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公開日2024.03.29更新日2024.05.30

営業のクロージングとは? 成約率を高めるコツ・テクニックを解説|SKYPCE(スカイピース)

著者:Sky株式会社

営業のクロージングとは? 成約率を高めるコツ・テクニックを解説|SKYPCE(スカイピース)

営業活動を進めていると、「自社の商品・サービスを一生懸命売り込んでいるが、成約につながらない」「途中まではうまくいくが、最終的な契約の段階でつまずいてしまう」といった状況に陥ることもあります。このような状況を改善するためには、クロージングを適切に行うことが重要です。この記事では、クロージングの重要性や基本的な流れのほか、成功のコツ・テクニックなどについて解説します。

営業のクロージングとは、顧客との取引や契約の最終段階のこと

クロージング(Closing)とは、日本語では「締めくくり」や「終わり」を意味し、営業活動における顧客との取引や契約の最終段階を指します。単に契約書を交わす行為だけではなく、取引や契約に至るまでの一連のプロセスをまとめてクロージングと呼ぶのが通常です。

一般的に営業活動は「テレアポ→顧客訪問→ヒアリング→提案→商談→クロージング→受注・契約」といった流れで進められます。顧客訪問から始まり、商品・サービスに関する説明や提案、商談を経て、最後に受注・契約へとつなげることがクロージングです。

営業におけるクロージングの重要性

商談相手が自社の商品・サービスに興味を持ち、契約への意欲が高まっていたとしても、クロージングが適切でなければ契約には至りません。クロージングにおいて特に重要な要素の一つがタイミングです。クロージングの失敗例としてよくあるのが、その場で相手の返答を聞かず、先延ばしにして意欲が低下するケースや、強引に契約しようと急いだために不信感を持たれてしまうケースなどです。

このように、クロージングはタイミングを間違えると、失注につながる可能性も否めません。逆にいえば、タイミングや提案内容を改善することで成約率アップにつながることが期待できます。そのため、クロージングは営業活動において重要なプロセスの一つといえます。

クロージングの基本的な流れ

クロージングの基本的な流れは、大きく3つのステップに分けられます。ここでは、それぞれのステップの内容について、詳しくご紹介します。

1. テストクロージング:顧客の意思を探る

テストクロージングとは、商談を進める中で得られた要望やニーズをもとに、顧客の反応や購入・契約に対する意思を探るプロセスです。具体的には、自社の商品・サービスに興味を持っているか、利用したいと思っているかを確認します。

顧客の意思を探るには、例えば「提案内容について、気になった点はありますか?」「契約・導入にあたって不安はありませんか?」「見積書の内容や価格については、ご納得いただけましたか?」といった質問をします。それに対して、もし顧客が購入・契約の意思を示せば、成約率は高いといえます。反対に、反応が薄い場合は、何らかの対策を考えなければなりません。顧客がどこに不安や不満を感じているのかをヒアリングし、課題を解決するための準備をする必要があります。

2. 本格的なクロージング:決断を促す

テストクロージングで顧客の意思が確認できたら、次に本格的なクロージングへと進めます。この段階では、購入・契約に対する意思を明確に問いかけ、決断を促すことが大切です。例えば、「ご契約いただける場合、何日頃になりそうでしょうか?」「プランAとプランB、どちらがご希望ですか?」といった質問をします。

ただし、本格的なクロージングは、1回で終わるとは限りません。強引に契約へ進めようとすると逆効果になる可能性もあるので、顧客の反応を見ながら臨機応変に対応していく必要があります。

3. 契約締結:成約への最終確認

契約締結のステップで行うのは、成約に向けた最終確認です。金額や納品数、納期などの条件に間違いがないか確認した上で、契約書を取り交わします。顧客が疑問や不安を感じていれば、解決できるよう契約締結まで丁寧にサポートすることが重要です。また、契約締結後にトラブルが発生しないよう、契約内容や条項を相互でしっかり確認しておくことも、クロージングにおける大切な要素です。

クロージングを成功させる9つのコツ・テクニック

クロージングは営業活動において重要な要素であるため、多くの手法が考案されています。ここでは、クロージングを成功させるためのコツとテクニックを、9つピックアップして紹介します。

1 導入するメリット・ベネフィットを提示する

クロージングでは、自社の商品・サービスを導入することでどのようなメリットやベネフィットが生まれるかを相手に提示することが重要です。具体的には、業務の効率化や従業員の負担軽減、ブランドのイメージアップ、品質向上などが挙げられます。顧客に具体的な変化をイメージさせ、より良い未来を想像してもらうことで、成約の確度を高めることができます。

2 相手の不安を払拭する

相手の不安を払拭することも、クロージングを成功させるコツ・テクニックの一つです。よくあるのが、「この商品・サービスを導入することで、本当に良い変化が生まれるのだろうか」「この企業を信用していいのか」といった不安です。自社の商品・サービスが顧客の課題を解決することや、信頼できる企業であることを丁寧に伝え、顧客が不安に思うことを取り除いてあげることが求められます。

3 選択肢を絞って話す

一般的に営業担当者は、「商品・サービスの選択肢は多い方がよいだろう」と考えがちです。しかし、顧客側からすると、選択肢が多いことで意思決定に迷ったり、時間がかかってしまったりすることもあります。そのため、例えば、機能や価格別で選択肢を2~3種類に絞って提案することが効果的です。また、「どうしますか?」というような曖昧な質問ではなく、「AプランとBプラン、どちらがイメージに近いですか?」というように選択肢を提示すると相手も選びやすく、クロージングを成功につなげやすくなります。

4 クロージングのタイミングを見計らう

クロージングは、適切なタイミングを見計らうことが重要です。商談は概ね、「テレアポ→顧客訪問→ヒアリング→提案→商談→クロージング」という流れで進みます。ただし、クロージングは、必ずしも最後に行うことが良いとは限りません。商談の早い段階で「購入・契約の確度が高そうだ」と判断できれば、すぐにクロージングへ進めた方がいいケースもあります。反対に、手順どおりに商談を進めても顧客側の反応が鈍い場合は、クロージングを急ぐのは避けた方が無難です。

5 BANT条件を確認する

BANT条件とは、「Budget(予算)」「Authority(決裁者・決定権者)」「Needs(需要・ニーズ)」「Time frame(契約・購入および導入時期)」という4つの情報を合わせた概念で、法人営業において確認すべき事項をまとめたフレームワークです。クロージングがうまくいかないときは、4つの条件のうちどれかが合っていないのかもしれません。ヒアリングの段階で、それぞれしっかりと確認しておくことが大切です。

6 ドア・イン・ザ・フェイステクニックを使う

ドア・イン・ザ・フェイステクニックとは、人間心理を利用した交渉テクニックの一つで、最初にあえて高い条件を提示し、断られた後に本命の低い条件を提示する手法です。例えば、最初に120万円の高額・高機能なプランを紹介し、断られた場合は90万円の下位プランを紹介します。そうすることで、顧客に「交渉したことによって、自社にとって有利な結果が得られた」と感じさせることが可能です。ただし、最初の提示が顧客の想定とかけ離れた条件だと逆効果になってしまうこともあるため、ヒアリングの段階で予算感を確認しておくことが大切です。

7 決断できない理由をなくす

決断できない理由をなくすことも、クロージングを成功に導くコツ・テクニックの一つです。よくあるのが、「同じような機能で、もっと安いものがあるのでは?」「同じくらいの価格で、もっと高性能なものがあるのでは?」といった顧客の迷いや不安です。その場合は、「他社より高い場合は、価格を合わせます」「同じ価格帯で、これ以上の性能のものはありません」と断言して、相手が決断できない理由を消していくことで、クロージング成功の可能性を高めることができます。

8 相手に考える時間を与える

相手が沈黙しているときは、むやみに商談を再開せず、考える時間を与えるのも、クロージングを成功につなげるコツ・テクニックです。もしかすると、相手は購入および契約後の変化をイメージしているのかもしれません。クロージングは自分のペースで進めるよりも、相手のペースに合わせることが重要です。相手に考える時間を与えつつ、タイミングを見計らって「今はどういう点で悩んでいますか?」と聞いてみるのも一つの手です。

9 損失回避の法則を使う

損失回避の法則とは、「得すること」よりも「損をしないこと」を重視する心理現象のことです。例えば、クロージングの場面では、「このシステムを導入すれば、毎月100万円の売上が見込める」という表現を、「このシステムを導入しないと、毎月100万円の売上機会を失うことになる」と言い換えることで、相手に損失回避の心理を働かせることができます。損失回避の法則を使う場合は、「自社の商品・サービスを導入しないと、どのような損失があるか」をわかりやすく提示することが、クロージングを成功させるコツ・テクニックです。

クロージング時に起こる課題と対処法

クロージングを進めるにあたり、顧客との間で課題が発生することもあります。ここでは、課題の内容やその対処法について解説します。

担当者が決裁権を持っていない

担当者から「自分では決められない」といわれた場合、決裁権がない人と長く商談しても、クロージングには至りません。その際は、決裁権を持っているポジションの人にアポイントを取ってもらう必要があります。「もし、こちらの商品・サービスの必要性を感じていただけているのであれば、ぜひとも◯◯様(決裁権を持つ人)にもご説明したい」と伝え、決裁権のある人に再度提案することが大切です。

コスト面で導入が難しい

「コスト面で導入が難しい」といわれた場合は、価格の理由を丁寧に説明することが大切です。もし、商談を進めているものより安いプランがあれば、そちらを提案してみるのも一つの手です。値下げも有効な手段ではありますが、通常の価格で導入した顧客との間に不公平が生じます。値下げを実施する際には、十分に注意する必要があります。

今すぐ導入する必要性がない

「今すぐ導入する必要性がない」という理由も、よく顧客から聞かれる言葉です。顧客が課題を抱えていない場合は、いくら提案してもクロージングにはつながりません。しかし実際には、顧客が課題を認識していないこともよくあります。顧客がまだ気づいていない課題を掘り下げ、自社の商品やサービスによって改善できることを提示すれば、クロージングに近づけることが可能です。

「SKYPCE(スカイピース)」を活用して、最適なクロージング戦略を実行しよう

クロージングは、営業活動において重要なプロセスです。クロージングを成功させるためには、顧客の要望や課題、予算、決裁権者などの情報を細かく把握しておかなければなりません。とはいえ、日々の営業活動は多忙で、商談内容を記録してまとめるのが面倒だと感じている人も多いのではないでしょうか。

そこでお勧めなのが、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」です。「SKYPCE」は、顧客情報をスムーズに共有できる機能や、日々の営業活動を記録する機能など、営業支援機能が充実しています。案件化する前から、顧客が抱える課題やニーズ、予算感、担当者の言動・性格など、細かい情報を記録しておくことが可能です。こうした機能を活用することで、クロージング精度の向上が期待できます。

最適なクロージング戦略を実践するためにも、ぜひ「SKYPCE」の導入をご検討ください。