「ご連絡いたしました」の使い方を例文と併せて解説
「ご連絡いたしました」は自ら相手へ連絡した際に使われます。メールで相手に連絡する際は、「〇〇の件でご連絡いたしました」などのフレーズをひと言添えることで、相手に用件が伝わりやすい丁寧なメールが作成できます。この記事では「ご連絡いたしました」の意味や使い方、例文、類語、言い換え表現などをご紹介します。「ご連絡申し上げました」や「ご連絡させていただきました」などの類似表現についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「ご連絡いたしました」の意味
「ご連絡いたしました」は、相手に対してどのような用件で連絡したのかなどを伝える際によく使われるフレーズで、自分から能動的に相手へ連絡した場合に用いられます。「ご連絡いたしました」を使った際、誰かの代わりに自分が連絡した場合でも、相手からの返事や反応は自分に向けて返されることが多いです。
「ご連絡いたしました」を使う対象
「ご連絡いたしました」は、「連絡」に「ご」をつけた丁寧な表現に、謙譲語である「いたしました」を組み合わせた、へりくだる表現です。そのため、上司や先輩、取引先の担当者など目上の人に対して一般的に使われます。
「ご連絡いたしました」を使う場面・使い方
「ご連絡いたしました」は、電話やメールなど手段を問わず、ビジネスシーンでも広く用いられる表現です。主に相手に対して確認や報告を行うときに使われ、「〇〇の件でご連絡いたしました」や「取り急ぎご連絡いたしました」などの書き方が挙げられます。
「ご連絡いたしました」を使うときの注意点
同様の意味合いで、「ご連絡させていただきました」と表現するケースも見られます。文化庁の「敬語の指針」では、「~させていただきました」という表現自体は誤用ではないものの、次の2つの条件を満たす場合のみ正しい表現であるとされているため、状況に応じて使うことをお勧めします。
ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い,
イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる。
引用:文化庁「敬語の指針」
「ご連絡させていただきました」は、冗長な印象を与える場合も多いため、「ご連絡いたしました」と「ご連絡させていただきました」のどちらを使うか迷った場合は、「ご連絡いたしました」を使うほうが無難といえます。
「ご連絡いたしました」を相手へ送るときの例文
ここでは「ご連絡いたしました」を用いたビジネスメールの例文を、シチュエーション別にご紹介します。
確認事項を連絡する際のメール・例文
件名:「〇〇〇」の進捗状況についてのご確認【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】
本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になります。
株式会社〇〇の△△△△でございます。
貴社にお力添えをお願いしております「〇〇〇」ですが、×××の影響により、スケジュールを前倒しして進める可能性がございます。
つきましては、現在の進捗状況を確認したくご連絡いたしました。
貴社での進捗状況も踏まえながら、スケジュールを再調整できればと存じますので、お手数ではございますがご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、何とぞよろしくお願いいたします。
日程を調整する際のメール・例文
件名:「〇〇〇」のお打ち合わせについて【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】
本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になります。
株式会社〇〇の△△△△でございます。
このたびは、弊社サービス「〇〇〇」へご興味を持っていただき、誠にありがとうございます。
導入を検討されているとのことでしたので、機能やお得なキャンペーンについてより詳しくご説明できればと思い、ご連絡いたしました。
当日は貴社のご要望や現状についても詳しくお聞かせいただければ幸いです。
以下の日程にて、ぜひ貴社へお伺いできればと存じますが、いかがでしょうか。
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
※お打ち合わせは30分~1時間ほどを予定しております。
上記の日時でのお打ち合わせが難しい場合は、〇〇様のご都合がよろしい日時をいくつかご教示いただけますと幸いです。
ほかにも「〇〇〇」についてご不明点や気になる点がございましたら、お気軽にお申しつけくださいませ。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
新規顧客へ営業する際のメール・例文
件名:「〇〇〇」のご提案について【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】
本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社〇〇の△△△△と申します。
このたび、貴社のWebサイトを拝見し、貴社で取り組まれている「×××」事業において、
弊社サービス「〇〇〇」が、より貴社の事業の発展に貢献できるのではないかと思い、ご連絡いたしました。
弊社サービス「〇〇〇」は、リリースから〇か月で導入企業〇〇社を突破し、
現在は約〇〇社にご利用いただいているサービスとなります。
「〇〇〇」は、特に△△△の面が強みで、×××の事業を推進させる上ではいずれ必要になり得る部分かと存じます。
貴社の事業内容に近い企業様の導入事例も併せてご確認いただけますと幸いです。
・https://~~~
・https://~~~
ぜひ一度貴社へお伺いし、より詳しく貴社の状況などを伺いながら「〇〇〇」についてご説明したく、
30分~1時間ほどお時間を頂戴できればと存じます。
以下の日程にて、貴社へお伺いできればと存じますが、いかがでしょうか。
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
・〇月〇日(〇)〇時~〇時
上記の日時でのお打ち合わせが難しい場合は、〇〇様のご都合がよろしい日時をいくつかご教示いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
▼「突然のご連絡失礼いたします」について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
「突然のご連絡失礼いたします」とは? ビジネスにおける使い方や注意点、例文を解説
電話で不在だった際のメール・例文
件名:本日〇時~のお打ち合わせについて【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】
本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になります。
株式会社〇〇の△△△△でございます。
先ほどお電話を差し上げましたが、お忙しいようでしたのでメールにてご連絡いたしました。
本日〇時よりお時間を頂戴しておりますお打ち合わせですが、現在乗車している電車が運転を見合わせてしまい、開始時間までのお伺いが難しい状況です。
運転再開は〇時ごろとのことでしたので、貴社への到着は〇時ごろになるかと存じます。
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。
本日中のお打ち合わせが難しい場合は、大変恐れ入りますが再度日程を調整できればと存じます。
取り急ぎ、本メールにておわび申し上げます。
返信を依頼する際のメール・例文
件名:〇日送付のご請求書について【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】
本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になります。
株式会社〇〇の△△△△でございます。
先日は、弊社サービス「〇〇〇」のサービス資料を作成いただき誠にありがとうございました。
ご請求書につきまして、〇日までにご送付いただく旨を伺っておりましたが、本日〇時時点で弊社にて確認できておらず、ご連絡いたしました。
ご請求書の到着が〇日を過ぎますと、お支払いが遅れる可能性がございます。
お手数をおかけしますが、ご状況を確認いただけますと幸いです。
なお、本メールと入れ違いですでにご送付いただいておりましたら、申し訳ございません。
引き続き、よろしくお願いいたします。
「ご連絡いたしました」の返信方法
相手から「ご連絡いたしました」という言葉を受け取った場合、基本的には連絡の内容に沿った返信を行います。ただし、連絡してきた相手が連絡事項に関わる本人であるか、代弁者であるかによって対応を変える必要があります。もし代弁者から連絡を受けた場合は、連絡の内容によって自分が取る行動や、代弁者本人に対応してほしいこと、連絡事項に関わる本人に対応してほしいことなど、具体的な報告や指示を出すことが重要なケースもあります。
「ご連絡いたしました」の類語、言い換え
「ご連絡いたしました」と同様に使える類語や言い換え表現は、次のとおりです。ビジネスシーンで用いる際に、ぜひご活用ください。
ご連絡申し上げました
「ご連絡申し上げました」は「ご連絡いたしました」よりもかしこまった言い回しですが、両者に大きな意味の違いはなく、相手へ連絡する際に用いられる表現です。
どちらも目上の人に対して使う敬語表現ですが、相手によっては「ご連絡申し上げました」を使うことで堅い印象を抱かせたり、萎縮させてしまったりするケースがあります。より丁寧な書き方をしたい場合は「ご連絡申し上げました」を使ったり、シンプルに文章をまとめたい場合は「ご連絡いたしました」を使ったりと、場合によって使い分けるのがお勧めです。
ご連絡差し上げました
「差し上げる」は「与える」の謙譲語です。「ご連絡差し上げました」も「ご連絡いたしました」と同様に、相手に対して自分から連絡したことを伝えることができ、目上の人に対して使えるかしこまった表現です。
ご報告いたしました
「ご報告いたしました」は、相手に物事を伝える際に使うフレーズです。すでに済んだ物事について述べるときなどに使える表現ですが、「ご連絡いたしました」は過去、現在、未来の出来事を問わず、相手に連絡事項を伝える際に使用できます。
「ご連絡いたしました」の英語表現
「ご連絡いたしました」は、英語では次のような書き方で表せます。
I contacted you (ご連絡いたしました)
「contact」は「連絡する」という意味です。「I contacted you」で「あなたに連絡しました」と、連絡した旨を伝えることができます。
I'm sending this email for your reference.
(参考になればと思い、ご連絡いたしました)
「I'm sending this email」は「あなたにメールを送っています」、「reference」は「参考」という意味があり、「I'm sending this email for your reference.」は直訳すると「参考までにこのメールを送っています」という意味合いになります。
まとめ
この記事では「ご連絡いたしました」の意味や使い方、例文などをご紹介しました。「ご連絡いたしました」は、相手への確認や催促などさまざまな場面で用いられるフレーズです。記事内で挙げた例文や注意点などを、社内外でのコミュニケーションの一助としてぜひご活用ください。