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公開日2023.11.16更新日2024.04.16

CRM戦略とは? 戦略立案のメリットやステップ、有用なツールを解説

著者:Sky株式会社

CRM戦略とは? 戦略立案のメリットやステップ、有用なツールを解説

インターネットが普及したことにより、顧客は必要な情報を簡単に集められるようになりました。また、近年は市場の成熟度が高まり、製品やサービスの差別化が難しくなっているため、「高品質であれば売れる」とは限らなくなっています。そこで、企業にとって重要になるのが、顧客との関係性に注目した「CRM戦略」です。顧客との関係性を管理することで、効果的なマーケティングにつなげることができます。しかし、「どうやってCRM戦略を進めていいのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、CRM戦略の概要やメリット、戦略立案のステップについて解説。さらに、顧客管理に便利なツールを選ぶポイントや、CRMと連携できる名刺管理ツールについてもご紹介します。

CRM戦略とは、顧客関係管理から安定した売上を創出するための戦略

CRM戦略のCRMとは、Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の頭文字を取った略称で、日本語では「顧客関係管理」となります。

顧客関係管理とは、ビジネスにおいて自社と顧客との関係を一元管理し、より良い関係性を構築することを目的とする取り組みです。この取り組みを基に、顧客との関係性を構築、維持、向上させ、安定的に売上や利益を創出するための戦略が「CRM戦略」です。CRM戦略では、顧客を囲い込み、より長く自社と取引してもらえるような施策を講じることがポイントになります。市場が成熟した現代において、重要な経営戦略といえます。

CRM戦略を行うメリット

CRM戦略を策定することで、顧客のニーズをつかみ、効率的な営業活動が行えるようになります。具体的なメリットを3つご紹介します。

データに基づく経営や営業活動が行える

CRM戦略を策定することで、売上データやマーケティング関連のデータ、Web解析データなど、さまざまなデータに基づいて営業活動やマーケティングをすることができます。

従来の営業活動やマーケティングは、担当者個人の経験や勘に頼っている部分が大きく、属人化されていました。このような属人化は、一貫性のない施策や安定しない結果につながるリスクが高まります。一方、データに基づく施策や意思決定なら、客観的な根拠に基づき、安定した結果を効率的に生み出すことが期待できます。

CRM戦略では、顧客の属性や購買履歴などのデータを基に施策や意思決定を行います。この戦略を実行すれば、データから優先すべき課題が抽出でき、行うべき施策や意思決定が明確になります。

顧客満足度の向上につながる

CRM戦略を実行すれば、顧客満足度の向上につながります。CRM戦略では、顧客の行動履歴やデータによって、顧客の深層的なニーズを知ることが可能です。深層的なニーズが明らかになれば、顧客一人ひとりのニーズに合った製品やサービスを提供できるようになります。その結果、顧客は自分に合う製品やサービスを選びやすくなり、ブランドに対する信頼も高まるため、顧客との長期的な関係の構築につながります。

売上の安定化を図れる

CRM戦略によって得られる最終的なメリットは、売上の安定化を図れることです。顧客の行動履歴や購買記録を蓄積し、データに基づく意思決定を行うことで、顧客に対して適切なアプローチが可能となり、顧客満足度が上昇します。

顧客との信頼関係が構築されれば、既存顧客の維持やリピーターの獲得ができるようになり、企業は新規顧客を獲得するためのコストをかけなくても、安定した売上を確保できるようになります。

CRM戦略立案のステップ

CRM戦略を立案するといっても、どのような手順で進めればいいのか、迷ってしまうかもしれません。よくある失敗として、目標やターゲットを明確にしないまま施策を実行し、期待した成果が出ないといったケースがあります。そうならないためにも、基本のステップを事前に確認することが大切です。

CRM戦略のポイントは、「目標とKPIを設定する」「ペルソナを設定する」「カスタマージャーニーを作成する」「顧客管理ツールを選定する」「運用し、PDCAを回す」の5つです。それぞれについてご紹介します。

1. 目標とKPIを設定する

最初のステップは、目標とKPIを設定して社内で共有することです。KPIとは、目標を達成するための評価指標です。CRM戦略では、顧客に関する情報を集めて管理しますが、単にデータベースとして蓄積するだけでは意味がありません。データを基に組織が抱える課題を可視化し、課題の解決に向けてCRM戦略の目標を明確にする必要があります。

目標を設定する際のポイントは、「理想と現実のギャップから課題を可視化し、CRM戦略によって達成したいことを明確にする」ことと、「異なる部署同士でどのように連携していくかを決める」ことの2つです。目標が明確になったら、KPIを設定します。CRM戦略のKPIには、下記のような例が挙げられます。

<CRM戦略におけるKPIの例>

  • 顧客維持率:獲得した顧客が一定期間内に取引を継続している割合
  • 解約率:一定期間内に自社との取引を中止した顧客の割合
  • コール数:顧客との関係強化のために電話した件数
  • メール数:顧客との関係強化のために送ったメールの件数
  • アップセル率:顧客に高額な製品の購入やサービスへの移行をしてもらう「アップセル」の完了率
  • クロスセル率:顧客に関連製品・サービスを案内し、購入・契約してもらう「クロスセル」の完了率
  • 顧客生涯価値:自社と取引を始めてから終了するまでの間に、顧客から得られた利益の総量を表す指標

2. ペルソナを設定する

次に、自社の製品・サービスはどのような人が利用するのかを考え、ターゲットを決めます。ターゲットの設定では、一般的に「ペルソナ」が用いられます。ペルソナとは、自社にとっての典型的な顧客像のことです。ペルソナを設定する際は、自社の製品・サービスを購入した人を分析したり、市場調査を行ったりしながら人物像を特定していく必要があります。

具体的には、年齢層、性別、居住地、職業、趣味、性格、休日の過ごし方、利用しているSNSなどの情報を収集します。それらの情報からペルソナを設定することで、顧客の考え方やニーズをより詳しく分析できるようになり、効果的なCRM戦略の策定に役立てることができます。

3. カスタマージャーニーを作成する

ペルソナを設定した後は、カスタマージャーニーを作成します。カスタマージャーニーとは、「顧客が製品やサービスを購入するまでのプロセス」です。

見込み顧客が正式な取引顧客になるまでの間には、「認知」「興味・関心」「比較・検討」「行動」という4つのプロセスがあります。具体的には、「顧客が自社の製品・サービスを認知する」「興味・関心を持つ」「他社の製品・サービスと比較して検討する」「購買意欲が刺激され、購入・契約する」という流れです。

各プロセスにおいて、見込み顧客がどう思考し、どう行動するのかを把握することで、見込み顧客の心理や意思、行動を捉えることが可能になります。

4. 顧客管理ツールを選定する

CRM戦略の立案には、顧客に関するデータを蓄積して分析できる「顧客管理ツール」が便利です。しかし、現在はCRMに特化したツールをはじめ、SFAやMAなどさまざまな顧客管理ツールがリリースされており、「どれが自社に適しているのかわからない」と迷ってしまう人もいるかもしれません。顧客管理ツールを選ぶ際には、下記のポイントを押さえて選ぶことが大切です。

<顧客管理ツールを選ぶ際のポイント>

  • 自社の目的に合った機能が搭載されているか
  • 初心者でも操作しやすいか
  • わかりやすいデザインか
  • 初期費用、ランニングコストは予算に見合っているか
  • ほかのツールやサービスと連携できるか
  • 導入時や運用中にサポートを受けられるか

なお、顧客管理ツールの活用と併せて、名刺管理ツールを活用するのも有効です。名刺管理ツールとは、スマートフォンやスキャナーを使って名刺情報をデータ化し、社内で情報を共有できる営業支援ツールです。 顧客管理ツールを活用する場合、常に顧客情報を追加していかなければなりません。しかし、顧客の情報を手作業で追加するのは手間や時間がかかります。そこで、名刺管理ツールを顧客管理ツールと連携させれば、最新の顧客情報を簡単に共有・管理することができます。

5. 運用し、PDCAを回す

カスタマージャーニーマップや顧客管理ツールを準備したら、施策を実施して運用していきます。運用中は、顧客管理ツールの機能を活用し、目標やKPIの数値を定期的にチェックすることが重要です。もし、目標と実際の数値を比較して差がある場合は、改善策を検討して軌道修正します。計画、実行、検証、改善のPDCAサイクルを回すことで、CRM戦略を成功に導くことができます。

CRM戦略に有用な営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」

CRM戦略には、「データに基づく経営や営業活動が行える」「顧客満足度の向上につながる」「売上の安定化を図れる」といったメリットがあります。CRM戦略を成功させるには顧客管理ツールの選択が重要ですが、名刺管理ツールと連携させるとさらに大きな効果を発揮します。そこでお勧めなのが、CRM戦略に有用な営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」です。

SKYPCEには、顧客管理ツールとの連携機能があるため、取り込んだ名刺データを同期することができ、手入力の手間が省けます。また、スキャンした名刺データは、OCR(光学的文字認識)による文字の読み取りだけでなく、AIや機械学習の活用、最後には人の目によるチェックをすることで正確に登録されます。そのため、顧客管理ツールと連携した際もマスターデータとしてそのまま活用できます。

CRM戦略を取り入れたいと考えている方は、顧客管理ツールとともに、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の導入もご検討ください。

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