新規顧客の開拓と同じように、企業のビジネスチャンスを広げる方法として有効なのが休眠顧客の掘り起こしです。では、休眠顧客を掘り起こすために、具体的にどのような手順でアプローチする方法があるのでしょうか。この記事では、休眠顧客とは何か、休眠顧客の掘り起こしにどのようなメリットやアプローチ方法があるのかなどを解説します。
休眠顧客とは、一定期間以上やりとりのない顧客のこと
休眠顧客とは、過去に取引や問い合わせなどのつながりがありながら、現在は一定期間以上、活発なやりとりがないままになっている顧客のことです。どの程度の期間やりとりがないと休眠顧客とするのかは、企業によって異なります。一般的には、BtoCであれば半年以上、BtoBであれば1年以上やりとりがない顧客であれば、休眠顧客としているところが多いようです。
顧客が休眠してしまう要因
顧客が休眠してしまう要因については、さまざまなケースが考えられます。中でも多いのは次のような理由です。
商品・価格に対する不満
顧客が自社の提供する商品やサービスに対して、期待していた効果や満足感を得られなかった場合、顧客が休眠する一因となることがあります。価格に関しても同様で、値上げや価格改定が顧客にとって受け入れがたいと判断されると、休眠につながりやすいといえます。
顧客状況の変化
顧客の経営方針や事業体制が変化し、以前は必要とされていた自社の商品やサービスが必要なくなった場合も、休眠が起こりやすくなります。このほか、自社の商品やサービスが、顧客の新たなニーズに適応できていない場合にも休眠につながりやすいため注意が必要です。
他社との取引の影響
顧客が他社の製品やサービスを、自社の商品より魅力的だと感じてしまった場合も、休眠の大きな一因となります。他社の製品のほうが明確に良いと判断されると、いわゆる乗り換えが起き、顧客は自社の存在を忘れるか、意識的に選択肢から外してしまいます。この場合は、自社に見切りをつけて離れていってしまう離反顧客に近い存在となります。
休眠顧客の掘り起こしをするメリット
休眠顧客にアプローチして顧客を再びアクティブな状態に戻す、いわゆる再活性化することを「休眠顧客の掘り起こし」といいます。休眠顧客の掘り起こしには、どのようなメリットがあるのかを解説します。
新規顧客獲得の限界をカバーできる
休眠顧客を掘り起こすことで、新規顧客獲得の限界をカバーできるメリットがあります。近年、多くの市場では、新規顧客の獲得が困難になっているといわれています。他社との競争が激化し、顧客の獲得コストが上昇するなかで、新たな顧客層を見つけ出すことは容易ではありません。こうした状況において、休眠顧客は見方を変えれば、自社の商品やサービスを知っている見込み顧客です。かつて自社へ関心を持っていたものの、何らかの要因で取引が途絶えてしまった休眠顧客に対し、適切なタイミングで適切なメッセージを送ることで、休眠顧客を再活性化し、顕在顧客へと変換できる可能性があります。また、新規顧客の獲得にかかるコストと時間を削減できることも、休眠顧客の掘り起こしのメリットといえます。
オンライン商談のデメリットをカバーできる
休眠顧客の掘り起こしは、オンライン商談のデメリットをカバーできるという点においてもメリットといえます。オンライン商談は、地理的な制約が少なく、移動にかかる時間やコストの削減につながることもあって、商談方法の一つとして活用されるケースが増えています。一方で、対面商談に比べて相手の反応を読みにくく、人間関係を築きにくいといった面もあるため、まだ関係構築ができていない新規顧客との商談には、あまり適していません。
しかし、休眠顧客の場合は、過去にやりとりしたことがあるため、オンライン商談であっても新規顧客よりコミュニケーションを取るのが比較的容易です。そのため、休眠顧客の掘り起こしは、オンライン商談においても成果につながりやすい営業手法の一つということができます。
休眠顧客を掘り起こす手順
休眠顧客の掘り起こしには、新規顧客をゼロから開拓するよりも効率的に、見込み顧客を獲得できるメリットがあります。では、休眠顧客を掘り起こすには、どのような手順が必要なのでしょうか。次に、休眠顧客を効果的に掘り起こす手順を解説します。
1. 顧客情報をデータベース化する
休眠顧客を効率的に掘り起こすには、前提として顧客情報をしっかりと管理することが不可欠です。顧客の購入履歴、購入頻度、コミュニケーション履歴などの詳細情報を収集してデータベース化しておくことで、それらの情報から休眠理由の分析といった次のプロセスを実行できます。
顧客情報のデータベース化には、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理)ツール、名刺管理ツールなどを利用するのが有効です。これらのツールを活用することで、顧客情報を管理するプロセスを効率化し、組織全体での情報の一元管理も可能になります。
2. 休眠理由を分析する
データベース化した顧客情報から休眠顧客をピックアップして、それぞれの顧客が休眠に至った理由を分析します。全体的な傾向だけでなく、個別の事情を含む休眠理由を理解することができれば、それぞれにマッチした適切なアプローチ戦略を立てることに役立てられます。自社の商品やサービスに対する不満、価格の問題、顧客のビジネススタイルの変化など、顧客が休眠状態になった具体的な理由は多種多様です。休眠理由を細かく把握するほど、各顧客に対してパーソナライズされたコミュニケーションにつながりやすくなります。
3. 顧客をセグメント化する
休眠顧客の数が多い場合には、分析の次の段階として、休眠理由、過去の購入行動、顧客の関心事などに基づいて顧客をセグメント化します。このセグメント化により、各セグメントに適したアプローチ方法を考えることが可能です。同じ休眠顧客であっても、休眠の理由や過去の行動などによって、再び関心を引き戻せる可能性は異なります。そのため、再活性化の確度別に、セグメント化をすることも重要です。
4. 再活性化させるセグメントに合わせたアプローチをする
休眠顧客のセグメント化ができたら、再活性化させたいセグメントに合わせたアプローチを行います。アプローチ方法は、メールや電話、ダイレクトメールなどが代表的です。アプローチする際は、顧客が以前に示した関心事やニーズなどの情報を生かしつつ、顧客がなぜ休眠状態になったのかを考慮し、その問題点を解決するような提案を行うことが効果的です。
休眠顧客の掘り起こしに役立つツール
ここからは、休眠顧客の掘り起こしに役立つツールを紹介します。次に紹介する中から適したツールを選択したり、組み合わせたりすることで休眠顧客を掘り起こし、新たな関係性の構築を促すことに役立てることができます。
メール
メールは、休眠顧客へのアプローチにおいて最も一般的なツールです。顧客ごとにカスタマイズしたメールによって、顧客に自社や自社商品の存在を思い出させ、最新の情報を提供することができます。メールで行うアプローチでは、特別な割引、新商品の案内、顧客の関心を引くコンテンツの提供など、顧客との再エンゲージメントを促す内容を心掛けることが大切です。また、メールの効果を最大化するためには、顧客が開封しやすいタイトル、視覚的に魅力的なデザイン、行動喚起のための直感的なCTAボタンの設置を取り入れることも重要といえます。
SFA、CRMツール
SFAおよびCRMツールの活用も、休眠顧客の掘り起こしに有効です。SFAは商談から契約までの営業活動をサポートするためのツール、CRMツールは自社と顧客との関係を一元管理し、関係構築のために利用されているツールのことです。これらのツールを使うことで顧客情報の管理がしやすくなり、顧客の過去の購入履歴、コミュニケーション履歴、行動パターンなどを活用したデータ分析が可能になるほか、顧客に適したアプローチ戦略の策定にも役立ちます。
名刺管理ツール
名刺管理ツールとは、紙の名刺をデータ化し、社内で一元管理しながら情報共有するツールのことです。一般的には、紙の名刺をスキャナーやスマートフォンアプリを使って読み取り、画像データをOCR(光学的文字認識)機能によってテキストデータ化します。データ化した名刺情報は、会社名、所属部署、役職、名前といった項目ごとに分類・蓄積され、データベースとして一元管理することが可能です。
名刺管理ツールの活用も、休眠顧客の効果的な掘り起こしや関係再構築に役立ちます。特にBtoBビジネスにおいて、名刺はビジネスコミュニケーションのための貴重なアイテムです。名刺管理ツールによってデータベース化した名刺情報から、過去に関わりがありながら現在は休眠状態の顧客を特定し、直接的なコミュニケーションを再開する機会を作り出すことが期待できます。また、名刺管理ツールによっては、セグメントした顧客グループに向けたメール配信などの機能を利用できます。このような機能を持つ名刺管理ツールを使えば、休眠顧客に対する個別の営業アプローチ、セミナーなどイベントへの招待など、パーソナライズされたマーケティング活動の効率化に役立てられます。
顧客情報の管理や状況確認には「SKYPCE(スカイピース)」がお勧め
休眠顧客の掘り起こしは、適切なアプローチを行うことで、顕在顧客へと変換できる可能性があります。それによって、新規顧客の獲得にかかるコストと時間にもつながります。休眠顧客の掘り起こしには、顧客情報の管理、休眠理由の分析、顧客のセグメント化、そしてターゲットに合わせたアプローチというプロセスを経る必要があります。
休眠顧客をピックアップするためには、顧客情報のデータベース化が必要ですが、その際に利用をお勧めしたいのが、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」です。「SKYPCE」を利用することで、大量の名刺をスキャナーや複合機で手軽にスキャンしてデータベース化することができます。スマートフォンからも、専用アプリを使った名刺情報の取り込みが可能です。名刺を顧客情報としてデータベース化することで、これまで接点のあった顧客の中から休眠顧客を絞り込むことができます。具体的には、顧客の情報をタグづけして管理する機能や、日々の営業活動を記録する機能が役立ちます。さらに、一斉メール配信と開封率を確認できる機能を駆使することで、休眠顧客へのアプローチに活用いただけます。
日常の営業活動はもちろん、休眠顧客への効果的なアプローチにも役立つ「SKYPCE」を、ぜひご検討ください。
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