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公開日2024.01.18更新日2024.03.29

営業のデジタル化とは? 必要な理由やアナログ営業との違い

著者:Sky株式会社

営業のデジタル化とは? 必要な理由やアナログ営業との違い

営業をデジタル化することで、顧客とのやりとりをオンライン上で行えるようになったり、オンライン商談によって顧客の企業に訪問する時間を短縮できたりする場合があります。この記事では、営業のデジタル化が必要とされる理由や、デジタル営業とアナログ営業の違い、営業のデジタル化を成功させるためのコツをご紹介します。デジタル営業でよく用いられるツールもご紹介するので、併せてご覧ください。

営業のデジタル化とは

営業のデジタル化とは、デジタルツールを用いて営業活動を行うことを指します。デジタルツールには、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)、MA(マーケティングオートメーション)などの営業業務を効率化させるツールや、オンライン会議ツールやチャットツールなどのコミュニケーションツールなどが含まれます。近年では、営業活動における生産性をさらに向上させるため、業界や目的に特化した機能を持つデジタルツールが数多く開発されています。

デジタル化と営業DXの違い

営業活動のデジタル化は、デジタルツールを用いて、今まで人の手で行っていた業務の一部をツールで自動化し、業務効率化を図ることを指します。例えば、契約書へのサインをオンラインで行える電子契約ツールを用いて、紙媒体でのやりとりの手間をなくすことなどがデジタル化の例として挙げられます。一方で営業DXは、デジタルツールの力を借りて、業務効率化だけでなくチームの営業力を底上げし、より多くの顧客の課題解決を目指す取り組みを指します。営業DXにおいてデジタルツールは、DXを実現するための手段の一つだといえます。

デジタル化とIT化の違い

デジタル化は、紙ベースでの管理などアナログの方法で扱っていた情報をデジタルでデータとして扱えるようにすることを指します。一方で、IT化とは、データを活用するために必要なシステムやツールを導入することを指します。例えば、名刺など今までは紙ベースで管理していた顧客情報をデータ化することがデジタル化、名刺データを管理するために専用ツールを導入することがIT化に当てはまります。

営業のデジタル化が必要な理由

営業のデジタル化が必要とされる理由は、次のとおりです。

働き方改革に伴う生産性の向上

厚生労働省では、「働き方改革」を推進しています。その理由の一つとして、少子高齢化が進み、将来的な労働人口の減少に対する懸念が挙げられます。従来の仕事量を今後少ない人数でこなすためには、1人あたりの生産性の向上を図る必要があります。そのため、先述したSFAなどのデジタルツールを用いて業務を効率化し、生産性向上に取り組む組織が増えています。

顧客の購買プロセスの変化

近年は、インターネットやSNSの普及により、顧客は商品やサービスを購入する前に自ら情報収集し、比較検討する機会が増えました。そのため、営業担当者が直接企業に出向き、商品やサービスの紹介をせずとも、顧客はある程度、商品やサービスについて理解しています。このような顧客の購買プロセスの変化によって、営業活動においては、いかに自社の商品やサービスが顧客の課題解決に役立つかということや、他社の類似商品との差別化できるポイントなどを伝えることが重要になります。このとき、顧客の購買情報や過去の取引情報などを分析し、最適な提案を考える際に、CRMなどのデジタルツールが役立ちます。

迅速なアプローチで顧客を逃さない

顧客の購買プロセスが変化したことにより、顧客が商品やサービスに出会い、検討から成約に至るまでの時間も減少傾向にあります。そのため、短い時間の中で、顧客に適切なタイミングでアプローチする必要があるものの、顧客の企業に訪問する日程調整に時間をとられてしまうと、営業の機会を逃してしまう場合もあります。顧客との初回の商談や情報提供はオンラインで行うなど、スピーディーにアプローチして顧客への営業の機会を逃さないことが重要です。

営業における課題解決

次のような営業における課題を解決するためにも、営業のデジタル化は重要視されています。

属人化によるトラブル

1人の営業担当者が、1つの顧客企業とコミュニケーションを取る期間が長い場合、属人化しやすい傾向があります。営業担当者の変更により、前任者と後任者での対応の差によるクレームや、引き継ぎが不十分でミスにつながるなど、属人化を原因としたトラブルを課題とする企業もあります。そのため、顧客情報を社内で共有しやすい仕組みを整えることが求められます。

ルート営業での提案

営業では、取引を続けている既存の顧客に対してアプローチするルート営業を行うことも多いです。ルート営業の中には、顧客との長期的な取引を踏まえて、一時的に自社の利益を度外視した提案を行う場合もあります。このような思い切った提案をすることに難しさを感じ、ルート営業に苦手意識を持つ営業担当者もいるため、顧客ごとの過去の取引履歴や傾向を基に、最適な提案内容を分析しやすいツールを導入するなどの工夫が必要です。

事務作業での業務負担

普段の営業活動以外にも、メールや電話対応、書類の作成など多くの事務作業が発生し、営業事務を担う従業員がいない場合は、営業担当者が自ら対応しなければなりません。このような事務作業で業務時間が圧迫され、営業担当者の負担となってしまわないように、事務作業を効率化できるSFAやMAなどのツールを導入する企業も増えています。

移動時間による営業機会の損失

営業活動では、顧客の企業を直接訪問する機会も多くあります。そのため、営業担当者の担当エリアが広い場合、移動に多くの時間を要してしまい、帰社後に必要な事務作業に対応していると残業時間が増えてしまうケースもあります。先述した事務作業を効率化できるデジタルツールや、オンライン会議ツールを用いて打ち合わせを行い、移動時間を短縮させるなどの工夫も考えられます。

企業への深い理解が求められる

法人営業の場合、自社の商品やサービスによっては、多種多様な業界や業種の企業にアプローチする必要があり、各業界の傾向や業種に関する幅広い知識が求められます。アプローチする企業への理解を深めるために、CRMなど、顧客情報から顧客の傾向を分析できるツールの導入が求められます。

個人営業に比べて接点が少ない

法人営業では、商品・サービスの契約期間が長期にわたる場合が多く、個人営業に比べて、新たな商品・サービスを顧客に提案する機会は少ないケースが多いです。そのため、一度契約が成立すると、実際に営業担当者が顧客と接触できる機会も少なくなり、顧客のニーズを的確に把握することに課題を感じる営業担当者もいます。一斉にメール配信ができるツールを用いて定期的に顧客へアプローチする機会を増やすなど、デジタルツールを用いて顧客との接触を図ることもお勧めです。

デジタル営業とアナログ営業の違い

ここでは、デジタル営業とアナログ営業の違いをご紹介します。

デジタル営業とは

デジタル営業とは、インターネットやデジタルツールを用いた営業方法や、電話やメールなどの手段を用いることで、顧客の企業へ直接訪問せずにアプローチをする営業活動を指します。現在では、さまざまなデジタルツールが開発され、顧客の商品やサービスへの認知からアポイントの獲得、商談、成約、アフターフォローに至るすべての営業プロセスを非対面でも行うことができます。

デジタル営業のメリット

デジタル営業のメリットは、次のとおりです。

1日の中でのアプローチ数を増やせる

担当者と対面して営業活動を行う場合、訪問する企業へ移動する時間がかかるため、1日にアプローチできる企業数は数件になることが一般的でした。しかし、デジタル営業であれば、オンラインでの商談を実現することによって移動時間がなくなるため、1日の中でより多くの企業との商談の時間を確保できるようになります。

新規顧客開拓に役立つ

デジタル営業では、自社のWebサイトの運営やSNSの活用により、アナログ営業ではアプローチできなかった潜在層にも商品やサービスの認知を広げられます。ほかにも、Web広告を配信する際に配信対象の居住地や興味関心などの属性を絞り込むことで、より自社のターゲットに沿った顧客にアプローチができ、効率的な新規顧客開拓が可能になります。

▼新規顧客開拓におけるアプローチについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください 新規顧客開拓のアプローチ方法は? 主な手法や注意点を解説

遠方の顧客にもアプローチできる

顧客の企業に訪問する場合、移動時間や交通費、宿泊費などのコストがかかることにより、営業活動を行うエリアが限られているケースもあります。しかし、オンライン会議ツールを用いて、非対面での商談や打ち合わせが可能になることによって、直接訪問することが難しい遠方の企業に対しても接触を図れるようになり、営業活動の幅が広げられます。

デジタル営業のデメリット

デジタル営業のデメリットは、次のとおりです。

対応に遅れが生じることがある

デジタル営業は非対面での対応のため、メールやチャットでコミュニケーションを取っていると、顧客の要望や問い合わせに対してリアルタイムでの対応がしづらい場合があります。一方でアナログ営業は、顧客の企業に直接訪問することで、デジタル営業に比べて顧客との関係性も築きやすく、訪問時に伝えられた要望に対してリアルタイムに対応できるケースもあります。そのため、デジタル営業においても、素早く顧客対応ができるよう体制を整えることが必要です。

テキストでのコミュニケーションに気を配る必要がある

デジタル営業では、顧客とメールやチャットなどテキストでのコミュニケーションを取ることが多いです。テキストでのコミュニケーションは、相手の顔が見えず、文体も人によって異なるため、文章の書き方によっては意図がうまく伝わらないことや、誤解を生んでしまうこともあります。特にテキストでのコミュニケーションを取る機会の多いデジタル営業においては、顧客にメッセージを送る前に文面をよく確認することが大切です。

アナログ営業とは

アナログ営業とは、デジタルツールなどを使わず、営業担当者が直接顧客の企業へ訪問したり、展示会やセミナーなどのイベントで顧客に直接アプローチしたりする営業活動を指します。従来はこのようなアナログ営業が主流でしたが、コロナ禍によって非対面でのアプローチ方法を取り入れる企業も増えたことから、現在では顧客の状況に応じてアナログ営業とデジタル営業を使い分ける企業も多いです。

アナログ営業のメリット

アナログ営業では、顧客と対面でコミュニケーションを取ることで、顧客との信頼関係を築きやすいことが特長です。信頼関係があることで、トラブルが生じた際に直接連絡をもらえるなど、リアルタイムで顧客のニーズに対応することができ、顧客にとっても安心感があるため、顧客との関係維持が重要である長期的な取引に適しています。

アナログ営業のデメリット

アナログ営業では、オンラインで商談を行うデジタル営業と比べて、顧客の企業へ訪問する際の移動時間や交通費、宿泊費などのコストがかかる点がデメリットです。飛び込み営業などアポイントなしで企業へ訪問する場合は担当者が不在の可能性もあるため、訪問に費やした時間を無駄にしてしまうこともあります。

デジタル営業とアナログ営業を組み合わせることが重要

ここまで、デジタル営業とアナログ営業の違いやそれぞれのメリット、デメリットについてご紹介しました。効果的な営業活動を目指すには、デジタル営業とアナログ営業の手法を使い分けることが重要です。例えば、Web広告やテレアポなどデジタル営業の手法を用いて多くの顧客へアプローチし、自社の商品やサービスについて認知してもらいます。その後、手応えのある顧客の下を訪問したり、自社のセミナーに招待したりなどのアナログ営業の手法を用いて購買意欲を高め、契約へ促すといった方法が挙げられます。

営業のデジタル化の

ここでは、営業デジタル化の例についてご紹介します。

潜在顧客へのアプローチ

自社のWebサイトやSNSなどで顧客にとって有益な情報発信を行い、潜在顧客が自社の商品やサービスを認知するようアプローチすることができます。例えば、Googleアナリティクスなどのツールを用いることで、顧客がどのような経路で自社のWebサイトにたどり着いたのかを分析できるため、より多くの潜在顧客へ働き掛けるための施策を練る際にも活用できます。

ナーチャリング

顧客の確度を高めるためのナーチャリング(顧客育成)もデジタル化することができます。ナーチャリングには、ウェビナーやメールマガジンで定期的に情報を提供したり、インサイドセールスによる電話やメールなどの手段で顧客の課題やニーズを聞き出したりする方法があります。このとき、CRMやMAを用いることで、顧客情報の管理や分析を効率良く行えるようになります。

商談やアフターフォロー

Web会議システムなどを活用することで、商談をオンラインで行うことができ、移動にかかる時間やコストを削減できます。また、成約に至った際も、オンライン上での電子契約ツールを活用することで、紙の見積書や契約書などを郵送することなくクラウド上で書類のやりとりができます。さらに成約後、顧客との関係を維持するためのアフターフォローでは、SFAやCRMなど顧客情報や案件情報、顧客とのやりとりの履歴を記録できるツールを用いることで、顧客それぞれの課題やニーズに沿ったアプローチが実現できます。

営業のデジタル化のコツ

ここでは、営業のデジタル化を成功させるためのコツをご紹介します。

名刺情報をデータ化して社内で管理

先述のとおりさまざまなツールを活用して、営業活動をデジタル化することで業務を効率化することができます。中でも名刺管理ツールは、顧客から受け取った紙の名刺をデータ化し、ツール内に集約することで、営業担当者ごとに所有する顧客情報を偏らせずに、社内で一元管理できるようになります。

さらに、営業支援 名刺管理サービスの「SKYPCE(スカイピース)」は、顧客管理システムである「Salesforce」との連携が可能です。「SKYPCE」に登録した顧客情報を「Salesforce」に転送し、名刺情報を反映することもできます。

データに頼りすぎない

営業活動にさまざまなデジタルツールを活用することで、顧客に関するデータを基に分析を行うことが容易になりました。しかし、データで導き出した内容をうのみにしすぎないように注意が必要です。あくまでデータは提案内容やアプローチ方法を考える際の参考であり、もっとも重要なのは「データを基に顧客にとって最適な提案は何なのか」「自社の商品やサービスをどのように役立てられるか」などについて、顧客目線で考えることです。

まと

この記事では、営業のデジタル化が必要とされる理由や、デジタル営業とアナログ営業の違いなどについてご紹介しました。営業活動の一部をデジタル化させることによって、業務効率化や社内の生産性向上につながる場合があります。ただし、営業活動におけるすべてをツールやデータに頼りきってしまわないよう、顧客が抱える課題やニーズを正確に把握し、最適な提案内容を提供するという意識を持ち続けることが大切です。