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公開日2024.04.12更新日2024.10.29

営業活動におけるKPIとは? KPIの設定例や目標達成のポイントを解説

著者:Sky株式会社

営業活動におけるKPIとは? KPIの設定例や目標達成のポイントを解説

企業が大きな目標を達成するためには、KPIの設定が欠かせません。KPIは企業全体だけではなく、事業部や部署単位、そして営業担当者個人でも設定が可能です。しかし、営業活動においてどのようなKPIを設定し、どう活用すればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。この記事では、KPIを設定する際のポイントやKPI設定の流れ、営業活動で使えるKPIの設定例のほか、KPI達成のために大切なことについて解説します。

KPIとは、目標の達成度合いを表す指標のこと

KPIとはKey Performance Indicator(重要業績評価指標)の略で、目標に対してどの程度達成できたのかを数値で表す指標です。ゴールに向けた中間目標を数値で設定することで、達成度合いを評価します。KPIを活用するのは、営業だけにとどまりません。経営企画や生産管理、人事、製造現場などの各部門、企業全体で活用します。

KPIを設定することで、「いつ」「何を」「どれくらいすればよいのか」といった取るべき行動が明確になります。営業活動においては、中間目標に対する達成率という形で日々の進捗や進めている営業活動の有効性などが把握できるようになります。また、KPIをチームで共有することで、メンバーそれぞれが売り上げなどの目標を達成するために自分がどのような行動をすべきかを考えるようになり、チームの目標達成に対する意識が高まります。メンバーが自ら考えるようになると、管理者は細かな指示を出す必要がなくなるので、現場を統括する業務に専念できるというメリットもあります。

KPIとKGIの違い

よくKPIと併せて使われる言葉がKGIです。KGIとはKey Goal Indicator(重要目標達成指標)の略で、ビジネスのゴール地点、最終目標のことです。KGIが最終目標(ゴール)であるのに対し、KPIは中間目標(プロセス)という関係性から、KGIとKPIはセットで考えることが重要です。KGIは事業部や企業全体など、大きなくくりでの戦略的な最終目標であり、KPIは各業務単位で達成すべき具体的な中間目標であるため、どちらが欠けても状況の可視化は困難になります。

■KGIとKPIの関係性

KPIとKFSの違い

同じくKFSという言葉もよく併せて使われます。KFSとはKey Factor for Success(重要成功要因)の略で、事業を成功させるための重要な要因のことです。KSF(Key Success Factor)やCSF(Critical Success Factor)といわれることもあります。KPIで設定するのは数値目標ですが、KFSはその数値目標を達成するために検討される「成功のための要因」のことです。例えば、「新規顧客とのアポイントを◯件獲得」というKPIを設定し、そのために名刺管理ツールを導入し、KPIが達成できたとします。この場合のKSFは、「KPIが達成できた要因の一つとして、効率的な名刺管理ツールの導入にあった」と分析できます。

KPIを設定する際のポイント

KPIは、ただゴールから逆算した目標数値を設定すればよいというわけではありません。KPIを設定する上で、意識しておくべきポイントについて解説します。

設定するKPIは業種や業態によって変わる

KPIは業種や業態によって設定が変わることを念頭に置くことが重要です。設定すべきKPIは、その企業の業種や業態によって異なります。また同じ企業内でも、部署や業務内容によって項目は変わります。例えば、食品や化粧品などの小売業の場合、主なKPIとして設定されるのは販売数です。しかし、自動車や不動産などを販売する場合、顧客は気軽に購入するわけではないので、販売数をKPIとするよりも、前段となる見込み顧客の獲得数や商談数などをKPIとして設定するほうが適切だといえます。業種やチームの業務内容などを考慮し、最適なKPIを設定することがポイントです。

成果につながるKPIを設定する

成果につなげることがKPIの目的です。例えば「1日50件飛び込み営業をする」とした場合、飛び込み営業という行動数が目標となっています。営業担当者にとって行動数はとてもわかりやすい目標であり、管理者としても評価しやすい目標です。しかし、50件飛び込み営業をすることが、最終的な成果につながるでしょうか。そうでない場合は成果につながらない的外れな目標となってしまいます。加えて、実現可能な数値であることも重要です。「1日100件電話する」など現実離れした目標は、メンバーのモチベーションが下がる要因の一つとなります成果につながり、実現可能な数値を設定することがポイントです。

KPIの設定の流れ

成果につながるKPIを設定するためには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。KPIを設定する際の流れについて解説します。

1. KGIを設定する

KPIを設定するには、まず、最終的なゴールであるKGIの設定が必要です。KPIは、あくまでもKGIに到達するための中間目標なので、KGIが不明確だとKPIも不明確になってしまいます。ですから、KGIは「お客様の成功に貢献」のような漠然としたスローガンではなく、「成約率を前年比20%向上する」というように、明確に数値で示します。

2. KPIを設定する

KGIを達成するための中間目標として、ゴールから逆算する形でKPIを設定します。そのため、KPIは、順番に達成していくことでKGIの達成につながる形になっている必要があります。成果を出すためのKPIを設定するには、「(1)営業活動において数値化が可能な目標を洗い出す」「(2)営業担当者がコントロールできる数値を設定する」「(3)設定するKPIは必要最低限にとどめる」ことが重要です。これらを設定する上でのポイントは、次のとおりです。

(1)営業活動において数値化が可能な目標を洗い出す
まずは、営業プロセスを分析し、「アポイント件数」「資料請求の数」「提案書を提出した数」「成約件数(または成約率)」「商談数」「顧客単価」といった、数値化が可能な目標を洗い出します。これらの目標は、企業の業種や業態、部署の役割によって変わり、同業他社の事例をまねすれば済むわけではありません。何が最適なKPIなのかをチームで話し合い、業務にマッチしたKPIを導き出すことが重要です。

(2)営業担当者がコントロールできる数値を設定する
次に、営業担当者が、努力によってコントロールできる数値を目標に設定することが大切です。顧客との商談数や顧客単価には営業担当者の努力が反映されますが、商品の利益率や競合他社との市場シェアなどは、営業努力でどうにかできるものではないので設定しないようにします。

(3)設定するKPIは必要最低限にとどめる
そして、KPIの項目数は、最低限にとどめることが大切です。KPIが多すぎると、自分が今、どの目標に注力すべきなのかがわからなくなってしまいます。また、「あれもこれも達成しなければ」と心理的なプレッシャーをかけ、モチベーションの低下を引き起こしてしまうこともあります。KGIを達成するために不可欠な、最低限の項目数までKPIを吟味することが重要です。

3. 期間を決めてKPIを確認し、見直すようにする

期限のない目標は、一般的に達成しにくい傾向があります。そのため、1~2か月程度をKPIの対応期間として設定し、期限が来たら成果を確認することをお勧めします。 また、達成の見込みのないKPIは別のKPI達成を阻害する要因になりかねないので、KPIの設定そのものを定期的に見直すことも大切です。PDCAサイクルを回しながら目標の整理・改善を繰り返し、KPIに反映させていくとよいでしょう。

KPIの設定後はマネジメントが大切

KPIを設定しただけで意識が向上し、業績が上がるわけではありません。重要なのはKPIの設定後に適切なマネジメントを行うことです。KPIは数値で目標を設定するので、KPI達成までの進捗や成果も数値で確認できます。その上で遅れが出ている原因や、その原因を取り除くために必要な対策などを検討して改善を進めます。このようにKPIをマネジメントすることが、目標への着実な前進につながります。

営業活動で使えるKPIの

KPIの設定の流れを確認したら、実際の営業活動におけるKPIを設定します。ここでは、営業活動で使えるKPIの例をご紹介します。

営業案件数

営業案件数とは、営業担当者一人ひとりが担当している案件の数のことです。誰がどれくらいの案件を抱えているのかを、可視化することが大切です。営業案件数が少ない場合は営業担当者の手が余っていることになり、営業案件数が多すぎる場合には、オーバーワークとなって個々の対応が雑になってしまう可能性があります。つまり、適切な営業案件数をKPIとすることは、最適なパフォーマンスにつがなります。ただし、最適なパフォーマンスを出すためには、1人あたりの案件数を均等に配分するのではなく、営業担当者の経験や実績に応じた配慮が必要です。

有望営業機会数

有望営業機会数とは、成約に至る見込みが高いビジネスチャンスや販売機会の数のことです。顧客が商品やサービスを購入する可能性が高い場合や、長期的なビジネス関係の構築が可能だと思われる営業機会の数をKPIに設定します。営業担当者は有望な営業機会を特定し、そこに焦点を絞った積極的なアプローチを行うことで、営業活動を効率化することが可能です。また、有望営業機会数をKPIに設定することで、営業担当者は有望な営業機会を常に意識し、重要視するようになり、効率的な営業活動が促進されます。

見込み顧客数

見込み顧客数は、成果につながりやすいKPIといえます。見込み顧客とは、自社の商品やサービスに関心があり、購入や契約の可能性がある顧客のことです。まだ契約には至らないものの、会員登録や資料請求をした人、展示会などで名刺交換をした人を、見込み顧客と捉えることができます。見込み顧客はマーケティング用語で「リード」と呼ばれ、見込み顧客の獲得は成約につながる第一歩ですので、多ければそれだけ成果につながる可能性が高いといえます。なお、マーケティング部門が営業とは別にある場合、新規の見込み顧客の獲得はマーケティング部門が担当することもあります。

成約率

成約率(CVR:Conversion Rate)とは、営業活動において実施したアクションのうち、どれだけ成約に至ったかの割合を算出した値のことです。成約率は「成約件数÷商談数」の式で計算することができます。例えば、100件の商談数のうち6件が成約した場合、成約率は6%です。成約率は、経験やスキルなどによって個人差が表れやすい指標です。KPIを設定する前にこれまでの実績を勘案し、無理のない数値を設定しましょう。

顧客単価

顧客単価とは、顧客1人あたりが1回の購買で支払う金額のことです。売り上げは「成約数×顧客単価」によって計算できます。単純な話、売り上げを増加させるためには、顧客数を増やすか、顧客単価を上げればよいわけです。KPIに顧客単価を設定することで、より付加価値の高いサービスへの誘導や、アップセル・クロスセルの提案など、顧客1人あたりの購入金額を向上させるための施策につながります。

新規売上

新規売上とは、新たに獲得した顧客から得られる売り上げのことです。既存の顧客からのリピート購入や追加購入は、新規売上には含まれません。企業が成長するためには、新規顧客からの売上を獲得し、顧客基盤を拡大することが重要です。新規売上をKPIとした場合、それを増加させるための営業活動やマーケティング戦略がとても重要です。

新規顧客数

新規顧客数とは、新規に自社商品やサービスを購入した顧客の数のことです。売り上げ向上のためには、新顧顧客の獲得が不可欠です。そのため、営業部門のKPIとしても重要な項目の一つだといえます。ただし、新規顧客数は「見込み顧客数×成約率」で割り出します。そのため、見込み顧客数と成約率の両方がKPIに設定されている場合は、新規顧客数をKPIに設定する必要はありません。日々の営業活動の進捗と成果を基に、どの項目をKPIに設定することが最適かを見極めることが大切です。

リードタイム

リードタイムとは、見込み顧客への最初のアプローチから、成約に結びつくまでの期間のことです。同じ金額の契約であったとしても、リードタイムが6か月の場合と1か月の場合では、営業効率に6倍の差が出ていることになります。リードタイムが短ければ、それだけ営業担当者の時間や労力を、ほかの施策に注ぐことが可能です。リードタイムをKPIに設定することで、営業プロセスの見直しや効率化、迅速なフォローアップ、顧客とのコミュニケーションの強化など、さまざまな取り組みを検討するきっかけになります。

KPIを達成するために大切なこと

KPIを達成するためには、営業担当者の努力はもちろんですが、KPIそのものの振り返りや見直し、KPIを確認しやすい環境づくりが重要といえます。ここでは、KPIを達成するために大切なことを2つ解説します。

定期的に振り返り、見直しをする

KPI達成に向けた進捗を定期的に確認し、問題や課題が見つかれば改善することが大切です。定期的な振り返りによって、項目や数値の設定に無理や無駄があったと判明した場合には、KPIを見直しましょう。また、業界や競合他社の動向、顧客ニーズの変化といった外的要因から、KPIの変更を迫られることもありえます。設定したKPIに固執せず、変化には柔軟に対応することが大切です。

営業担当者がKPIを確認しやすい環境を整備する

KPIは数値の目標を設定するので達成率や進捗を確認するためには正確なデータが必要です。しかし、通常の業務で忙しいところに数値の入力作業も複雑となれば、入力漏れやミスが発生します。そこで、SFAツールを使って通常のスケジュール管理や商談メモの入力と同時にKPIの項目も入力できるようにすると、労力的にも心理的にも、入力するハードルを下げることができます。

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KPIを設定することで、営業活動の進捗や有効性が確認できるほか、チームが同じ目標に向かって活動できるようになります。そして、KPIの達成はKGI、つまり事業のゴールに向けて着実に歩を進めていることを意味します。KPIは定量的な数値目標であるため、日々の業務管理、進捗報告、商談情報など、細かなデータの入力と管理がなされていなければ、どこまで目標を達成できているのか、正しく評価することができません。

営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」は、名刺管理ツールでありながら、日々の営業活動を記録する機能など、営業支援機能も充実しています。SFAやCRMなどのツールと連携させることもでき、ビジネスチャンスの拡大も期待できます。

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