何事も基本が大切といわれますが、営業活動でも基本を欠かすことはできません。営業に対する考え方や心構えといった基本スキルが身についていない状態で営業活動を行っても、うまくいかないことがほとんどでしょう。土台づくりがしっかりできているからこそ、営業力の向上につながります。この記事では、営業活動における基本的な姿勢や考え方のほか、心構え、スキルを身につける方法などについて解説します。
営業活動における基本的な姿勢
営業活動では、基本を身につけることが何より重要です。まずは、営業活動において身につけたい基本的な姿勢についてご紹介します。
身だしなみを整える
初対面では、誰もが外見から「この人はどういう人物なのか?」と想像するものです。そのため、初対面の顧客に会う機会の多い営業担当者は特に、身だしなみを整えて相手の第一印象を良くすることが何よりも大切です。具体的には「頭髪を整える」「ひげをそる」「靴を磨く」「爪を切る」などのポイントに気をつけて身だしなみを整えることで、相手からの信用を得やすくなります。営業担当者としての第一印象が悪いと、提案に対して顧客から正当な評価を受けられなくなる可能性もあるので、注意が必要です。
早いレスポンスを心掛ける
営業活動では、顧客からの問い合わせや相談に対して早めにレスポンスをすることが大切です。レスポンスが遅いと、相手は「ないがしろにされているのでは?」と感じ、購入意欲が薄れたり、自社への興味を失ったりしてしまう可能性があります。場合によっては、競合他社に相談されてしまうかもしれません。反対にレスポンスが早いと、相手は「大切な人だと認識してくれている」「コミュニケーションが取りやすい」と感じ、信頼を得やすくなります。早いレスポンスを心掛けることで、受注や契約のチャンスにつながる可能性が高まります。
計画は細部までこだわる
営業担当者は、顧客の多様なニーズに対応することが求められます。そこで重要となるのが、細かく計画を立てることです。目標を達成するために必要な行動を洗い出し、綿密な計画を立てることで効果的な営業につながります。具体的には、市場の分析や競合他社の動向調査を行い、受注や売上アップに向けた方針を考えます。細部までこだわりながら計画を立てることも、営業活動における大事な姿勢です。
健康管理に注意する
健康管理に気をつけることも、営業ではとても重要です。どんなに優れた営業担当者でも、体調不良では期待どおりの成果を上げられません。健康管理の基本は、「病気にならないよう予防すること」と「規則正しい生活をすること」の2つです。営業成績を上げようと頑張っても、体調不良の状態で顧客を訪問してしまっては、相手に嫌な印象を与えてしまうだけです。そうならないためにも、健康管理に注意し、能力が発揮できる状態で顧客に対応できるようにすることが重要といえます。
約束を守る
営業における基本的な要素の一つとして、「約束を守る」ことも挙げられます。小さな約束でもきちんと守ることができる営業担当者は、顧客からの信頼を得ることができます。顧客との約束は必ず守るという姿勢を心掛けることが大切です。一方で、「守ることのできない約束は交わさない」というのも、約束を守る上で重要なポイントといえます。
営業活動における基本的な考え方・心構え
営業担当者として成長していくためには、土台となる考え方や心構えを身につけておくことが必要です。ここでは、営業活動における基本的な考え方・心構えをご紹介します。
ポジティブ思考を持つ
営業活動は、ポジティブ思考を持ちながら進めることが大切です。なぜなら、営業活動には失敗がつき物だからです。一度の商談でうまくいくことは極めてまれであり、実際には受注や契約に至るまでに何度も失敗します。そのため、「今回は失敗だったが、問題点を改善して次は成功させよう」などと考え、ポジティブ思考を持つことが大切です。
前向きに努力する
営業活動を進めていくなかで、挫折や失敗を避けることはできません。時には「自分には才能がないのかもしれない」「仕事がつらい」と感じることもあるかもしれません。しかし、つらい状況に耐えながら経験や知識を積み重ねていけば、どこかのタイミングで状況が好転することがあるはずです。営業担当者として成長していくためには、常に前向きな姿勢で努力することが必要です。
誠意ある対応をする
営業活動を進めていくと、顧客との間でトラブルが起こったり、クレームを受けたりすることがあります。その場合は、誠意ある対応をしなければなりません。まずは相手の不満や思いを把握し、その上で相手が求める内容に対応する必要があります。クレーム処理を早く終わらせたいからといって適当な対応をしてしまうと、火に油を注いでしまう恐れがあります。相手の意見や要望に耳を傾けつつ、誠意ある対応を心掛けることが大切です。
失敗したら謝罪する
営業活動を進めていくと、誰でも一度は失敗します。そこで大事なのは、素直に自分の失敗を認めて謝罪することです。「失敗の原因が自分にあることを認めない」「言い訳ばかり繰り返す」「開き直る」といった対応では、顧客が離れてしまいかねません。相手の信頼を得るためには、失敗を認めてなるべく早く謝罪することが大事です。
積極的に動く
営業活動では、積極的な行動が重要となります。何事にも消極的・否定的な思考を持っている人は、「失敗したらどうしよう」「どうせうまくいかないだろう」と考え、行動も消極的になりがちです。また、営業活動による結果は、行動の「質×量」に左右されます。1日24時間のうち、営業活動に費やせる時間は限られています。限られた活動時間の中で積極的に動くことが、営業担当者にとって大事な心構えといえます。
問題を先送りにしない
顧客との間に何らかの問題が生じた場合、問題を先送りにせず早めに対応しなければなりません。「これは難しい問題だから」「忙しいから」などと理由をつけて先送りにすると、さらに問題がこじれる可能性もあります。面倒なことはつい後回しにしてしまいがちですが、時間がたつほど着手する気が起きなくなるなど、悪循環に陥ってしまいます。面倒な問題であっても先送りにせず、早めに取り掛かるというルールを決めておくことが重要です。
営業活動の流れ
営業活動を適切に行うためには、基本の流れをきちんと理解して進める必要があります。ここでは、どのような流れで進めていけばよいか、基本的なステップについてご紹介します。
1. 情報収集・リサーチ
営業活動で初めに着手するのは、情報収集やリサーチです。営業活動を成功に導くには、事前の情報収集やリサーチが欠かせません。まず、顧客は何に困っているのか、どのような課題を抱えているのか、顧客企業の競合状況はどうなっているのかといった情報を集める必要があります。そして、自社の商品・サービスによって顧客の課題や困り事をどう解決できるのかを分析することが重要です。
2. ヒアリング
情報収集・リサーチを行ったら、次は顧客にヒアリングをします。営業活動の成否は、「顧客が求めていることを把握できるか」「潜在的なニーズを探り出せるか」で決まるといっても過言ではありません。特に初回のヒアリングでは、可能な限り多くの情報を得ることが重要です。なぜなら、顧客が2回目も会ってくれるかどうかはわからないからです。相手によっては、慎重でなかなか深い情報まで聞き出せないこともあるかもしれませんが、粘り強く丁寧なヒアリングを行うことが求められます。
3. 企画の立案
顧客へのヒアリングができたら、次は企画の立案です。顧客に興味を持ってもらうためには、まず相手がどのようなポイントに課題を抱えていたり、頭を悩ませていたりするのかを分析する必要があります。その上で、顧客がまだ気づいていない課題を見つけ出し、解決につながる企画を立てて提案します。企画の立案は、自社の商品・サービスを売り込んでいく上で重要なステップです。
4. プレゼンテーション・解決策の提示
企画を立てたら、プレゼンテーションを実施して顧客の課題に対する解決策を提示します。どれだけ良い企画や提案内容であっても、顧客の心に響くプレゼンテーションができなければ受注・契約にはつながりません。顧客に納得してもらうためには、商品・サービスのメリットや特長をわかりやすく伝える必要があります。簡潔で理解しやすい資料を作成したり、話し方を工夫したりしながら、プレゼンテーションの質を上げて解決策を提示することが大切です。
5. クロージング・ネクストアクションの設定
プレゼンテーションが終わったら、次にクロージングとネクストアクションを行います。クロージングとは、顧客との取引や契約の最終段階のことです。クロージングには、行動心理学を応用したテクニックが多数あります。例えば、「ドア・イン・ザ・フェイス」は、最初にやや高額なプランを提示し、断られた後に低額プランを提示するようなテクニックです。また、「フット・イン・ザ・ドア」は、小さな提案から相手の「イエス」を積み重ね、大きな提案につなげるテクニックです。
プレゼンテーションを聞いても相手が悩んでいる場合は、こうしたテクニックを用いて相手の背中を押して契約を促します。ここで大切なのが、次のアクションを決めることです。例えば、「来週月曜日の会議で上司に相談します」という返答があった場合は、「では火曜日にご連絡しますので、結果をお聞かせいただけますか?」と、具体的な日時を伝えます。ネクストアクションを設定すれば、クロージングの確度を高めることにつながります。
6. アフターフォロー
営業活動は「受注・契約したら終わり」というイメージもあるかもしれません。しかし、顧客に対するアフターフォローも重要なポイントです。なぜなら、アフターフォローをおろそかにすると途中で契約が打ち切られてしまう可能性もあるからです。顧客からの問い合わせや要望には迅速に返答したり、訪問して詳しく説明したりするなど、細やかなアフターフォローを心掛けることが大切です。
7. トラブル時のクレーム対応
受注・契約後に、トラブルやクレームが発生する可能性もあります。クレーム対応も営業活動において重要なポイントであり、おろそかにしてはいけません。まずは相手に謝罪をし、話をしっかり聞いて事実を把握してから対応を検討します。時には、道理に合わない要求や言いがかりのようなクレームを受けることもあるかもしれません。そのような場合は、毅然(きぜん)とした態度で接することも必要です。
営業の基本スキルを身につける方法
営業担当者として営業力を高めていくためには、営業に関するさまざまなスキルを幅広く身につける必要があります。とはいえ、まだ経験の浅い営業担当者であれば、まずは基本となる営業スキルを身につけなければなりません。ここでは、営業の基本スキルを身につけられる、代表的な方法をご紹介します。
営業に関する本を読む
営業の基本スキルを身につけるために、すぐにでも実践できる方法が、営業に関する本を読むことです。営業担当者が身につけておくべきスキルや営業テクニックについて書かれた本を読むことで、営業の基本スキルを効率的に学ぶことができます。ただし、本で学ぶ手法には「理解できない部分があっても質問できない」「内容が自社のビジネス向きではない場合もある」といったデメリットもあります。
先輩・上司からスキルやテクニックを学ぶ
先輩や上司から、営業のスキルやテクニックについて直接学ぶ方法もあります。「こういうシチュエーションではどう対処すればいいのでしょうか?」と質問したり、時には先輩や上司の営業に同行させてもらったりして、スキルやテクニックを学びます。営業活動を間近で見られることで学びが多い反面、先輩や上司のスキル・テクニックが自己流であったりすると、参考にならないこともあるため注意が必要です。
セミナーやイベントに参加する
営業の基本スキルについて学べるセミナーやイベントに参加するのも一つの手です。こうしたセミナーやイベントに参加することで、まだ知らない営業テクニックや知識を得られる可能性があります。ただし、セミナーやイベントには、受講者のレベルで分けられていたり、特定の業界関係者を対象とするものだったり、さまざまな種類があるため、自分に合うものを選ぶことが大切です。
外部の営業研修に参加する
営業スキルを身につけるには、外部の営業研修に参加して学ぶ方法もあります。研修サービスには、外部から専門講師を招いてオフラインで開催するものや、通信教育、e-ラーニングなどオンラインでの研修があります。最近では、オンライン上でロールプレーイングを行う実践的な研修もあるようです。カリキュラムによっては、効率よく営業の基本スキルを身につけることができます。
営業活動の状況把握を「SKYPCE(スカイピース)」でサポート
営業活動における基本的な姿勢や考え方を若手の営業担当者が身につけるには、ここまでご紹介してきたようなさまざまな方法や手順を一つずつ行っていくことが大切です。また、営業担当者を育成する企業側としては、若手の営業担当者が実際に今どのような営業活動をしているかを正確に把握することが欠かせません。
そこでお勧めなのが、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」です。「SKYPCE」は、顧客の名刺をスキャンしてデータ化し、顧客情報を社内でスムーズに共有できる営業支援ツールです。顧客の名刺情報にひもづけて日々の営業活動を記録する機能もあるため、営業担当者の営業活動を可視化して管理できます。メンバーの活動状況を詳しく確認しながら育、顧客への提案状況なども同時に確認できるため、育成と営業活動の両方を効率よく行うことが可能です。
営業活動を効率よく行うため、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の導入をぜひご検討ください。