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Sky株式会社

公開日2023.12.15更新日2024.01.05

「至らない点」の使い方を例文と併せて解説

著者:Sky株式会社

「至らない点」の使い方を例文と併せて解説

「至らない点」とは、自身に未熟な部分があることを表現するフレーズです。ビジネスシーンにおいては、主に取引先などへ謝罪をする場面や、初対面の人に挨拶する場面でよく使われますが、誤った使い方で誤解を招かないように注意する必要があります。この記事では「至らない点」の意味や使い方、例文、類語、言い換え表現などをご紹介します。

「至らない点」の意味

「至らない点」は、自身の未熟さや配慮、注意が足りないことなどを表す言葉です。「私に至らない点があり、大変申し訳ございません」など、主に自身に向けた言葉として使われ、他人に対して「至らない点」を使うことは失礼にあたるため、注意が必要です。

「至らない点」を使う対象

「至らない点」は、社内の人や取引先の担当者とやりとりをする時に使われます。例えば、入社や異動などで初対面の人に自己紹介をする際や、セミナーの司会で不特定多数に挨拶する際などでは、「至らない点もあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします」と謙遜の意味を込めて使うこともできます。

「至らない点」を使う場面・使い方

「至らない点」は、主に次のようなビジネスシーンで使われます。

感謝の気持ちを伝える

「至らない点」は、異動や退職などのタイミングでも、お世話になった上司や同僚、後輩などに感謝の気持ちを伝えるためにも使われます。「在籍中は至らない点もあったかと存じますが、大変お世話になりました」などと、自分の未熟さや配慮が足りなかった部分を謙遜し、自分に対して気配りしてくれた相手に感謝を示します。

おわびをする

「至らない点」は謝罪の場でも使われます。主に取引先や顧客へのクレーム対応や自身の不手際、配慮不足への謝罪をする際に、「私に至らない点があり、ご迷惑をお掛けしたことをおわび申し上げます」などと使うことができます。

挨拶をする

入社や異動、昇進をした際に、「至らない点もあるかと存じますが、これからどうぞよろしくお願いいたします」と挨拶することで、自身が未熟な立場であることを表現できます。また、上司や取引先などに年末年始のメッセージを送る際にも、「昨年は至らない点があったかと存じますが~」というように使うことができます。

「至らない点」は「至らぬ点」でも失礼にならない?

「至らない点」と同様の使い方で、「至らぬ点」を用いるケースも見られます。「至らない点」の「ない」と「至らぬ」の「ぬ」はどちらも否定を意味する助動詞であるため、「至らない点」と「至らぬ点」はどちらを使っても誤りではありません。ビジネスメールなどで「至らぬ点」という書き方をしても失礼にはあたらないため、文章の流れやバランスによって使い分けることをお勧めします。

「至らない点」を使うときの注意点

先述のとおり「至らない点」は、新しい環境に身を置くときや、初対面の人へ挨拶するときに用いられ、自身が未熟であることから他者のサポートが必要であることを伝える表現です。ただし、謙虚さを示すために自身を過小評価しすぎてしまうと、相手が不安を感じてしまう可能性もあるため注意が必要です。過度な謙遜は避け、要所では適度に自信のほどを示すことも大事です。

「至らない点」を相手へ送るときの例文

ここでは「至らない点」を用いたビジネスメールの例文を、シチュエーション別にご紹介します。

おわびをする際のメール・例文

件名:ご請求書の誤りに関するおわび【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】

本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様

平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の△△△△でございます。

〇月〇日にお送りいたしました「〇〇〇」のご請求書につきまして、下記のとおり請求金額に誤りがございました。

==============

【誤】XXXXX円
【正】XXXXX円

==============

つきましては、正しい内容のご請求書を本メールの添付にて再度お送りいたしますので、ご確認いただけますと幸いです。
なお、お手数をお掛けしますが、訂正前のご請求書は破棄いただきますようお願い申し上げます。

このたびは私に至らない点があり、ご迷惑をお掛けしたことをおわび申し上げます。
以後、このようなことがないよう確認を徹底してまいりますので、今後とも変わらぬご支援のほど、何とぞよろしくお願いいたします。

取引先に退職の挨拶をする際のメール・例文

件名:退職のご挨拶【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】

本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様

平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の△△△△でございます。

このたび、一身上の都合により、〇月〇日をもって株式会社〇〇を退職いたします。

在任中は至らない点も多くあったかと存じますが、〇〇様をはじめとした貴社の皆さまには大変お世話になりました。
「〇〇〇」プロジェクトにおいては、〇〇様からさまざまなことを勉強する機会をいただきました。また、プロジェクトの成功に向けて多大なご支援を賜りましたことを、心より感謝しております。

本来であれば直接お伺いするところを、メールでのご連絡となり大変申し訳ございません。

後任は、同じ部署の□□が担当いたします。
後日、□□から改めてご挨拶に伺いますので、変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願いいたします。

末筆ながら、貴社のご発展と〇〇様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

異動先の部署で挨拶をする際のメール・例文

件名:異動のご挨拶【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】

本文:
〇〇部 各位

お疲れさまです。
〇月〇日(〇)より□□部から〇〇部へ異動となりました、
△△△△(フルネーム)と申します。

異動前の□□部では〇〇〇に関する業務を行っており、
~~~~や、~~~~などの点で皆さまのお力になれれば幸いです。

まだ至らない点も多く、新しい部署での業務に慣れるまではご迷惑をお掛けすることもあるかと存じます。
いち早く部署の発展に貢献できるよう、精いっぱい努めてまいりますので、これからどうぞよろしくお願いいたします。

「至らない点」の返信方法

相手から「至らない点がございましたら、遠慮なくおっしゃってください」といった言葉を掛けられた場合、もし指摘すべき点があるのであれば返答をしますが、そのとき相手に不快な思いをさせないよう、「恐れ入りますが」や「お手数をおかけしますが」などと、相手を気遣った言葉遣いが重要です。

また、「至らない点があるかもしれませんが、よろしくお願いいたします」といった言葉を掛けられた場合には、「ご一緒できてうれしいです」や「こちらこそ、よろしくお願いいたします」と好意的な返信をすることで、相手との関係を深めることに役立ちます。

「至らない点」の類語、言い換え

「至らない点」と同様に使える類語や言い換え表現は、次のとおりです。ビジネスシーンでぜひご活用ください。

未熟者

「未熟者」は、技術がまだ身についていない人や、未熟である人を意味します。「未熟者ですが~」は謙遜する表現として使用されるのが一般的ですが、若手社員や新入社員など、明らかに未熟なうちから使うと、相手に対して失礼になることもあります。

ふつつか

「ふつつか者」は、思慮に欠ける人、気が利かない人を意味します。初対面の人への挨拶など、自身を謙遜する場面で用いられ、「至らない点」と同様に他者に対しては使わない表現です。「ふつつか者ではございますが~」というフレーズは結婚の際に用いられるイメージが浸透していますが、ビジネスシーンでも使えます。

若輩者

「若輩者」は、年齢が若い人や、経験が浅い人を意味します。ビジネスシーンにおいては、昇進時や退職時の挨拶などでよく用いられ、経験豊富な人が自身を謙遜するために「若輩者」を使う場面も見られます。一方、若手社員や新入社員が「若輩者ではありますが~」と挨拶をすると、仰々しい印象を与えてしまうこともあります。

不備

「不備」は、必要なものがそろっていない状態を意味する言葉です。ビジネスシーンにおいては、必要な書類や対応事項が不足していたときなどに、「〇〇に不備があり、大変申し訳ございません」と相手におわびします。

配慮不足

自身の配慮が欠けていたことをおわびする場面では、「至らない点」と同様に「配慮不足により~」を使うことができます。謝罪の内容によっては、「注意不足」や「不十分」「不注意」などと至らない点を具体的に表した言葉を使用するのもお勧めです。

「至らない点」の英語表現

「至らない点」は、英語では次のような書き方で表せます。

I am still inexperienced and might cause some trouble, but I would like to support you.
(至らない点もあるかと思いますが、お力になれれば幸いです)

「inexperienced」は「未熟」、「might」は「かもしれない」、「cause」は「~を引き起こす原因」、「I would like to」は「私は~したい」という意味です。「I am still inexperienced and might cause some trouble, but I would like to support you」は、直訳すると「私は未熟なのでトラブルを起こすかもしれませんが、あなたを助けたいです」になります。

I apologize for my lack of ability to meet your requirements.
(私に至らない点があり、ご要望に応えられず申し訳ございません)

「I apologize for my lack of ability」は「私の能力不足をおわびします」という意味です。また、「meet」は「応じる」、「requirement」は「要求」を意味します。「I apologize for my lack of ability to meet your requirements」を直訳すると、「あなたの要望に応えるための、私の能力が不足していて申し訳ありません」になります。

なお、ビジネス英語においては、謙虚な表現が必ずしも好意的に受け取られるわけではないことに注意が必要です。日本人的な振る舞いで謙虚な姿勢を示すことによって、そのまま経験不足や能力不足であると受け取られることもあるため、海外での取引など、英語でコミュニケーションを取る際は使用を控えるのがお勧めです。

まと

この記事では「至らない点」の意味や使い方、例文などをご紹介しました。ビジネスシーンにおける「至らない点」は、初対面での挨拶や、謝罪の際に使われる表現のため、使い方を誤れば相手との今後の関係に大きく影響しかねないフレーズです。「至らない点」は言い換え表現も豊富にあるため、記事内でご紹介した内容をぜひご活用ください。