顧客管理や営業DX・業務効率化など、企業の営業活動やマーケティング活動に役立つ情報を随時掲載しています。

Sky株式会社

公開日2024.03.01更新日2024.05.10

営業会議を効率よく行うには? 不要な時間を減らすポイントを解説

著者:Sky株式会社

営業会議を効率よく行うには? 不要な時間を減らすポイントを解説

営業会議は、チーム全体や営業担当者個人の目標に対する進捗状況を踏まえながら、課題を探ったり、目標達成に向けて取り組める施策を考案したりするために行われます。週次や月次など決まった頻度で会議を行っている場合、話し合う議題を設定しないまま、会議を始めているケースもあるかもしれません。この記事では、営業会議で話すべき議題や不要な議題、スムーズに進行するためのポイントを詳しくご紹介します。

営業会議とは

営業会議とは、社内の営業マネージャーや営業担当者など、営業部門で行う会議を指します。主に営業活動の進捗や振り返り、情報共有を目的としており、定期的に営業会議を行うことでチーム全体のモチベーションの向上を図ります。

営業会議では、ただ進捗状況を確認するだけではなく、これから目標に向かって必要となるアクションや、期日までにどのように行動するべきかを明確にしたり、チーム内での課題やその改善策を考えたりと、チーム全体が目標達成に向けてスムーズに動けるよう議論することが重要です。つまり、チーム全体で現状や実績を共有したうえで、目標達成に向けて取り組むべきことを明確にすることが、正しい営業会議のあり方だといえます。

営業会議の目的と内容

営業会議を行う目的は、先述のとおり、チーム全体で現状を共有し、目標達成に向けての改善策やアクションを明確にさせることです。具体的に会議内で行うことは、次のとおりです。

アイスブレーク

営業会議が始まったら、いきなり議題に入るのではなく、まずはアイスブレークで場の緊張をほぐしたり、メンバーとコミュニケーションを取ったりすることが重要です。これにより、会議の参加者が上下関係を気にせずに発言しやすい空気をつくれます。参加者が積極的に発言して、意見交換でき、議題について踏み込んだ内容のある会議につながります。また、定期的に会議を開いてチームのメンバーと顔を合わせる機会が増えることで、チーム全体での一体感を強めることも期待できます

進捗確認

営業部門で設定した目標に対して、チーム全体の進捗や各営業担当者の進捗を確認します。予定していたスケジュールより遅れていたり、営業担当者ごとに進捗の差があったりした場合は、課題点を探ります。チームや個人の進捗確認を行うことで、自身がどれほど目標に対して進められているのか、チーム全体で目標を達成できそうかなどを確認しやすくなり、目標に向けて取り組む意識を高めることにつながります。

情報共有

担当する企業によって、対応の仕方やリアクションに差があります。営業会議では、「お客様からこのようなことを相談された」「お客様にこのような対応をしたら喜ばれた」「この業界ではこのようなアプローチが効果的」など、自身が営業活動を行う際の気づきを積極的に共有することが大切です。似たような顧客を担当していたり、同じ業界の顧客へアプローチしたりする営業担当者の参考になるだけでなく、今後新たな顧客を担当する際にも、共有した内容が役立つ可能性があります。

営業担当者の悩みや課題の解決

営業担当者は個人で動くことが多いため、営業活動を行うなかで生じた悩みや課題を相談できる場がないことも考えられます。会議の際に営業担当者の悩みや課題を相談できる時間を設け、その場で解決することでモチベーションの維持につながります。情報共有された内容や、営業担当者から相談を受けた課題への解決策などを記録し、マニュアル化することもお勧めです。同様の悩みを抱えた担当者を、スムーズに解決へ導くことができます。なお、課題点に対しての改善策を考案し、実行に移す際は、やるべきことをまとめた上で、誰がいつまでに対応するかの役割分担や見通しを会議の中で決めておくことも重要です。

営業活動の見直し

目標に対して、チーム全体や個人の進捗に大きな遅れが生じていた場合は、営業活動のやり方を見直します。想定よりも時間が掛かるアプローチがあるか、アプローチをする際に障壁となる要素があるかなどを確認し、軌道修正することが重要です。営業会議では、チームでの営業活動を改善させるためには何が必要か、どのように動くのが最適かを議論し、ブラッシュアップすることで目標達成に近づきやすくなります。

営業会議で話すべき議題

営業会議が各営業担当者にとって無意味な時間にならないよう、あらかじめ会議の議題やテーマ、ネタを準備することが大切です。特に話し合うべき議題は、次のとおりです。

現状の共有

目標に対してどれだけ営業活動を進められているかの進捗状況と併せて、営業活動に取り組むなかでの課題点や気になる点を共有します。現在課題だと感じていることだけではなく、今後営業活動を進めるにあたってリスクになることなどの不安要素についても共有しておくことで、将来的にトラブルが生じるリスクを防げます。ほかにも、「このようなアプローチが効果的だった」「今度このようなアプローチを試してみたい」といった情報共有も行うことで、各営業担当者にとって有益な会議を実現できます。

課題点への対応や対策方法の考案

営業活動を進めるなかで生じた課題点に対し、適切な対応や再発防止への対策方法などを話し合います。営業担当者は個人で動くことが多いため、自分だけで対処しようとすると、時間が掛かってしまい進捗に遅れが出ることも考えられます。会議で議題として課題点を挙げることで、参加者のさまざまな視点から対処方法を考案することができるため、1人で考えるよりもスムーズに解決につながる可能性があります。同様に、新しいアイデアを必要とする場合や、複数の意見を聞きたい場合も、会議の議題として挙げるのがお勧めです。

目標達成に向けての計画

現状を共有し課題点への対策がまとまったら、目標達成に向けた計画を必要に応じて見直します。現状のペースで進行したまま達成見込みになるのか、ほかの手段を取らなければ達成は難しいのかを予想し、後者の場合は目標を達成するために必要なアクションや、現状に対する改善策を話し合います。チーム全体での今後の計画が定まったら、個々の営業担当者の活動に落とし込み、具体的な行動計画やスケジュールを設定します。

営業会議では不要な議題

営業会議でよく取り上げられる議題の中には、情報共有にとどまり議論に至らないものもあります。情報共有だけの会議にならないよう、メールやチャット、資料での共有に留めてもよい内容は次のとおりです。

報告のみの進捗確認

営業会議の進捗確認では、単に案件の状況を各営業担当者から説明するだけのケースも見られます。進捗状況の報告のみであれば、資料を配ったり、メールやチャットで報告したりする方法でも共有できます。会議の場では進捗状況を踏まえた成功点や失敗点、課題として考えられる点など、今後の営業活動に役立てられる内容を併せて説明することが大切です。

営業結果の数値報告

先月の営業実績などの数値報告も、資料の配布やメールでの連絡で済むため、営業会議の議題として取り上げる必要はないといえます。ただし、目標に対して大きく成功を収めた事例や、施策を試した結果成功した事例など、各メンバーにとって参考になるデータは積極的に取り上げることで、今後の営業活動に役立ちます。

有益な営業会議を行うポイント

各メンバーが有益な時間を過ごせる営業会議を行うためには、できるだけ無駄を省くことが大切です。会議での無駄を減らすために注意すべきポイントは、次のとおりです。

議題が決まっていない状態で会議を実施しない

営業会議では、あらかじめ議題や会議の流れを決めておくことを徹底すべきです。議題が決まっていないまま会議を実施してしまうと、議題を決める段階から話し合う必要があるため、会議時間が延長したり、進展のない結果に終わったりする場合があります。スムーズに進行するためには、あらかじめ議題を設定し、参加者がそれぞれに意見を用意して会議に臨める状態が理想だといえます。

資料で把握できる内容は議題として取り上げない

先述のとおり、進捗状況や数値報告などの資料で説明できるものは議題に挙げず、事前に資料を配布し目を通してもらうことで必要な議題に注力できます。資料の内容を踏まえて課題点や議論すべき点がある場合には議題として取り上げ、各メンバーで話し合います。このように、営業会議では報告などのインプットをできるだけ減らし、話し合いや意見を出すアウトプットの時間を多く設けることで、有益な会議を実現できます。

会議で決定した内容は次回までの宿題にする

会議中に決定した内容は次回の会議までに実行し、どのような結果が得られたかについて確認します。次回の会議では、前回決定した内容の実行結果を踏まえて今後どのように動くかを話し合う必要があるため、それまでに実行し結果を得られていない場合、会議の時間が無駄になってしまいます。会議で決定した内容は必ず次回の会議までに実行するよう、チーム全体で徹底することが重要です。

営業活動に役立つツールを活用する

営業支援システムであるSFAなど、営業活動をサポートするツールを導入することで、営業会議の準備や会議そのものに掛かる時間を短縮につなげられます。SFAには各案件の進捗状況や各営業担当者の活動記録、顧客情報の管理などさまざまな機能があり、営業会議にでも情報共有や課題点の報告などがスムーズに行えます。会議時間が短縮されることで、顧客にアプローチする時間をより多く確保できるため、目標達成に向けて効率よく営業活動を進められるようになります。

使用する機器の動作確認を事前に行う

近年では、Web会議システムを用いてオンライン会議を行う企業も多く見られます。その際には、PCの更新やツールが正常に動作するか、カメラやマイクに異常はないかなどを会議前に確認しておくことも大切です。会議中に機器の不具合で進行が滞ってしまった場合、ほかの参加者の時間も無駄にしてしまう恐れがあるため、事前の動作確認は必ず行うよう徹底しておく必要があります。対面での会議においても同様に、モニターなどの電子機器を用いる場合は正常に画面が表示されるかを確認すべきです。

営業会議を効率よく進めるポイント

営業会議を効率よく進め、短い会議時間の中で有意義な議論をするためには、次のポイントを意識します。

参加者の人数を絞る

効率的な会議の進行を実現するためには、会議で取り上げる議題に関連するメンバーに参加者を絞ることが大切です。参加者が多すぎる場合、議論に時間が掛かったり、収拾がつかなくなったりする恐れがあります。あらかじめ議題の内容を確認し、営業担当者全員が必要な議題か、チームのリーダーやマネージャーのみの参加でも問題ない議題かを判断した上で参加者を決定します。参加者を絞ることで会議の時間短縮につながるだけでなく、会議に参加しないメンバーは営業活動に時間を使えるようになるため、参加者の選定は大切なポイントです。

会議中の役割を設定する

会議を実施する際には、進行役であるファシリテーターや議事録を作成する書記、会議時間を管理するタイムキーパーなどの担当者をあらかじめ決めておきます。ファシリテーターは会議を進行するだけではなく、議論の軌道修正をしたり、参加者からの発言を促したりといったフォローアップを行うことも大切です。また、1つの議論に想定外に時間が掛かってしまった場合、議論を続けるか、次の議題に移すかを判断するのもファシリテーターの役割です。このように会議をスムーズに進めるための担当者を設けることで、限られた時間の中ですべての議題に対して十分に話し合えることが期待できます。

議題の内容や資料をまとめて共有しておく

週次や月次など、決まった頻度で定期的に営業会議を行っている場合は、議題がないまま会議を実施してしまうこともあるかもしれません。議題を会議中に考えたり、その場で決まった議題に対して参加者から意見を求めたりする場合、進行に時間が掛かってしまう恐れがあります。どのようなテーマで話し合うかはあらかじめ確定させ、アジェンダ(会議の進行内容をまとめた書類)を用意して参加者に共有しておくことがお勧めです。また、議論する際に必要な資料もあらかじめ準備し、併せて共有することで参加者は余裕を持って会議に臨めます。

会議の目的を事前に共有しておく

営業会議を実施する目的を会議の2~3日前には参加者に共有しておくことを心掛けることもポイントです。会議の目的やゴールを共有しないまま会議を行ってしまうと、参加者は何のために会議に参加しているのかわからず、会議での議論も深まらない可能性があります。参加者があらかじめ、会議の目的に沿って自身の意見をまとめたり、改善策を考えたりできるように、会議の目的やゴールを明確にしてなるべく早めに共有するのがお勧めです。

冒頭で前回の会議内容を簡単に振り返る

会議の冒頭では、すぐに議題に入るのではなく、前回の会議内容について振り返ることをお勧めします。振り返りでは、前回の会議での議題や決定事項、今回に持ち越された議題の確認などを簡単に行います。振り返りを行うことで、前回の会議に参加していなかったメンバーや、内容を覚えていないメンバーなどが前回の内容を理解する手助けとなり、今回の会議での話し合いにも参加しやすくなります。

定められた時間内での進行を意識する

会議の参加者がそのほかの営業活動や業務にも時間を充てられるよう、会議時間はあらかじめ定めた時間内で収まるように進行すべきです。万が一長引いてしまいそうな場合は、質問や確認事項を最後にまとめて受けつけるといった工夫が必要です。予定していた終了時間を過ぎる際は、現在話し合っている内容が次回に持ち越せるものであるか、当日中に解決すべき内容なのかを確認し、会議の延長を判断します。複数回会議の延長が続く場合は、議題の数を減らすことも検討します。

営業会議に関するよくある質問

営業会議を行うにあたって、よくある疑問についてお答えします。

参加者が会議で発言しないのはなぜ?

会議を開いたものの、なかなか発言しない参加者も中にはいるかもしれません。会議中に発言ができない理由としては、「自身の発言に自信が持てない」「上司やマネージャーなどの目上の人たちが話している中で、自身の意見を出しづらい」などが考えられます。

参加者が萎縮してしまう状況を避けるためには、先述したとおり会議の冒頭でアイスブレークを行って参加者が発言しやすい空気をつくったり、ファシリテーターから参加者それぞれを指名し、意見を聞き出したりする方法がお勧めです。参加者から意見をもらった際は、否定や反論から入るのではなく「確かに〇〇の点は共感できます」「〇〇については参考になりそうです」など、意見を受け入れる姿勢を示すことで、参加者が自信を持って発言できるようになります。

どのような会議を目指すべき?

目指すべき会議を明確にするために参考となる堀内都喜子氏の著書『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ社)内では、フィンランドの有名企業13社が掲げる「よい会議」のための8つのルールが紹介されています。この著作を一部抜粋・編集した記事を基にそのルールをご紹介します。

会議の前に:
1.会議の前に本当に必要な会議なのか、開催の是非を検討する。
2.もし必要なら、会議のタイプと、相応しい場所を考える。
3.出席者を絞る。
4.適切な準備をする。細かな準備が必要な時もあれば、そうでない時もある。
 議長は、参加者に事前に通知し、必要に応じて責任を割り当てる。

会議のはじめに:
5.会議のはじめに目標を確認。会議が終わった時にどんな結果が生まれるべきか。
6.会議の終了時間と議題、プロセスの確認。それがアイデア、ディスカッション、意思決定、
 コミュニケーションのどれであるかを参加者に知らせる。

会議中に:
7.会議の議論と決定に全員を巻き込む。
 一部が支配するのではなく、各自の多様性(外向的 / 内向的)を考慮に入れる。
 少人数、隣同士との議論を通して意見を表明する機会なども作る。

会議の終わりに:
8.結果や、その役割分担をリストアップし明白にする。

フィンランド人は、日本の会議とフィンランドの会議の違いとして、なかなか本題に進まない点や決定に時間が掛かる点などを挙げています。良い会議を目指すためには、資料を読み上げる時間などは設けず、あらかじめ共有した議題に関する話し合いの時間を多く設けることが重要だといえます。

アジェンダとサマリーの違いは?

会議では、アジェンダやサマリーといった言葉がよく用いられます。両者は似たような場面で使われることが多いですが、それぞれ異なるものを指しています。ビジネスの場で用いられるアジェンダは、会議における議題をまとめた書類を指し、事前に参加者に共有することで、会議で話し合う内容を把握しやすくなります。一方で、サマリーは日本語で「要約」を意味し、会議後の内容を要約した書類を指します。

まと

この記事では、営業会議で話すべき議題や不要な議題、効率よく進めるためのポイントをご紹介しました。会議に際して、事前に議題や話し合うテーマを明確にし、参加者に共有しておくことでスムーズかつ無駄のない進行を実現できます。記事内でご紹介した、有益な営業会議を行うポイントや、営業会議を効率よく進めるためのポイントなどをぜひご活用ください。