、自社の商品やサービスを販売したい企業に興味を持っていただき、受注につなげるために常に最適な提案内容やアプローチ方法を検証する必要があります。この記事で紹介したポイントなどを、営業活動の改善にお役立ていただければ幸いです。
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