商談や会議などの前に、場を和ませる役割を持つのがアイスブレイクです。しかし、いざとなると何を話せばよいかわからず、話題に困ってしまうという方も少なくないのではないでしょうか。この記事では、アイスブレイクの役割やメリットのほか、アイスブレイクに活用できる話題、具体例、注意点などについて解説します。
営業活動におけるアイスブレイクとは、相手の緊張や警戒心をほどく手法
商談や会議など、緊張感が漂うなかで本題に入ると、話がスムーズに進まなかったり、相手の本音を引き出せなかったり、といったことが起こるかもしれません。そうしたことを避けるため、有効な手法とされているのがアイスブレイクです。緊張感のある場を氷(アイス)に例え、それを壊す(ブレイク)という意味でアイスブレイクと呼ばれています。
商談の場でのアイスブレイクでは、軽い話題から始めるのが一般的です。相手が興味を持ちやすい話題で盛り上がることが理想的ですが、天気や最近のイベントについて軽く話すだけでも、場が温まることがあります。アイスブレイクの目的は、緊張や不安を和らげ、コミュニケーションを活性化させることなので、複雑な話題ではなく、気軽に交わせる会話で十分だとされています。
営業でアイスブレイクを行うメリット
営業活動における商談や会議では、アイスブレイクが重要な役割を果たします。ここでは、アイスブレイクを行うことのメリットについてご説明します。
お互いの緊張がほぐれる
営業でアイスブレイクを行うメリットは、お互いの緊張がほぐれることです。初対面の場合、特に緊張感が高まり、言いたいことを言えなかったり、深い話ができなかったりすることがあります。このようなときにアイスブレイクを行うことで、緊張が和らぎ、お互いに必要なことを伝え合える場を作り出すことが可能です。
話しやすい雰囲気を作り出せる
話しやすい雰囲気を作り出せることも、営業でアイスブレイクを行うメリットです。軽い雑談から始めることで壁がなくなり、双方が自然に交流できるようになります。さらに、この過程で共通の話題が見つかると、より親しみやすさが増し、商談や会議を和やかに進めることが可能です。
主体的な会話ができる場を作り出せる
営業において、商談相手が主体的に話ができる雰囲気を作り出せることも、営業でアイスブレイクを行うメリットの一つです。通常、商談では顧客が受け身になりがちですが、アイスブレイクによって緊張がほぐれれば、顧客も積極的に発言しやすくなります。顧客が主体的に会話できるようになれば、双方にとって価値のある商談につながっていきます。このように、質の高い商談を行うためにも、アイスブレイクは重要です。
営業のアイスブレイクに活用できる話題
初対面では、相手の好みや関心事がわからず、どのような会話が好まれるかわかりません。そのようなときに役立つアイスブレイクの話題をご紹介します。
特定の地域に関する話題
オフィスの立地や最寄り駅の周辺の様子、居住エリアなど、特定の地域に関する話題は、初対面の商談相手に適しています。相手がその地域に詳しい場合、近隣のお勧めスポットを聞いてみるのもよいかもしれません。相手に縁のある地域に興味を示すことで、好印象につながる可能性もあります。
相手や会社をほめる話題
商談相手や会社をほめるような話題もアイスブレイクに最適です。過度にほめることは不要ですが、立地や環境、オフィスの外観や内装をはじめ、相手の名刺のデザインなど、目にとまったものを自然にほめることで、顧客との会話も弾みます。
業界に関する話題
商談相手の業界に関する話題も、会話を盛り上げることに役立ちます。業界の最新ニュースや、同じ業界の他社の動向などについて話すことで、相手に対する関心の高さを示すことが可能です。話題が自然と広がり、ビジネスにつながる重要な話題に発展する可能性もあります。
プライベートに関する話題
休日の過ごし方や趣味などプライベートに関する軽い話題は、相手の人柄を知ることにつながります。特に、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始などの長期休暇の前後は、予定や過ごし方について話が盛り上がる可能性があります。ただし、こうした話題は場が和みやすい反面、相手がプライベートな話を好まない場合もあるので、配慮が必要です。
商談時に使えるアイスブレイクの具体例
商談時に使えるアイスブレイクの具体例について、顧客のオフィス訪問時と自宅訪問時に分けてご紹介します。
オフィスに訪問する場合
営業相手のオフィスを訪問する際のアイスブレイクは、オフィスの雰囲気や環境、交通アクセスに関して話題を振ることで、自然に会話を進めることができます。
訪問先がオフィスの場合のアイスブレイク例
- 窓からの景色が素晴らしいですね。街が一望できますね
- 素敵なオフィスですね。まだ新しく見えますが、いつ頃ご入居されたのですか?
- 駅からのアクセスがとてもいいですね。3路線も使えるとは、便利ですね
- 駅前がとても賑わっていましたね。ランチにお勧めのお店はありますか?
- 近くに大きな公園があっていいですね。春は花見などされるのですか?
自宅に訪問する場合
訪問先が顧客の自宅の場合、アイスブレイクでは、自宅のある町の雰囲気や環境に焦点を当てることがお勧めです。また、インテリアに関する話題のほか、ペットを飼っている場合は名前を聞くなど、親しみやすい話題を振ることで、和やかな雰囲気を作り出すことが可能です。
訪問先が自宅の場合のアイスブレイク例
- 緑が多くて、素敵なエリアですね
- 駅が近くて、通勤や買い物にも便利そうですね
- お庭がとてもきれいですね。ガーデニングがお好きなのですか?
- ネコちゃんを飼っているのですね。お名前は何というのですか?
- カフェのような素敵なリビングですね。インテリアはご自分で選んでいるのですか?
営業のアイスブレイクの鉄板ネタ
営業のアイスブレイクには、いわゆる「鉄板ネタ」と呼ばれる話題があります。鉄板ネタの頭文字を取って「木戸に立てかけし衣食住」といわれています。誰とでも無難に話せる話題としてこれらの鉄板ネタを一つずつ解説していきます。
キ:季節に関する話題
季節の話題は、面識の有無や性別、年齢にかかわらず誰にでも話せるため、アイスブレイクに適しています。意見が一致しやすく、角が立たないのも大きな利点です。
季節に関する話題の例
- 今月に入ってから、暑い日が続いていますね
- 暖かくなってきましたね。お花見には行かれましたか?
ド:道楽や趣味に関する話題
趣味に関する話題は、人との距離を縮めやすいです。共通の趣味があれば、会話は自然と盛り上がります。相手の趣味を聞いたら、その趣味を始めたきっかけなど、話題を広げやすいのが特徴です。ただし、自分の趣味の話ばかりにならないよう注意が必要です。
道楽や趣味に関する話題の例
- お休みの日は、どのように過ごされているのですか?
- 最近、筋トレを始めたのですが、◯◯さんは何か運動されていますか?
ニ:ニュースに関する話題
時事ネタやニュースの話も、共通の関心事として話しやすいテーマです。特に相手の業界に関するニュースを取り上げると、相手に関心を示していることが伝わり、会話が深まります。ただし、相手の会社にとって良くない話題の可能性もあるため、話題選びには慎重さが求められます。
ニュースに関する話題の例
- 昨夜の◯◯というニュース、ご覧になりましたか?
- ◯◯業界で△△について騒がれていますが、御社のお仕事に何か影響はありましたか?
タ:旅に関する話題
旅行の話は、楽しい気持ちを思い出して場の雰囲気が良くなりやすいため、アイスブレイクに適した話題といえます。特に共通の訪問地があれば、話はさらに盛り上がります。親近感がわくだけでなく、相手の興味や価値観を知ることにもつながります。
旅に関する話題の例
- ◯◯のご出身ですよね?一度行ってみたいと思っているんです。お勧めのスポットはありますか?
- 最近、ご旅行はされましたか?
テ:天気に関する話題
天気の話は日常生活に密接しているため、誰とでも共有しやすい話題です。ただし、話が広がりにくいこともあるので、気遣いの言葉を添えて、会話のきっかけにするのがお勧めです。
天気に関する話題の例
- 寒い日が続いていますね。体調にお変わりありませんか?
- ここ最近のゲリラ豪雨、すごいですね。昨日はうっかり折りたたみ傘を忘れてしまい、びしょぬれになってしまいました。
カ:家族に関する話題
家族の話題は親近感を生み、場の雰囲気を和ませることができます。ただし、家族について話すことを好まない人もいるため、プライベートへの配慮は欠かせません。相手の反応を見ながら話しを進める必要があります。
家族に関する話題の例
- お子さんはおいくつになられましたか?
- 先日、妹が上京してきました。◯◯様にはご兄弟はいらっしゃいますか?
ケ:健康に関する話題
健康に関する話題は、一般的に関心が高いものです。年齢が上がるにつれて、関心が高まる傾向があります。ただし、相手の健康状態によっては不快に感じさせてしまうこともあるため、慎重に話題を選ぶことが大切です。
健康に関する話題の例
- 私は今年、花粉症に悩まされています。◯◯さんはいかがですか?
- 最近、インフルエンザが流行しているようですね。予防接種はもう受けられましたか?
シ:仕事に関する話題
仕事に関する話題は、ビジネスの場では自然な会話の入口となります。その後の商談へとスムーズにつなげることが可能です。
仕事に関する話題の例
- A社では冬のオフィスカジュアルを導入したそうですね。御社ではどのようにされていますか?
- こちらの営業所は、何名ほどで運営されていますか?
衣:衣類・ファッションに関する話題
ファッションに関する話題は、相手の個性や趣味に触れる機会を提供します。相手の服装や持ち物、センスなどをほめることで好印象を与えることが可能です。ただし、相手がファッションに無頓着な場合は、逆効果になることもあるため注意が必要です。
衣類・ファッションに関する話題の例
- 素敵な色合いのネクタイですね。ご自分で選ばれたのですか?
- そのビジネスリュック、とても機能的でおしゃれですね。どちらで購入されたのですか?
食:食事に関する話題
食事に関する話題も、多くの人が関心を持つテーマの一つです。好きな食べ物や最近はやりのレストランなど、話を広げやすいため、アイスブレイクに使いやすい話題といえます。
食事に関する話題の例
- このあたりで、ランチにお勧めのお店はありますか?
- 最近、韓国料理にハマっているのですが、◯◯さんのお好きな料理は何ですか?
住:住まいや出身地・居住地に関する話題
住まいや出身地、居住地に関する話題は、相手のバックグラウンドや価値観を知るのに良い話題です。ただし、ややプライベートに関わる話題ではあるため、あまり踏み込んだ話にならないよう、適度な距離感を保ちつつ、相手の反応を見ながら話をすることが大切です。
住まいや出身地・居住地に関する話題の例
- ご自宅はこの近辺ですか?
- ◯◯様は広島のご出身と伺いました。私は岡山の出身なのですが、同じ中国地方ということで、親近感を持ちました
営業以外の場面でお勧めのアイスブレイクネタ
アイスブレイクは営業活動だけでなく、さまざまなシーンで場を和ませる効果があります。ここでは、会議や研修時など、営業以外の場面で使えるアイスブレイクネタをご紹介します。
自己紹介
イベントや研修の席では、自己紹介がアイスブレイクになります。参加者同士の親近感を高め、会話のきっかけになります。イベントや研修などを開催する際には最初に数人のグループをつくり、自己紹介の時間をつくることで、イベントや研修を和やかな雰囲気で進めることが可能です。
他己紹介
他己紹介は、ペアになった相手の名前や趣味、特技、好きなことなどをヒアリングし、その場にいる人に紹介することです。相手について丁寧に聞き取ることで、深く理解でき、相互理解を深めるのに役立ちます。
好きな物
好きな物に関する話題は、その場にいる人の共通の興味を見つけることが可能です。好きな食べ物や旅行先、スポーツなど、さまざまなテーマが考えられます。共通点があると、お互いに親近感が生まれ、コミュニケーションが活発になります。
GOOD&NEW
GOOD&NEWは、過去24時間以内に経験したことの中で、良かったこと、うれしかったこと、幸せに感じたこと、新しい発見といった話題について共有することです。ポジティブな話題が中心となるため、その場が自然と明るい雰囲気になるのが特徴です。
アイスブレイクを行う際の注意点
アイスブレイクを適切に行うためには、注意しなければならないポイントもあります。ここでは、アイスブレイクを行う際に、注意すべき点について紹介します。
要否やタイミングを判断する
相手が雑談を苦手としている場合や時間が限られている場合は、アイスブレイクを省略し、直接本題に入るべきです。アイスブレイクの必要性と適切なタイミングを見極めることが重要です。
全員が参加できる話題を選ぶ
アイスブレイクを行う際には、全員が参加できる話題を選ぶことが大切です。話題に参加できない人がいると場の雰囲気やモチベーションに影響を与えかねないため、話題選びは慎重に行う必要があります。特に商談などの場で話題選びを間違えてしまうと、その後の営業活動に支障が出る可能性もあります。
目的を明確にする
アイスブレイクの目的は、緊張感をほぐし、相手に主体的になってもらうことです。緊張が和らいだ後は、ヒアリングやプレゼンテーションなどに集中できるよう、気持ちを切り替えることが大切です。
長くなりすぎないようにする
アイスブレイクはあくまで場を和ませるものに過ぎないため、アイスブレイクは適度なタイミングで切り上げ、本題に十分な時間を確保することが重要です。
デリケートな話題や芸能ネタなどは避ける
アイスブレイクでは、政治や宗教、思想などのデリケートな話題は避けるべきです。また、芸能ネタも、興味の有無や好みが分かれるため、避けた方が無難です。
アイスブレイクのネタ集めにも活用できる「SKYPCE(スカイピース)」
営業活動においてアイスブレイクをうまく行うためには、事前に相手の情報を収集しておくことが重要です。年齢や居住エリア、会社の業種、職種、役職、学歴、職歴、趣味、家族構成など、あらゆる情報がアイスブレイクのネタにつながります。
ビジネスシーンにおいて、このような顧客の情報を組織内で共有するのにお勧めなのが、名刺管理ツールです。営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」は、顧客の名刺をスキャナーやスマートフォンで簡単にデータ化して一元管理し、顧客情報を社内で共有することができます。「SKYPCE」では、名刺情報にひもづけて、会話の中で出た話題などを記録することが可能です。記録した情報にタグを設定することもできるため、商談前にサッと検索するだけで、アイスブレイクのネタを瞬時に集めることができます。
アイスブレイクのネタ集めはもちろん、営業活動を効率化できる名刺管理ツールの導入をお考えの際には、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」をぜひご検討ください。
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