営業担当者が営業活動について記録し、社内に共有するための報告書が「営業報告書」です。営業報告書を作成することにはさまざまなメリットがあるため、時間をかけてでも行うべき施策といえます。この記事では営業報告書の概要と作成する目的やメリット・デメリットを解説するほか、営業報告書の具体的な書き方や例文などもご紹介します。
営業活動について記録した営業報告書
営業報告書とは、営業担当者が日々の営業活動について記録し、提出する報告書です。営業日報とも呼ばれます。基本的には毎日作成するものですが、営業日報とは別に、毎週または毎月提出する週報や月報などもあります。営業報告書を作成することで、営業の情報を社内に共有しやすくなったり、担当者の引き継ぎがスムーズになったりするメリットがあるほか、管理者にとっては営業の進捗確認やメンバーの評価に役立てられるといった効果も期待できます。
なお、営業報告書と混同しがちな書類が、事業報告書です。事業報告書は会社の事業活動について記載した報告書のことで、会社が株主に提出する書類です。2006年に新会社法が施行されるまで営業報告書と呼ばれていたため、混同される場合があります。
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営業報告書を作成する目的
営業報告書は、一般的に毎日、業務終了時に営業担当者が作成します。人にもよりますが、作成にはそれなりの時間を要し、受け取った管理者が内容を確認するのにも時間がかかります。ここでは、管理者と営業担当者それぞれにとっての、営業報告書を作成する目的を解説します。
管理者にとっての目的:メンバーの活動を把握するため
管理者が部下に営業報告書を作成させるのは、メンバーの営業活動や進捗などを把握することが目的です。営業は個人プレーになりやすく、担当者の動きがブラックボックス化することも少なくありません。そのような状態だと、トラブルが起きた際に管理者の把握が遅れ、大きな損害につながってしまう可能性があります。そのようなリスクを避けるために、管理者は営業報告書を通して担当者の日々の活動を把握しておく必要があります。
営業担当者にとっての目的:スムーズな案件管理のため
営業担当者が営業報告書を作成するのは、スムーズな案件管理を行うことが目的です。1日に何件も商談や訪問をしていると、個別の案件管理がおろそかになってしまう恐れがあります。そのため、営業報告書を作成し、自身の営業活動を振り返ることが大切になります。
また、報告書として形に残すことで、引き継ぎ時の情報共有にも役立ちます。さらに、営業活動について言語化することは、自分自身を冷静に見つめ直すことにもつながり、営業担当者としての成長も期待できます。
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営業報告書の書き方
営業報告書を書く際、毎回同じフォーマットを使って統一感を出すことや、書くべき項目をしっかり網羅することが大切です。ここでは営業報告書に書くべき項目と、実際の営業報告書の例文をご紹介します。
営業報告書で書くべき項目
営業報告書で書くべき項目は、「訪問先」「先方担当者の名前・役職」「訪問日時」「訪問目的」「商談内容」「商談で決まった内容」の6つです。それぞれについて解説します。
訪問先
どの企業を訪問したのか、訪問先の名前は必須項目です。ほかの人との情報共有や引き継ぎのことを考えて、なるべく正式名称で記載します。
先方担当者の名前・役職
先方担当者の名前・役職など、訪問先の企業で誰と会ったのかについて記載します。このとき、交換した名刺をスキャンして、先方担当者の名前や役職といった情報を名刺管理ツールで一元管理しておくと便利です。そうすることで、先方担当者の情報をあらためて確認する場合や、ほかの人に担当を引き継いだ際などに名刺管理ツールにアクセスし、スピーディーに確認を行えます。特に営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」は、名刺管理だけでなく営業記録を管理する機能も搭載しており、営業担当者の生産性を大きく向上させることができます。
訪問日時
相手企業の担当者をいつ訪問したのか、訪問の日時を記載します。最近はオンラインで打ち合わせや商談を行うことも多いですが、その場合はオンラインで話した日時を記載しておきます。
訪問目的
相手を訪問した目的についても記載しておきます。ニーズを把握するためのヒアリングから本格的な商談、契約後のフォローなど、さまざまな訪問目的が挙げられます。
商談内容
訪問時にどのような話をしたのか、打ち合わせや商談の内容についても記載します。また、内容だけでなく、場の雰囲気や相手担当者の様子、どのような手応えがあったのかなどの所感まで詳しく記載することで、管理者もその後の営業活動の進め方などを判断しやすくなります。
商談で決まった内容
商談で決まった内容があれば、詳しく記載します。その決定事項に対して、担当者自身やチームがどのように動かなければならないのかといったタスクも一緒に記載することで、社内でのスムーズな情報共有につながります。
営業報告書の例文
営業報告書の具体的な例文をご紹介します。ポイントはシンプルなフォーマットを用いることです。あまり項目を増やし過ぎて複雑になると、作成するのも確認するのも大変になってしまいます。営業活動の詳細は過不足なく把握でき、なおかつ見やすいフォーマットを心掛けることが大切です。
■営業報告書例文
営業報告書 | |
---|---|
20××年◯月◯日 所属:◯◯ 名前:◯◯ |
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【訪問先】 | 株式会社A |
【先方担当者の名前・役職】 | アパレル事業部 マーケティングチーム マネージャー ◯◯様 |
【訪問日時】 | 2023年8月28日 午前11時 |
【訪問目的】 | 先方の販路拡大に向けた、ECサイト開設と運用の提案 |
【商談内容】 | 前回の訪問に引き続き、ECサイトの機能に関する質疑応答。運用コストをもう少し下げられないかというご依頼あり。ショップデザインについては3案を提案し、特にA案が好評であった。繁忙期を過ぎたこともあってか、余裕のある雰囲気で終始和やかなムードで商談が進んだ。 |
【商談で決まった内容】 | 運用コストについてはあらためてご提案することに。ショップデザインはA案をベースに最終デザインを制作して次回提出。2週間後にアポイントをとったため、デザインチームと連携して1週間後までにデザイン案を確定させる必要あり。 |
営業報告書には、このように訪問先や訪問内容について記載します。その日に行ったほかの商談についても、同様に内容をまとめて営業報告書を作成します。
営業報告書を作成する際のポイント
営業報告書に書くべき項目や営業報告書の例文をご紹介しました。実際に作成する際には、押さえておくべきポイントが2つあります。
誰が見てもわかりやすいように作成する
ビジネス文書全般にいえることですが、営業報告書は自分だけの備忘録ではなく、管理者が読む書類です。そのため、誰が見てもわかりやすいような文章で作成することがポイントです。例えば、「結論から書く」ことや「1つの文章を長くせずに適度に句点を入れる」ことなどを意識します。慣れないうちは思うようにいかないかもしれませんが、ポイントを意識しながら書き続けることで文章は確実に上達します。
振り返りだけでなく、ネクストアクションも書く
ネクストアクションを書くことも、営業報告書を作成する上での大切なポイントです。営業報告書はその日の営業活動について報告するためのものですが、報告だけで終わってしまうのではなく、その日の営業活動を踏まえて次にどう動くのかといったネクストアクションについても記載します。ネクストアクションを書くことで、自分自身の動き方を整理できますし、管理者にも今後の方針が伝わりやすくなります。
営業報告書を作成するメリット
営業報告書を作成することには多くのメリットがあります。ここでは具体的に、営業マネジメントにおけるメリットと、営業活動におけるメリットについて解説します。
営業マネジメントにおけるメリット
営業報告書を作成することで、営業マネジメントにおいて下記のようなメリットが得られます。
成果以外でも部下の評価ができる
営業報告書を作成すると、成果以外でも部下の評価ができるようになります。管理者が営業担当者を評価する際、通常、基準となるのは売上の数字やノルマの達成率など目に見える成果です。しかし、営業報告書を作成すると仕事の成果だけでなく、その成果に至ったプロセスも可視化できるため、成果以外の評価軸を持つことができ、より多面的な評価が可能になります。
自社の強み・弱みを分析できる
営業報告書を作成することで、自社の強み・弱みを分析できるようになります。営業報告書には、顧客が自社の商品・サービスにどのような印象を持っているのか、どの部分をメリットに感じ、どの部分を課題に感じているのかなど、多くの情報が詰まっています。管理者が営業報告書を読むことは、そうした自社の強みや弱みの分析を可能にします。
営業活動におけるメリット
営業報告書を作成することで、営業活動においても下記のようなメリットが得られます。
営業の情報を共有しやすい
営業報告書を作成することで、営業の情報共有がしやすくなります。営業活動において重要なのは情報共有です。顧客の情報を特定の担当者しか持っていない状態が続くと、トラブルが起きた際にほかのメンバーが気づくのが遅くなるリスクがあります。営業報告書を作成することで営業活動の情報が共有しやすくなり、そのようなトラブルを未然に防ぐことにつながります。
引き継ぎがスムーズになる
営業担当者が交代して案件を引き継ぐ際にも、営業報告書は役立ちます。営業報告書を読めば、それまでの顧客とのやりとりや商談の内容がわかるため、スムーズな引き継ぎが可能です。引き継ぎに失敗すると顧客との関係を悪化させる恐れもあるため、営業報告書を活用してしっかりと引き継ぎ作業を行うことが大切です。
営業報告書のデメリット
営業報告書の作成には多くのメリットがありますが、活用する上でのデメリットもあります。主なデメリットは次のとおりです。
営業活動がすべてわかるわけではない
営業報告書のデメリットは、営業活動のすべてを把握できないことです。営業報告書の作成には手間がかかるため、重要なポイントのみを簡潔に記載します。そのため、営業活動のすべてを詳細に把握できるわけではなく、営業活動の全体像が見えにくいこともあります。
管理の仕方によっては過去の情報とひもづけるのが難しい
営業報告書は、管理の仕方によっては過去の情報とひもづけるのが難しいというデメリットがあります。1枚の営業報告書に複数の顧客との商談内容がまとまっているような場合、その営業報告書をどの顧客とひもづけて管理しておくのかが曖昧になります。ひもづけなかった顧客の情報は点在してしまうことになり、後から確認することが困難になります。
データ分析まではできないことが多い
多くの場合、営業報告書だけではデータ分析ができません。営業報告書に書かれた内容は貴重な記録ではありますが、それだけではデータ分析ができるほどのボリュームに達しないことがほとんどです。データ分析にまで活用するなら、営業報告書よりもさらに詳細に掘り下げた記録が必要になります。
営業活動を記録できる「SKYPCE(スカイピース)」で営業活動を効率化する
営業報告書は営業担当者が営業活動について記載し、管理者やチームメンバーに共有するための報告書です。営業報告書を作成することで、管理者や営業担当者にはさまざまなメリットがあります。一方で、営業報告書にはデメリットもあります。デメリットを解消し、営業報告書を最大限活用するためには、顧客情報や営業活動の記録が可能なツールを利用するのがお勧めです。
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」は名刺を簡単にデータ化し、社内で共有できるツールです。営業活動を記録する機能もあるため、過去の情報とひもづけが難しいという営業報告書のデメリットを補えます。また、直感的な操作が可能で、高いセキュリティ性も誇るため、安心してお使いいただけます。営業報告書を作成して営業活動の効率化を目指すなら、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の導入をぜひご検討ください。
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