名刺管理アプリとは、名刺から得られる顧客情報を一元管理して、社内で情報共有できるツールで、営業活動の効率化に役立つ点も利用のメリットだといえます。しかし、名刺には個人情報が含まれているため、情報管理上の安全性が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、名刺管理アプリの安全性や無料の名刺管理アプリがおすすめできない理由、名刺管理アプリの仕組みのほか、名刺管理アプリの安全性を確認するポイントなどについてご紹介します。
名刺管理アプリの安全性は?
名刺管理アプリは、顧客管理をする上で大変便利なツールですが、個人情報を扱うことから一定のセキュリティリスクを伴うのも事実です。しかし、次のようにサイバー攻撃や情報漏洩に関する対策を行うことで、安全性を担保しています。
サイバー攻撃に備えている
名刺管理アプリの多くはサイバー攻撃に備えています。サイバー攻撃とは、インターネットを介して情報端末に不正アクセスし、個人情報を盗んだり、システム機能を停止させたりする行為全般のことです。アプリケーションなどのセキュリティレベルが低いと、データが盗まれる可能性が高まります。
しかし、名刺管理アプリのほとんどは、アプリ自体に不正ログインやデータの持ち出し防止といった仕組みを備えています。特に有料サービスであれば、アクセス制限、SSL(暗号化通信)など、サイバー攻撃へのセキュリティ対策が複数施されているため、より安全に顧客情報を管理することが可能です。
情報漏洩に備えている
名刺管理アプリの多くは情報漏洩にも備えています。名刺管理アプリに関連した主な情報漏洩の原因として考えられるリスクには、SNS自動連携、サイバー攻撃によるデータ盗難、端末の紛失・盗難などが挙げられます。このうち、SNSとの自動連携は、アプリのアクセス制限の設定で回避可能です。
また、データを管理するサービス事業者の信用度は、アプリの導入前に確認することが大切です。例えば、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際認証ISO/IEC 27001といったセキュリティ認証を取得している企業であれば、一定レベル以上の情報管理体制が保たれていますので情報漏洩にも十分に備えていると考えられます。このほか、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」のように、スマートフォンやタブレット端末を紛失した場合を想定した仕組みを用意している名刺管理サービスもあります。このように、情報漏洩に備えた対策を講じている名刺管理アプリであれば、安全性は高いといえます。
フリーの名刺管理アプリがおすすめできない理由
名刺管理アプリには、有料のものと無料(フリー)のものがあります。フリーの名刺管理アプリは、コストがかからず手軽に導入できることが魅力ですが、企業の業務で活用するために導入することはお勧めできません。ここでは、企業がフリーの名刺管理アプリを導入した場合に懸念されるセキュリティ上のリスクについて解説します。
セキュリティの脆弱性が懸念される
フリーの名刺管理アプリがおすすめできない理由として、セキュリティの脆弱性が懸念される点が挙げられます。 名刺管理アプリで利益を上げるわけではないため資金源が限られ、セキュリティに関する専門家の雇用や定期的なセキュリティ監査など、必要なセキュリティ対策が取られていない可能性があります。サイバー攻撃は日々進化し、新しい脅威が常に出現しますが、運営会社によるアプリの継続的な更新などの対策が行われない場合、新たな脅威に対して脆弱性が生じることも懸念されます。
このほか、名刺情報を保管するクラウドサーバーがどのような場所にあり、どのように運用されているのか明確でない場合も、サイバー攻撃に対して脆弱性がある可能性を考えて避けたほうが良いといえるでしょう。
情報を持ち出される可能性がある
フリーの名刺管理アプリがおすすめできない理由の一つは、従業員が自分の所有する名刺を管理するためにそれぞれ勝手にフリーソフトウェアを使用している場合、管理者は、どのような名刺がデータ化されてアプリに保存されているかを把握できないということが挙げられます。つまり、転職時などに情報をそのまま持ち出されてしまう可能性があり、そのことを発見するすべもありません。
名刺情報は会社の重要な資産であるとともに、個人情報そのものです。当事者の悪意のあるなしにかかわらず、外部への漏洩は防がなければなりません。私物端末に名刺情報を入れないといった運用ルールの徹底、社員のセキュリティ教育の実施など、会社として情報漏洩を防ぐための対策が必要です。
名刺管理アプリの仕組み
名刺管理アプリの仕組みは、どのようになっているのでしょうか。さまざまなアプリがありますが、共通しているのは、テキスト入力などの手間をかけず名刺データを取り込めることです。具体的には、スマートフォンのカメラやスキャナーで名刺を読み取ってデータ化し、システムで一元管理しています。一例として、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の仕組みをご紹介します。
■営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の仕組み
テキスト入力などの手間を最小限に抑えて名刺データを取り込む
「SKYPCE」にはOCR(光学文字認識機能)技術が用いられており、スキャナーやスマートフォンのカメラなどを使って画像として名刺を取り込み、名刺に記載された文字情報を自動で読み取ってデータ化しています。そのため、手作業による入力は最小限に抑えることができます。もちろん、データ化された名刺情報はアプリ上で手軽に検索できるので、目的の名刺がいつでもすぐに取り出せます。
しかし、OCRの精度を100%に近づけるには多くの技術的な障壁があります。特に、名刺のように書式が一定でないものを対象に文字認識することは非常に難度が高く、AIを用いて精度向上を図ってもすべての名刺を100%間違いなくデータ化することはできません。
電話番号やメールアドレスなどは、1文字間違っているだけで利用することはできません。そのため、OCRを用いてデータ化を行った場合は必ず正しくデータ化されているかを確認し、必要に応じて訂正する必要があります。「SKYPCE」ではこれらの確認・訂正作業を専門のオペレーターが行うことで、ユーザーは画像を取り込むだけで、正確な情報の登録ができるようにしています。
運用に合わせてデータを保管・管理
「SKYPCE」では、データ化した名刺情報をどのように保管するか、自社が目指す運用形態やセキュリティポリシーに合わせて、オンプレミス環境での自社運用またはクラウドサービスの利用のいずれかを選択できます。なお、オンプレミスの場合は、データの消失を防ぐため名刺データのバックアップが可能な冗長構成をお勧めしています。
やりとりをすべて暗号化した上で名刺をデータ化
「SKYPCE」では、スキャンした名刺画像はクラウド経由でSky株式会社内のサーバーに転送され、OCRやオペレーター作業によってテキスト化した上で、お客様の環境(オンプレミスサーバー / クラウドサーバー)に送信します。大切な名刺情報を守るため、一連のデータのやりとりはすべて暗号化されています。
テキスト化が完了した名刺データはSky株式会社のサーバーには残らない
「SKYPCE」では、データ化が完了した名刺情報は、速やかにお客様の環境にお戻しします。「SKYPCE」がサービスを提供するための各サーバーにもデータを残さないため、情報漏洩のリスクはなく非常に安全です。
名刺データを社員間で共有できる
「SKYPCE」でデータ化した名刺情報は一元管理され、社員間で共有することが可能です。例えば、以前に社内の誰かが相手先の担当者と名刺を交換して登録していれば、その情報をほかの部署の社員が新たなアプローチをする際に活用することもできます。また、スマートフォンやタブレット端末にも対応しているため、リモートワーク中や外出先など場所を問わず名刺の取り込み、閲覧が可能になるので、業務効率の改善が期待できます。
名刺管理アプリを使わないデメリット
名刺管理アプリを使うことで、さまざまなメリットが得られます。一方で、紙の名刺だけで管理している場合は、物理的な情報漏洩のリスクもあり、情報を顧客管理に生かせないだけではなく、ビジネスチャンスを逃してしまうこともあり得ます。ここでは、名刺管理アプリを使わないことで考えられるデメリットをご紹介します。
顧客管理がうまくいかない
名刺管理アプリを使わないと、せっかくの情報を顧客管理に生かせない場合があります。紙の名刺を紛失してしまい、フォローアップすべき見込み客の取りこぼしが発生する可能性があったり、誰がどの顧客と接点を持っているのかがわからず、重複して同じ人にアプローチしてしまったりすることもあります。また、名刺を共有することなく顧客情報を名刺の所有者だけが知っているという状態が続けば、顧客管理が個人任せになり、属人化することも考えられます。
情報漏洩のリスクが高まる
名刺管理アプリを使った適切な名刺管理が行われない場合、情報漏洩のリスクが高まります。情報漏洩は、紙やデータにかかわらず起きる可能性があるリスクです。紙の名刺を施錠もせず自分のデスクの引き出しに保管し、外出時に自由に持ち出せる状態で管理する、名刺情報を誰でもアクセス可能な共有フォルダに保存するなど、不適切な管理が情報漏洩を招きかねません。会社が運用する名刺管理アプリで情報を管理できれば、システム管理者が適切にデータ管理しやすくなり、情報漏洩を防ぐことにつながります。
ビジネスチャンスを逃す可能性も
名刺管理アプリなどで情報共有ができていないと、ビジネスチャンスを逃してしまうこともあります。例えば、人事異動や退職により営業担当者が変わった際にうまく引き継ぎができていないため、関係が途切れてしまうことも多々あります。クライアント単位や案件単位で管理しているだけでは、相手の担当者との関係を把握できないこともあり、ビジネスチャンスを失ってしまうこともあり得ます。
名刺管理アプリの安全性を確認する際のポイント
安全に名刺管理アプリを利用するには、十分な情報セキュリティ対策がされている法人向けの有料サービスを選択することも考慮したい点です。その上で、どのような点に注意して安全性を確認すれば良いかポイントを解説します。
サービス事業者が情報セキュリティに関する認証を取得しているか
名刺管理アプリを提供するサービス事業者が、情報管理の取り組みの一環として、プライバシーマークやISO/IEC 27001などの情報セキュリティに関する認証を取得しているか確認します。
プライバシーマークは、日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に基づいて定められた個人情報保護体制の基準を満たした事業者に付与されるマークです。また、ISO/IEC 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格を指し、情報の機密性・完全性・可用性の3つをバランス良くマネジメントして情報を有効活用する体制が整っている組織が認証を受けています。また、クラウドサービスを利用する場合、クラウドサービスに関する情報セキュリティ管理策の規格であるISO/IEC 27017の認証についても併せてご確認ください。
データを暗号化しているか
名刺管理アプリが、データ通信時に暗号化通信(SSL)を使っているかどうかは、必ず確認が必要です。多くの名刺管理アプリでは、名刺情報がインターネットを経由してクラウドサーバーに格納されます。データ通信時にデータを暗号化することで、情報漏洩や第三者による情報操作などのリスクを回避することが可能です。
IPアドレス制限やログイン認証機能などがあるか
サービスにログインするための認証方法についても確認しておくことが大切です。不正アクセスを防ぐための対策があるかどうかも、名刺管理アプリの安全性を担保する上で大切です。主な認証方法には、次のようなものがあります。
<名刺管理アプリ・ツールのセキュリティ関連機能>
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IPアドレスの制限
名刺管理アプリにアクセスする際、アクセス元のIPアドレスによって制限することで、不正アクセスを防ぎます。 -
ログイン認証
IDやパスワードによるログイン認証機能によって、名刺管理アプリを導入した端末が紛失や盗難に遭った場合にも、第三者によるログインを防ぎます。 -
多要素認証 / 2段階認証
多要素認証とは、パスワードなどの「知識要素」、ICカードなどの「所持要素」、指紋などの「生体要素」という3つの認証要素から、異なる2つ以上の要素を組み合わせて認証を行う方法で、2要素認証とも呼ばれます。また2段階認証は、ワンタイムパスワードなどを使い2段階で認証を行う方法のことです。いずれも、名刺管理アプリのログイン認証を強化し、なりすましなどによる不正アクセスを防ぎます。
独自のセキュリティ対策を構築しているか
より安全なデータ保護のために、名刺管理アプリ以外のシステムと連携することで、さらに強固なセキュリティ対策が可能な名刺管理サービスがあります。
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」は、Sky株式会社が提供するクライアント運用管理ソフトウェア「SKYSEA Client View」やシンクライアントシステム「SKYDIV Desktop Client」と組み合わせて利用することで、名刺管理のセキュリティを強化することが可能です。
安全性が高い営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」
企業の大切な資産である名刺情報の管理は、情報漏洩や悪用、無断持ち出しといったセキュリティリスクを回避する必要があります。営業力の向上を図りつつ、より安全性を確保することも目的として名刺管理の仕組みづくりを行うには、営業活動を支援する機能とともに、十分なセキュリティ機能を備えた法人向け名刺管理アプリが最適です。
「SKYPCE」は、ISO/IEC 27001やプライバシーマークといったセキュリティ認証を取得しているSky株式会社が提供する営業支援 名刺管理サービスです。データ通信時の暗号化はもちろんのこと、2要素認証を採用し、ユーザーごとに閲覧権限も設定できるなど、セキュリティ強化を図っています。さらに「SKYSEA Client View」と連携すれば、名刺情報の取り扱い履歴を操作ログとして把握できるほか、名刺管理画面の画面キャプチャーを禁止したり、操作が一定時間ないと画面をロックしたりするといった制限も可能です。より高い安全性を保ちながら名刺情報が活用できる営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」のご導入を、ぜひご検討ください。
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