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Sky株式会社

公開日2023.12.15更新日2024.01.05

営業力強化とは? 売上アップに必要なスキルやマネジメント方法を解説

著者:Sky株式会社

営業力強化とは? 売上アップに必要なスキルやマネジメント方法を解説

営業力強化を図ることで、組織の売上や利益の増加、組織全体における生産性の向上が期待できます。営業力強化のためにセミナーなどを受講する手段もありますが、社内の体制やマネジメントの方法を見直すことで強化できる場合もあります。この記事では、営業力強化を図るにあたって必要なことやスキル、マネジメントのコツや営業力強化に役立つツールなどを詳しくご紹介します。個人やチームでの営業力を高め、属人化しない営業体制を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

営業力強化とは

営業力とは、営業担当者個人や組織全体での生産性を強化するために必要な力です。個人や組織における営業力は、営業担当者それぞれの強みや弱みが大きく影響するため、営業力の強化に取り組む上では、一人ひとりの強みを最大限に生かし、弱みを払拭する環境を整えることが重要です。営業担当者が持つそれぞれのスキルを最大限に伸ばせるようマネジメントを徹底し、各担当者が活躍できる仕組みづくりを行うことで、営業力の高い組織を目指せます。

個人に求められる営業力

営業担当者個人の営業力は、主に営業担当者それぞれの活動に現れます。見込み客(自社の商品やサービスを利用する可能性がある企業)の発見やアプローチ、アポイントの獲得、契約後のアフターフォロー、既存顧客へのアプローチなど、一連の営業プロセス全体を通して営業力を発揮する必要があります。受注したとしても売りっぱなしにするのではなく、既存顧客が自社の商品やサービスを通じて課題解決や事業の成功につながるようフォローすることや、既存顧客にさらに自社に興味を持ってもらいアップセルやクロスセルを促すといった取り組みも不可欠です。

▼既存顧客について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
既存顧客とは? 営業手法やアプローチ手順を詳しく解説

営業組織に求められる営業力

営業組織における営業力は、営業チームや営業部門などの集団での活動のなかで培われます。組織内の営業担当者それぞれのモチベーションの向上を図るため、担当者同士で競争させるケースもありますが、過度な競争はかえってモチベーションの低下や離職の原因にもなりかねないため、注意が必要です。営業担当者全員の意識を高く保つために、担当者同士の関係構築を活発化させることや、個人ごとの適切な目標設定など、マネジメントの精度を強化することが重要です。

営業力強化に必要なこと

営業力の強化に取り組むにあたって必要なことは、次のとおりです。

自社の営業プロセスを確立させる

社内の基本的な営業プロセスを確立させることで、営業担当者それぞれの能力やスキルによらず、誰でも一定レベルの結果を得られる仕組みを整えます。組織において、一部の営業担当者の営業力に依存して属人化に陥るケースは多く、ナレッジの共有や営業担当者の育成が課題になる傾向があります。営業力強化のために、成績の良い営業担当者のトークやアプローチ方法を分析し、これまでの見込み客や既存顧客の傾向を参考にしながら営業プロセスを確立することが大切です。

現代の営業スタイルを意識する

現代で主流とされている営業スタイルでは、自社の商品やサービスの特長を強調して売り込むのではなく、その商品やサービスを見込み客が利用することで、どのような価値が得られるか、どのように課題解決に影響するかを伝えることが重要視されています。見込み客に自社の商品やサービスに対する必要性を感じてもらうには、すでに顕在化された見込み客の課題やニーズだけではなく、見込み客自身も気づいていない潜在的な課題やニーズを引き出す力が必要です。このような、見込み客の潜在的なニーズに対してアプローチする営業スタイルのことを「インサイトセールス」と呼びます。

▼インサイトセールスについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください
インサイトセールスとは? 従来の営業スタイルとの違いやメリット

営業戦略を明確にする

営業力を強化するには、営業戦略を明確化することが重要です。営業戦略を練る上では、ターゲットの選定から行う必要があり、「5C分析」を基に自社で優先的にアプローチする企業を見極めます。5C分析とは「自社(Company)、消費者(Consumer)、競合他社(Competitor)、中間顧客(Customer)、経済環境(Community)」の5つの要素を基にした市場分析方法です。

▼営業戦略について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
営業戦略とは? 戦略の立て方や戦術との違い、フレームワークを解説

マーケティング思考も取り入れる

現代の企業においては、従来と比べてコスト意識が高まっており、本当に必要なものや将来的に事業を続けるために役に立つものだけに投資する傾向が強まっています。そのため、商品やサービスの良さアピールするだけの押し売りに近い営業スタイルでは受注につながりづらいです。ターゲットが何を必要としているのか、市場のトレンドに適した商品やサービスは何かなどを常に見極めるマーケティング思考を養うことが大切です。ターゲットにとって需要のある商品やサービス、キャンペーン施策などを分析し、新商品の開発や新規顧客の開拓に努めることが重要になっています。

営業担当者を褒めて育成する

営業担当者を積極的に褒めることで、上司と部下の関係が深まり、コミュニケーションの促進につながります。営業担当者を育成する上で、改善点を指摘して指導することは当然不可欠ですが、営業担当者の成功や長所を褒めることでモチベーションを向上し、さらに長所を伸ばすきっかけにできます。営業担当者一人ひとりの良い側面を積極的に評価することが、組織全体の営業力を強化する鍵ともいえます。

積極的に行動し、PDCAサイクルを回す

社内で基本的な営業プロセスを定めて営業戦略を確立しても、営業担当者それぞれが実践しない限り営業力の強化にはつながりません。「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」というPDCAサイクルを回し、積極的に仮説検証や行動に踏み切り、各行動を終えた段階の振り返りを行い、次回に向けて仮説立てすることが重要です。

ナレッジを社内で共有する

営業活動における成功事例やナレッジを社内で共有し、多くの営業担当者が実践できるようにすることで、個々の営業担当者に依存することなく組織全体の営業力強化が図れます。営業担当者の外出が多いことなどが原因となり、ナレッジや情報の共有が不足している傾向があり、営業部門の業務は属人化しやすいといわれています。営業担当者同士や組織全体での情報共有を活発化させることで、従業員間でのコミュニケーションの促進やモチベーションの向上にもつながります。

営業力強化に必要なスキル

営業力強化を図る上で必要なスキルは、次のとおりです。

タスクマネジメント

営業活動を効率よく行うためには、タスクの取捨選択が重要です。売上や利益につながる可能性が高い営業活動にリソースを割き、逆に売上や利益に大きく影響しないタスクの優先度は下げるなどの工夫を意識する必要があります。営業担当者の業務は多岐にわたり、商談以外にも事務作業や会議、資料作成など、多くのタスクを抱えていることが少なくありません。事務作業など、営業担当者でなくても行える業務に関してはアシスタントを雇うなど、営業担当者が重要度の高い営業活動に集中できる環境をつくることも大切です。

情報収集、分析

見込み客や既存顧客へのヒアリングで情報を集めたり、顧客データを分析して顧客それぞれに最適なアプローチ方法を発見したりすることで、受注率の向上が期待できます。過去の案件から勝ちパターンを見つけ、新しい提案内容や営業戦略に活用することが、分析スキルの向上や営業力の強化につながります。

ロジカルシンキング

営業活動を成功させるには、営業担当者が的確にロジカルシンキングする力を身につけることも大切です。論理的思考力とも呼ばれるロジカルシンキング力は、見込み客や既存顧客との社外でのコミュニケーション以外にも、社内でのプレゼンテーションや会議でも役立ちます。ロジカルシンキング力を生かし、見込み客や既存顧客の課題やニーズに対して素早くアプローチすることで、信頼関係の構築にも大きく寄与します。

信頼関係を築く

長期的に自社の商品やサービスを利用している優良顧客や、多くの売上が見込める見込み客や既存顧客との信頼関係の構築は特に重要です。このような顧客に対して重点的にリソースを割き、関係維持に努めます。信頼関係を構築するためにはスピーディーなアプローチが不可欠であり、社内で定めた基本となる営業プロセスの中から、特に重要な営業活動に絞って取り組むといった工夫も必要です。

ニーズを引き出し提案する

見込み客や既存顧客を課題解決へ導くには、商品やサービスの特長をアピールするだけではなく、各顧客の課題を的確に把握し、どのように自社が貢献して解決へ導けるか提案する必要があります。最適な提案内容を提供するために、見込み客や既存顧客の課題やニーズを引き出すことが鍵となるものの、信頼関係を構築できていない段階ではそれらをうまく引き出すことは難しいです。優れたヒアリングを行うためには、先述した情報収集力や分析力、ロジカルシンキング力も大きく関わります。

プレゼンテーションスキル

商談など限られた時間の中で自社の良さを知ってもらい、見込み客や既存顧客に商品やサービスを必要だと感じてもらうためには、優れたプレゼンテーションスキルが求められます。自社の商品やサービスの機能やメリットを単に伝えるだけではなく、プレゼンテーションを行う相手によって刺さるポイントを見極め、「自社の商品やサービスを導入することでどのような課題が解決できるか」「競合他社と比べてどのような点が優れているか」などを簡潔に伝えることで、見込み客や既存顧客の購買意欲を効率的に高められます。

営業力強化のためのマネジメント

営業力強化においては、マネジメントも重要です。営業担当者個人や組織全体で営業力を底上げするために必要なことは、次のとおりです。

チームのモチベーションを向上させる

組織の営業力強化を図る場合、営業チームや組織全体のモチベーションを高める必要があります。もちろん、営業担当者の成績に応じたインセンティブや昇給などといった金銭的・物理的な報酬もモチベーションの向上に影響しますが、営業担当者のやる気が湧き上がるような施策を行ったり、組織内で励まし合ったりすることでも、高いモチベーションを常に維持できる環境づくりができます。

属人化させない

従来の営業マネジメントでは、結果や数字だけを求める方法が主流であり、成績の良い営業担当者に売上が偏るなど、属人的な側面が目立っていました。しかし、現代の営業では属人化を避け、すべての営業担当者が同じように成功を収められるような仕組みをつくることが重視されています。社内での成功体験や勝ちパターンを積極的に共有し、組織全体で営業活動のレベルを高められるマネジメントが求められています。

逆算思考で目標達成を狙う

営業活動では、逆算して目標を設定し、各営業活動における行動内容を管理することが重要です。逆算思考では、最初に定めたゴールの設定から逆算して最適な営業プロセスを割り出し、その過程において重要度が高いとされる営業活動に集中してリソースを割くことで確実に目標達成を狙います。目標達成に向けて営業活動を行うなかで予期せぬ事態が起きた場合にも冷静に対処できるよう、日頃から行動管理を行い、次に取るべきアクションは何か、トラブルが起きた際はどうするかなどをあらかじめ考えておくことが大切です。

営業力強化にITツールの活用もお勧め

営業力強化を行うにあたって、ITツールを活用することもお勧めです。ここでは、営業担当者にとって役立つITツールをご紹介します。

CRM

CRM(顧客関係管理)は、見込み客や既存顧客との信頼関係の維持や、関係を深めることに役立つツールです。顧客情報をツール内に集約することで、社内で顧客に関するデータを一元管理できるだけでなく、顧客データに基づく分析が行えるなど、見込み客や既存顧客へのアプローチ方法の考案や戦略立案に活用できます。

▼CRMについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください
CRM(顧客関係管理)とは? 導入メリットや選び方、注意点を解説

SFA

SFA(営業支援システム)は、営業活動の効率化に役立つツールで、顧客情報や各案件の管理を主な目的として使われます。SFAでは予算管理や案件の進捗管理だけでなく、見積書などの書類作成や営業活動の記録が行えるツールもあります。SFAがあることで、顧客や案件の情報を社内で共有しやすくなるため、営業担当者の急な退職や欠勤にも対応しやすくなります。

▼SFAについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください
SFA(営業支援システム)とは? 機能やCRM・MAとの違いを解説

名刺管理ツール

名刺管理ツールでは、見込み客からもらった名刺をデータ化し、社内で一元管理できます。紙の名刺を管理する場合、一般的に営業担当者それぞれが個人的に管理することになるため、紛失などの人為的なミスが起こったり、古い名刺情報のまま所持し続けてしまったりする場合があります。名刺管理ツールを用いて名刺を社内でデータ管理することで、紛失によるトラブル防止や、最新の名刺が登録された際の自動情報更新などといったメリットが得られるため、個人に依存した名刺管理体制を改善できます。

ほかにも、名刺管理ツールを使うことでスピーディーに必要な名刺を検索でき、営業活動で用いる顧客リストの作成やメールでの一斉連絡が手軽に行えるようになり、より名刺情報を営業活動に活用しやすい環境を整えられます。

営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」では、上記の機能に加えて、名刺情報に紐づけて営業活動を記録できます。この記録は上司への情報共有や自身の振り返りだけでなく、社内で今後の営業戦略を策定する際にも役立つ機能です。

▼SKYPCEの営業活動記録については、こちらのページをご覧ください
営業支援 名刺管理サービスのSKYPCE:新機能

まと

この記事では、営業力強化において必要なスキルやマネジメント、営業力強化に役立つツールなどをご紹介しました。営業担当者個人の営業力や組織の営業力を高めることで売上や利益に貢献できるだけでなく、チーム全体のモチベーションの向上にもつながります。記事内でご紹介した内容が、自社にとって最適な営業プロセスやマネジメント方法を見つける参考になれば幸いです。