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公開日2024.02.15更新日2024.05.21

パイプライン管理とは? 営業フロー効率化につながる手順を解説

著者:Sky株式会社

パイプライン管理とは? 営業フロー効率化につながる手順を解説

営業部門のマネージャーは、営業担当者の活動状況を管理しながら、売上目標の達成に向けた戦略を立てていく必要があります。また、全体を見渡しながら改善点を見つけ、営業フローを効率化していくことも求められます。しかし、「どうやって管理、効率化していけばいいのかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこで注目されるのが、「パイプライン管理」と呼ばれる管理手法です。この記事では、パイプライン管理の概要や目的、メリット・デメリットのほか、管理の手順や実行する際のポイントについて解説します。また、パイプライン管理に役立つ営業支援ツールの機能についてもご紹介します。

パイプライン管理は業務を分析・改善するマネジメント手法の一つ

パイプライン管理とは、営業活動における一連の業務フローを1本のパイプに見立てて可視化し、分析したり改善したりするマネジメント手法です。パイプライン管理の一例を挙げると、「アポイント獲得」→「ヒアリング」→「初回商談」→「提案」→「合意」→「受注」といった流れになります。パイプライン管理によって、営業活動の業務フローを一つずつ要素に分けて整理することができます。

■パイプライン管理のイメージ

パイプライン管理を行う目的

パイプライン管理を行う目的として、営業効率化とマネジメントの2つが挙げられます。ここでは、それぞれの目的について解説します。

営業効率化を図るため

パイプライン管理を行う目的として、営業効率化を図ることが挙げられます。営業活動を効率化するためには、営業活動の業務フローを整理して改善点を見える化し、改善すべき点を定量的に分析する必要があります。パイプライン管理によって業務フローを可視化することで、「ヒアリング」「提案」など、どこのフェーズでつまずいているのかが明らかになるのです。営業活動が停滞する原因を特定できれば、営業効率化に向けて動くことにつながります。

マネジメント手法の一つとして

マネジメント手法の一つとしてパイプライン管理を行うという側面もあります。例えば、「初回商談」のフェーズで失注していることがわかれば、自社商品・サービスの差別化や金額を改善するといった対策をします。また、「提案」フェーズで時間がかかっている案件が多ければ、顧客が抱えている課題を抽出し、マネージャーを含めて有効な提案を再検討することもできます。また、受注に至った案件を分析して、成功パターンに導くためのポイントを抽出することも可能です。このように、パイプライン管理はマネジメントをするうえでも有効な手法といえます。

パイプライン管理を行うメリット

パイプライン管理には、営業マネジメントと営業活動を改善できるというメリットがあります。それぞれどのようなメリットがあるのか解説します。

問題点と原因が見つけやすくなる

パイプライン管理には、営業マネジメントにおいて、チームの問題点とその原因を見つけやすくなるというメリットがあります。パイプライン管理をすれば、経験や勘に頼ることなく、データに基づいて組織を運営していくことができます。例えば、売上目標の未達が続いているチームがある場合、マネージャーは原因を特定しなければなりません。しかし、「アポイント」「ヒアリング」「初回商談」「提案」などの各フェーズを個別に分析するには、手間も時間もかかります。パイプライン管理を行えば、売上目標が達成できているほかのチームと比較することができ、原因をスピーディーに発見できます。

営業活動の効率化につながる

パイプライン管理には、営業活動を効率化できるというメリットもあります。営業活動は「とにかく頑張る」といった精神論に陥ってしまうことも少なくありません。しかし、パイプライン管理をすれば、客観的な数値を基にボトルネックを把握できます。アポイントから受注までのプロセスを分析することにより、営業リソースの浪費を避けることもでき、営業活動の効率化や生産性の向上につながるのです。

パイプライン管理を行うデメリット

パイプライン管理を行うには、各プロセスにおける数値をシステムなどに入力し、定期的に更新しなければならないというデメリットがあります。もし営業担当者による入力漏れやミスが発生した場合、正確な数字を把握できません。また、入力の手間がかかることで、本来の業務である営業活動に支障が出てしまう可能性もあります。

パイプライン管理の手順

パイプライン管理を実行する場合、どのように進めていけばいいのでしょうか。パイプライン管理の手順を4つのステップに分けて説明します。

1. 営業プロセスを細分化する

初めに、営業部門で実行されている営業プロセスを細分化します。例えば、「お問い合わせ」→「ヒアリング」→「初回訪問」→「解決策の提案」→「決裁権者へのプレゼンテーション」→「クロージング」→「受注、契約」というようなステップです。このステップは、商品・サービスや営業方法によって変わります。営業プロセスを細分化する際は、顧客の行動を軸にして考えるようにします。

ただ、細分化する際に項目を細かくし過ぎないよう注意しなければなりません。項目が多いと、数値などを入力する手間が増え、分析にも時間がかかってしまいます。また、細かい部分に気を取られて、本質的な課題の発見が遅れてしまう可能性もあります。「より細かいデータを取れば、詳細な分析ができる」と思いがちですが、実際には大まかに問題点を把握できれば対応できるケースがほとんどです。営業プロセスの細分化は、全体像を客観的に捉えられる程度にしておくのがお勧めです。

2. 細分化した業務フローを定義する

次に、細分化した業務フローの各項目に対して定義づけをしていきます。例えば、初回訪問は「顧客企業の担当者に初めて会うこと」、解決策の提案は「顧客の課題を把握した上で解決策をまとめ、提案書を提出すること」といった定義づけが挙げられます。

なぜ定義づけが必要かというと、収集するデータを正確なものにするためです。もし定義づけがない場合は、「初回訪問とヒアリングはどう違うのか?」といった疑問が生じるかもしれません。「わざわざ定義づけしなくても、社内でよく使う言葉だから大丈夫だろう」と思いがちですが、実際には営業担当者によって認識が違っていることも多々あります。営業チーム全体の方向性を統一するためにも、業務フローの定義づけおよび認識を共有することが重要です。

3. ゴールを明確にする

細分化した業務フローを定義づけしたら、各プロセスのゴールを明確にします。プロセスごとに、「どのような状態になれば次のステップに進めるのか」を明確にしておくことが重要です。例えば、ヒアリングであれば「顧客に対して、あらかじめ設定してある5つの質問をし、回答をまとめてA部長に提出すればゴール」といった内容が考えられます。

ゴールの条件設定は、担当者によって認識が違うといった事態が起こらないよう、なるべく具体的な個人名や数字で明確にしておくことが大切です。各プロセスのゴールをしっかり定義しておくことで、正確なデータが収集できます。また、営業担当者の行動指針が明確になるため、営業活動の管理がしやすくなるというメリットもあります。

4. 継続的に分析をしてPDCAを回す

最後に、各プロセスのゴールを明確にしたら、継続的に分析を行い、PDCAを回していきます。具体的には、下記のようなチェック項目が挙げられます。

パイプライン管理の主なチェック項目

  • 各プロセスの顧客数は、前週はどのように変化したか? 今週はどのように増減すると予測できるか?
  • 売上目標に対して、現状どの程度達成しているのか?
  • 現状のペースのままで売上目標を達成できるのか?
  • もし売上目標を達成できそうにない場合、どのような対策を講じればいいか?

これらを把握・分析することにより、ボトルネックとなっているプロセスが可視化され、具体的な改善策につながっていきます。例えば、「決裁権者へのプレゼンテーション」がボトルネックになっている場合、「決裁権者との関係構築を重点的に行う」「プレゼンテーション内容をブラッシュアップする」「プレゼンテーション回数を増やす」といった対策が考えられます。

継続的にデータを分析して仮説を立て、改善策を実行していくという、いわゆるPDCAを回していくことになりますが、最初からうまくいくとは限りません。一度の失敗であきらめず、いろいろな仮説を立てて試してみることも大切です。

パイプライン管理に役立つ「SKYPCE(スカイピース)」の営業活動記録

パイプライン管理をするうえで、マネジメントや営業活動の改善をより一層促進させるためには、営業活動記録の活用が効果的です。営業活動記録を活用することで、各営業プロセスがどのように進行しており、どのような問題を抱えているのか、詳細に把握することができます。営業活動記録はエクセルなどで管理することも可能ですが、担当者による同時入力がしづらいといったデメリットもあるため、専用のツールを利用するのがお勧めです。

営業支援 名刺管理サービスの「SKYPCE」は、日々の営業活動において、特に案件になる前の定期的な顧客訪問なども含め、見えにくい営業の状況を「活動記録」として登録することができます。登録している名刺データに連動させることで、顧客企業や案件ごとの管理もスムーズに行えるため、パイプライン管理を効率的に行えるようになります。

パイプライン管理を行う際のポイント

パイプライン管理を行う際に、注意しておきたいポイントが2つあります。着手する前に確認しておきましょう。

リアルタイムのデータを運用できるよう体制を整える

パイプライン管理は、なるべく早く課題を発見して解決策を立案する手法です。そのため、リアルタイムのデータを活用できるよう、体制を整えておく必要があります。例えば、「週に1回、営業担当者からマネージャーへメールで進捗状況を報告する」という進め方では、リアルタイムの情報が入手できません。また、メールの送り忘れや誤送信などが発生する可能性もあります。

パイプライン管理は、マネージャーと営業担当者が密に情報を共有することで効果を発揮します。現場で起きたことは、なるべく当日のうちに情報を共有できるような体制を整えておくことが必要です。とはいえ、アナログ的な管理では労力がかかります。そこで近年では、デジタルツールを用いて営業データを管理する企業も増えています。デジタルツールを導入する際は、営業担当者の負担にならないよう、入力しやすく利便性を感じられるツールがお勧めです。

営業チーム全体で共通認識を持つ

営業チーム全体で共通認識を持つことも、パイプライン管理を行う上で注意しておきたいポイントです。担当者によって異なる認識を持っていると、パイプライン管理の十分な効果を発揮できません。例えば、営業担当者が「細分化した業務フローの定義」や「各プロセスのゴール」を理解していないと、正確な数値が出せず、適切な分析ができなくなります。

営業担当者の意識改革や業務フローの理解など、社内教育の機会を定期的に持つことが重要です。また、分析結果やPDCAの状況は、営業マネージャーだけが把握するのではなく、営業担当者にも共有します。営業チーム全体で共通認識を持つことにより、お互いにサポートしながら改善策に取り組めるようになります。

営業活動の効率化なら「SKYPCE」

目標達成および売上アップを目指すためには、営業活動における課題を発見し、改善策を講じて効率化していくことが大切です。そこで役立つのがパイプライン管理です。パイプライン管理には、「経験や勘に頼ることなく、データに基づいて組織を運営できる」「営業活動の効率化や生産性の向上につながる」といったメリットがあります。

ただし、「週に1回、メールで進捗を報告」「メールの営業日報をまとめてエクセルに転記」といった運用では、十分な効果を発揮できません。そこでお勧めなのが、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」です。営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」は、営業活動の中で得た名刺をデータ化して安全に管理し、組織全体で共有することで、さまざまな営業アプローチに活用いただけます。専用のスマートフォンアプリを使って、出張先で交換した名刺をすぐさま登録・共有したり、外出中にお客様の名刺情報をすばやく検索・確認したりすることも可能です。

また、各営業担当者の活動状況を記録・共有できたり、顧客企業の関連ニュースを手軽にチェックできたりする機能を搭載。ほかにも、顧客の組織図ツリーの自動生成や、顧客管理システム「Salesforce」への名刺情報の反映など、多彩な機能で営業活動をサポートし、お客様の営業力強化とビジネスの成長に貢献します。営業活動を効率化したいと考えている方は、営業支援機能を備えた「SKYPCE」をぜひご検討ください。

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