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Sky株式会社

公開日2024.01.12

「ご尽力いただき」の意味や言い換え表現を例文と併せて解説

著者:Sky株式会社

「ご尽力いただき」の意味や言い換え表現を例文と併せて解説

「ご尽力いただき」は、主に目上の人に対して使われる敬語表現で、ビジネスシーンをはじめとするさまざまな場面で相手が力を尽くしてくれたことへの感謝や、物事に対する自身の意気込みを表す際に使用します。「ご尽力いただき」は、使い方によっては二重表現になったり、相手に対して失礼な言い回しになったりする恐れがあるため、注意が必要です。この記事では、「ご尽力いただき」の意味や使い方、例文、類語、言い換え表現などをご紹介します。

「ご尽力いただき」の意味

「尽力」は「力を尽くすこと」「精いっぱい努力すること」を意味します。「ご尽力いただき」は、「尽力」に敬語接頭辞である「ご」をつけ、「~してもらう」の謙譲語である「~していただき」と組み合わせた丁寧な表現です。ビジネスシーンをはじめとするさまざまな場面において、相手が力を尽くしてくれたことに対して、「ご尽力いただきありがとうございます」といった表現で感謝の気持ちを述べる際などに使われます。

「ご尽力いただき」を使う対象

「ご尽力いただき」は敬語表現のため、基本的に上司や先輩、取引先の担当者といった目上の人に対して使う表現です。ですが、「尽力」という言葉自体は部下や同僚などにも使用することができ、「〇〇さんに尽力してもらい感謝しています」「〇〇さんの尽力によってスムーズに進行できています」という表現ができます。

「ご尽力いただき」を使う場面・使い方

「ご尽力いただき」は丁寧な表現のため、重要な業務やプロジェクトに関する話題の中や、フォーマルな場でのコミュニケーションの際に用いられます。ほかにも、「本プロジェクトの成功に向け、尽力いたします」など、「尽力」は自分の努力に対しても使用できます。このとき、多くのケースでは「努力」という言葉に言い換えることができますが、ビジネスシーンなどのかしこまった場面では「尽力」がよく使われます。

「ご尽力いただきたい」は正しい?

相手に対して「ご尽力いただきたいと思います」「ご尽力のほどお願いいたします」などの言葉を投げ掛けるのは、相手に対して「私のために力を尽くしてください」とお願いするような印象を与えてしまうため、失礼にあたります。相手に協力を求める際は、「ご協力のほどお願いいたします」や「お力添えいただけますと幸いです」などのフレーズを使うのがお勧めです。

「ご尽力いただき」を使うときの注意点

「ご尽力いただき」を使うときの注意点は、次のとおりです。

依頼時には使わない

繰り返しになりますが、相手に対して依頼をする際には「ご尽力いただき」を使うことは避けるのが無難です。「尽力」は、自ら努力して力を尽くすことを意味するため、依頼をする際に「ご尽力いただき」を使うと、努力を強要するようなイメージを与えかねません。もし、相手に対して「尽力」という言葉を用いる際には「引き続きご尽力いただけますと幸いです」「今後ともご尽力いただけますと大変ありがたく存じます」など、現在すでに相手から尽力してもらっていることに感謝する姿勢を示す表現にすることが大切です。

「尽力した」は使わない

「尽力」を自分に対して使う場合は、基本的にこれから起こることに対して述べる際に使用し、過去の行動に対して述べる際には使用しないことに注意が必要です。すでに済んだ物事に対しては、「尽力してまいりました」や「尽力いたしました」ではなく「努力いたしました」「成功に向けて努めてまいりました」などの表現を使うことをお勧めします。

二重表現を避ける

「尽力を尽くす」は「尽力を注ぐ」などの表現は二重表現にあたります。「尽力」という言葉自体が「力を尽くす」という意味を持つため、「尽くす」を加えてしまうと「力を尽くすことを尽くす」というような意味になってしまいます。同様に「尽力を注ぐ」の場合も「力を尽くすことを注ぐ」という意味になってしまいます。「尽力」を動詞として使う際は、「尽力する」が正しい表現であることにご注意ください。

「ご尽力いただき」を相手に送るときの例文

ここでは「ご尽力いただき」を用いたビジネスメールの例文を、シチュエーション別にご紹介します。

相手が予定より早く対応してくれた際のメール・例文

件名:「〇〇〇」資料の修正について【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】

本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様

平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の△△△△でございます。

「〇〇〇」資料の修正につきまして、早速のご対応誠にありがとうございます。
修正箇所を拝見し、内容に問題はないかと存じますので、こちらの内容でプロジェクトを進めてまいります。

当初の予定よりもかなり早く進行できており、〇〇様にご尽力いただきましたことを大変感謝しております。

引き続き、お力添えのほどよろしくお願い申し上げます。

相手にスケジュールを調整してもらった際のメール・例文

件名:〇〇〇の進行スケジュールについて【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】

本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様

平素より大変お世話になっております。
株式会社〇〇の△△△△でございます。

〇〇〇の進行スケジュールを変更いただき、誠に申し訳ございません。
各所へのご連絡やご調整など、お忙しいなかご尽力いただきありがとうございます。

ご共有いただきましたスケジュールにて、引き続き弊社でも業務を進めてまいります。
進捗状況につきましては、〇月〇日(〇)のお打ち合わせにてご共有できればと存じます。

引き続き、何とぞよろしくお願いいたします。

プロジェクト成功のお礼を伝える際のメール・例文

件名:〇〇〇プロジェクトへのご協力のお礼【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】

本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様

平素より大変お世話になります。
株式会社〇〇の△△△△でございます。

このたびは〇〇〇プロジェクトにて多大なご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。

プロジェクトの成功を収められたことは、〇〇様のサポートや迅速なご対応のおかげです。
ご尽力いただきまして、誠にありがとうございました。

お力添えいただきました〇〇様や貴社の皆さまを今後サポートできるよう、
弊社一丸となって、引き続き精進してまいります。

本来であれば書状にてお礼申し上げるべきところを、メールでのご連絡となり大変恐れ入ります。
引き続き、よろしくお願いいたします。

年末のあいさつをする際のメール・例文

件名:年末のごあいさつ【株式会社◯◯・△△△△(フルネーム)】

本文:
株式会社□□
〇〇部 〇〇様

平素より大変お世話になります。
株式会社〇〇の△△△△でございます。

年の瀬が迫り、今年も残りわずかとなってまいりました。
本年は〇〇〇プロジェクトへ多大なご協力を賜り、誠にありがとうございました。
プロジェクトの進行中には、さまざまな場面で〇〇様にご尽力いただきましたことを、心より感謝申し上げます。
来年におかれましても、本年同様変わらぬお力添えをいただけますと幸いでございます。

なお、誠に勝手ながら、弊社では下記の期間を年末年始の休業期間としてお休みをいただきます。 休業期間中はご不便をおかけいたしますが、ご了承いただけますと幸いです。

======================

最終営業日:〇月〇日(〇) 営業開始日:〇月〇日(〇)

======================

メールでのごあいさつとなり恐れ入りますが、以上をもって、年末のごあいさつといたします。
末筆ながら、貴社のますますのご発展と皆さまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。

「ご尽力いただき」の返信方法

「ご尽力いただき」という言葉を相手から掛けてもらった場合は、「まだ力不足ではございますが、引き続き精進いたします」など、謙遜した表現で返答を行うのが無難です。ほかにも、「引き続き貴社のお力になれればと存じますので、よろしくお願いいたします」など、継続して相手に協力する姿勢を示す返答もお勧めです。

「ご尽力いただき」の言い換え表現

「ご尽力いただき」と同様に使える類語や言い換え表現は、次のとおりです。ビジネスシーンで用いる際に、ぜひご活用ください。

相手に向けて使う場合

相手が力を尽くしてくれたことに対して、「ご尽力いただき」を使う場合の言い換え表現は、次のとおりです。

ご尽力を賜り

「賜る」は、「いただく」をさらに丁寧にした表現で、「ご尽力賜り」と「ご尽力いただき」は同様の意味で使用できます。普段よりかしこまった場では「ご尽力賜り」を使うことがお勧めで、「多大なるご尽力を賜りありがとうございます」や「ご尽力を賜り感謝申し上げます」などの表現ができます。

お力添えいただき

「ご尽力」と似た意味合いで「お力添え」という言葉を使用できます。「お力添え」は、「手助け」という意味を持つ「力添え」を丁寧に表現した言葉です。「ご尽力」のほうが「お力添え」よりも労力を注ぐニュアンスがあるため、相手に対応してもらった物事の内容によって使い分けることもお勧めです。また、「お力添え」は「お力添えのほどよろしくお願いいたします」など、相手に依頼する使い方もできます。

ご支援いただき

「ご支援」は「力を貸して助ける」という意味を持つ「支援」を丁寧に表した言葉です。「ご支援いただき」も「ご尽力いただき」と同様に、相手からサポートしてもらったときや、協力してもらったときに使えるフレーズです。

ご協力いただき

「ご協力」は、「複数人が共同で特定の目標を達成するための行動」を意味する「協力」を丁寧に表した言葉です。「ご協力」は「ご尽力」と似た意味合いで使うことができますが、「ご尽力」よりもフランクなニュアンスがあるため、かしこまった場や目上の人に対しては「ご尽力」を使うほうが無難です。

ご助力いただき

「ご助力」は、「ほかの人の仕事や活動などに力を貸すこと」を意味する「助力」を丁寧に表した言葉です。「ご助力」も「ご尽力」と同様に、「ご助力いただきありがとうございます」など、相手にサポートや協力をしてもらった場面で用いられる表現です。

自分に向けて使う場合

自身を主語に「尽力する」を使う場合の言い換え表現は、次のとおりです。

励む

「励む」は「気持ちを奮い起こして物事に取り組む」「心を打ち込んで努める」という意味を持つ言葉です。「尽力する」よりも「励む」はややフランクな印象のあるフレーズです。

まい進する(邁進する)

「まい進する」は、「目的に向かってひたすらに突き進むこと」という意味を持つ言葉です。「まい進する」も物事に対して力を尽くして取り組むことを意気込む表現として用いられるため、「尽力する」と同様の使い方ができます。

精進する

「精進する」は「精神を集中して励むこと」「一生懸命に努力すること」を意味する言葉で、「尽力する」と同様に、力を尽くして取り組む際に使われます。「精進する」はかしこまった表現のため、目上の方に対してや、フォーマルな場で使うのがお勧めです。

「ご尽力いただき」の英語表現

「ご尽力いただき」は、英語では次のような書き方で表せます。

I appreciate your efforts and hard work for this negotiation.
(今回の交渉ではご尽力いただきありがとうございます)

「I appreciate~」は「~に感謝する」、「effort」は「努力」、「negotiation」は「交渉」を意味します。「I appreciate your efforts and hard work for this negotiation」で、「今回の交渉に力を尽くしていただいたことに感謝いたします」という意味合いになり、「ご尽力いただきありがとうございます」と同様の使い方ができます。

Thank you for making efforts for our project.
(私たちのプロジェクトに対しご尽力いただきありがとうございます)

「Thank you for~」は「~してくれてありがとう」、「make efforts」は「努力する」を意味します。「Thank you for making efforts for our project」で、「私たちのプロジェクトに力を尽くしていただきありがとうございます」という意味合いになり、「ご尽力いただきありがとうございます」と同様の使い方ができます。

まと

この記事では、「ご尽力いただき」の意味や使い方、例文などをご紹介しました。「ご尽力いただき」は取引先の相手に対してなど、ビジネスメールでお礼を伝える際に頻繁に用いられるフレーズです。相手に感謝の気持ちを示し、より深い関係を構築するために、記事内でご紹介した例文や言い換え表現などをぜひご活用ください。