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公開日2024.05.17更新日2024.07.02

チーム営業(セリング)とは? メリットや失敗例、ツールを紹介

著者:Sky株式会社

チーム営業(セリング)とは? メリットや失敗例、ツールを紹介

ひと昔前の営業といえば、担当者個人の経験やスキルに頼る「個人営業」が基本スタイルでした。しかし近年では、営業担当者の力を集約して活動する「チーム営業」へシフトする企業が増えています。とはいえ、実際には「チーム営業といっても、具体的にどう進めればいいのかわからない」「チーム制にすると、メンバー同士でトラブルが起きやすいのでは?」といった疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、チーム営業のメリットやよくある失敗例、チーム営業に役立つツールなどをご紹介します。

チーム営業(セリング)とは、複数人のチームで組織的に営業活動を行うこと

チーム営業(セリング)とは、複数人を集めてチームをつくり、担当者同士で弱点をカバーしながら組織的に営業活動を行うことを指します。従来の個人営業では、担当者個人のスキルに限界があるため、顧客からの幅広いニーズにすべて応えられるとは限りません。一方、さまざまな経験や知識を持つメンバーが集まるチーム営業のスタイルにすれば、各担当者が得意としている領域およびスキルを最大限に発揮できます。また、新人とベテランでは営業活動の質に差が出てしまう可能性がありますが、チーム営業で役割を分担すれば、顧客に対するサービスのムラがなくなり、標準化することが可能です。

チーム営業のメリット

複数人で営業活動を行うチーム営業では、組織で動くことによるさまざまなメリットが得られます。ここでは、チーム営業を行うことで得られるメリットを、5つピックアップして解説します。

属人化の排除

チーム営業のメリットの一つが、属人化の排除です。ここでいう属人化とは、営業活動のプロセスやノウハウ、顧客との約束ごと、進捗状況などがその担当者にしかわからない状態を指します。従来の個人営業では、属人化のために「誰がどの顧客の、どのような案件を担当しているのか」「どこまで進んでいるのか」を把握しにくい状態になります。また、営業担当者は「ほかのメンバーに顧客を取られたくない」「ライバルに負けたくない」といった心理が生まれ、あまり情報共有をしない環境になることもあります。

一方、チーム営業では、顧客への対応履歴や案件の進捗状況が把握しやすくなります。チーム営業で属人化を排除し、営業ノウハウや勝ちパターンを情報共有することで、より効率的に営業活動を行えるようになります。

モチベーションの維持

営業担当者のモチベーションが維持できることも、チーム営業のメリットとして挙げられます。個人営業では、本人しか把握していない情報が多かったり、相談できる人がいなかったりして、不安を抱えてしまうケースが少なくありません。一方、チーム営業であれば、メンバー間で不安や悩みを共有し、励まし合うことで問題を解決しやすくなります。また、ほかのメンバーの進捗状況や売上をリアルタイムで確認できるため、「同僚がここまで達成しているのだから、自分も頑張ろう」という気持ちになりやすいでしょう。同じ目標に向かってチーム一丸となって取り組むことにより、エネルギッシュな雰囲気が生まれ、担当者のモチベーションの維持および向上につながります。

営業レベルの向上につながる

営業レベルを向上させられることも、チーム営業を導入するメリットの一つです。チームではなく、メンバーが連携せずにそれぞれで営業活動を行う場合、一人ひとりの成長にばらつきが出てしまい、結果的にチームとしての営業レベル向上にはつながりません。しかし、チーム営業によりメンバー同士で切磋琢磨(せっさたくま)することで、各メンバーの成長スピードが速まるだけでなく、お互いに気づいたことをアドバイスし合うことにより、不得意分野を補うことも可能です。さらに、メンバー間の情報共有が活発になることで「勝ちパターン」をナレッジとして蓄積することができるなど、チーム全体での営業レベル向上につながります。

個々の得意分野を最大限に生かせる

チーム営業には、個々の得意分野を最大限に生かせるというメリットもあります。従来の個人営業では、顧客へのアプローチから商談、クロージング、契約までを1人で行うため、プロセスの中に不得意な部分が出てくることも当然ながらありました。しかし、チーム営業では、これらのプロセスを各担当者に割り振ることができます。担当者ごとにプロセスを分担することで、各メンバーが得意分野を生かした営業活動が可能になります。結果として、営業活動の効率化や成約率の向上にもつながります。

経験の差をカバーできる

チーム営業を行えば、経験の差をカバーできることもメリットです。個人営業の場合、ベテラン担当者と新人担当者とでは経験の差があるため、どうしても営業活動および成約率に差が生じがちです。一方、チーム営業では、ベテランの経験やノウハウをチームに共有することで、新人でも営業活動がしやすくなります。勝ちパターンを参考に営業活動を行うことができれば、新人であっても早い段階で契約を獲得することが可能です。情報共有することで経験の差をカバーでき、チーム全体のレベルアップにもつながります。

チーム営業における失敗例

チーム営業は成果が出やすいスタイルではあるものの、進め方によってはうまく結果につながらない可能性もあります。ここでは、チーム営業でよくある失敗例とその対策を4つご紹介します。

自由度の低下

チーム営業は、担当者の自由度が低下してしまう可能性があります。個人営業では、行動管理やスケジュール調整など、担当者自身の裁量で自由に決められます。しかし、チーム営業では、マネージャーを中心にチーム内の戦略や方針に沿って行動したり判断したりすることが必要です。担当者自身で判断することができないような環境では、仕事に対するモチベーションが下がってしまい、チーム営業の導入が失敗に終わりかねません。従って、チーム営業であっても、担当者には一定の自由度や裁量を持たせることが大切です。

コミュニケーション不足によるトラブル

コミュニケーション不足によるトラブルも、チーム営業に起こりがちな失敗例の一つです。チーム内でのコミュニケーション不足によって、業務の重複や抜け・漏れが発生したり、顧客からのクレームを受けたりする可能性があります。よくあるのが、同じ顧客に対して複数の担当者がアプローチしてしまうケースです。アプローチが重複してしまうことで「その話は以前に別の方からも聞きましたが……」と、顧客から「この会社は社内の連携ができていないな」と不信感を持たれてしまいかねません。チーム営業では、商談内容や進捗状況、顧客からのクレームなど、細かく情報共有することが必要です。

一人ひとりの考える能力の低下

チーム営業では、一人ひとりの考える能力が低下してしまう恐れがあることも、失敗例として挙げられます。チーム営業は、担当者自身で判断することよりも、ほかのメンバーに相談しながら進めることが中心です。そのため、場合によっては、チームメンバーから指示を受けるだけになり、自分の考えを持たなくなってしまうかもしれません。こういった状況を避けるためには、「担当者個人に裁量を持たせる」「一方的な判断で進めるのではなく、話し合いの時間を十分に取る」といった工夫が必要です。チーム営業では、メンバーの一人ひとりがしっかり考え、得意分野や営業スキルを伸ばせるような環境をつくることが欠かせません。

ほかの人のフォローに追われる

チーム営業では、メンバー同士で役割分担をするため、自分の仕事だけでなくメンバーのフォローをしなければならないこともあり、それも失敗例の一つになることがあります。例えば、「業務が多忙なメンバーに代わって、ほかのメンバーがサポートして顧客対応する」「体調不良で不在のメンバーの穴を、ほかのメンバーが埋める」といったケースが挙げられます。チーム営業のメリットは、役割分担をすることで顧客にきめ細かい対応ができる点ですが、ほかの人のフォローに追われることで、自分の仕事がおろそかになる可能性があります。チーム営業を推し進めるためには、そういった点も考慮し、スケジュールに余裕を持たせるなどの工夫も必要です。

成果を出すチーム営業の戦略

ご紹介してきたように効果的なチーム営業を実現するためには、適切な戦略を立てなければなりません。ここでは、成果を出すチーム営業の具体的な戦略を5つご紹介します。

チームメンバーの選定や配置を工夫する

成果につながるチームをつくるためには、メンバーの選定や配置を工夫する必要があります。営業活動はプロセスが分かれており、それぞれに必要なスキルも異なります。従って、個々の能力を最大限に生かせるようなチームメンバーの選定、および配置を考えることが重要です。また、メンバー間の連携やコミュニケーションが不可欠なため、人間関係の構築も考慮しなければなりません。相性や個々のスキルを把握し、適材適所のチームとなるようなメンバー選定および配置を検討することが重要です。

メンバー同士がお互いの業務内容を理解する

メンバー同士がお互いの業務内容を理解することも、チーム営業の戦略において重要なポイントです。営業活動では、プロセスによって重視するポイントが異なります。そのため、メンバー間で意見が対立することもあるかもしれません。例えば、商談を行う営業担当者は直接商品やサービスを購入する「顧客(企業や個人)」の視点を重視する一方で、マーケティング担当者は最終的に商品やサービスを使用する「エンドユーザー(実際の利用者)」視点を重視する傾向があります。この問題を解決するためには、メンバー同士がお互いの業務内容や立ち位置を理解し、目標達成に向けて共通認識を持つことが重要です。チームリーダーやマネージャーは、メンバー全員が目標に対して足並みをそろえられるよう、マネジメントすることが求められます。

チーム内での情報共有を徹底する

チーム営業のメリットを生かして活動するためには、情報共有を徹底することが極めて大切です。外回りの営業などが多かったことでチーム内の情報共有が遅れると、業務の足止めや顧客への伝達ミスが起きてしまうかもしれません。チームメンバー同士が積極的に情報共有をすれば、営業ノウハウの蓄積や個々のスキルアップ、営業の質の向上などにつながります。効果的な営業活動ができるよう、定期的なミーティングや報告の場を設け、情報共有しやすい仕組みづくりを意識することが大事です。

リーダーシップとフォロワーシップを意識する

リーダーシップとフォロワーシップを意識することも、効果的なチーム営業を実現するために重要なポイントの一つです。まずリーダーは、チームの目標や方向性を明確にし、プロセスごとに意思決定を行います。ただし、リーダーの意思決定だけに依存すると、リーダーの能力以上の成果を出すことはできません。また、リーダーの考えが必ずしも顧客ニーズに最適であるとは限りません。そのため、チームメンバーによるフォロワーシップが必要となります。フォロワーシップとは、チームの成功や発展のために、自律的にリーダーや周囲のメンバーに働きかけて支援することです。

悪い例としてよくあるのが、チームメンバーがリーダーの指示を待つだけになり、主体的に行動しないケースです。チーム営業で成果を出すためには、リーダーシップとフォロワーシップが相互に影響することを理解し、メンバー全員でリーダーやチームメンバーを積極的にサポートすることが必要です。

ITツールを営業活動に取り入れる

チーム営業で成果を出すためには、営業活動にITツールを取り入れることがお勧めです。ITツールは、メンバー間のコミュニケーションや情報共有をサポートするためのものです。代表的なツールとしては、SFAやCRMツール、名刺管理ツールが挙げられます。

SFA / CRMツール

SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)とCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)ツールは、どちらも営業活動を効率化するためのITツールです。SFAやCRMツールを使えば、営業活動のプロセスや成果をグラフや表などでわかりやすく可視化できます。また、チーム内の情報や顧客とのやりとりの履歴などを簡単に共有できるため、密なコミュニケーションやトラブル回避、効果的な課題改善につなげられます。

名刺管理ツール

名刺管理ツールとは、顧客と交換した紙の名刺をデータ化し、社内で一元管理しながら情報共有するツールのことです。社内の人脈を可視化できるだけでなく、アプローチすべき顧客が把握しやすくなり、チーム営業の効率化につなげられます。モバイルデバイスに対応しているものや、営業活動および顧客情報の管理ができる機能を搭載しているものもあり、近年導入する企業が増えています。

「SKYPCE(スカイピース)」でチーム営業の効率化をサポート

チーム営業を行えば、属人化の排除やモチベーションの維持、営業レベルの向上といったメリットが得られます。一方で、「コミュニケーション不足によってトラブルが起こる」「ほかの人のフォローに追われてしまう」といったデメリットが生じる可能性もあります。チーム営業で成果を出すためには、適切な戦略を立てて進めなければなりません。

そこでお勧めなのが、Sky株式会社が提供している営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」です。「SKYPCE」は、名刺情報のデータ化から顧客情報の一元管理、営業活動への活用までをスムーズに行うことができる営業支援ツールです。名刺に記載された顧客情報はもちろん、案件化する前からの顧客とのやりとりや、日々の営業活動を記録して組織全体で共有することができます。これにより、例えば顧客へのヒアリング内容やアプローチ状況、商談の進捗など、営業担当者ごとの営業活動の内容をマネージャーやメンバーが把握しやすくなり、チームでの効率的な営業活動に生かすことができます。

自社にチーム営業を取り入れようと考えている方は、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の導入をご検討ください。

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