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公開日2024.07.16更新日2024.10.04

名刺でおすすめの色・避けた方がいい色は? 色が与える印象も紹介

著者:Sky株式会社

名刺でおすすめの色・避けた方がいい色は? 色が与える印象も紹介

コロナ禍を経てオンライン商談などが増加した今もなお、日本のビジネスシーンでは欠かせないツールである名刺。その印象を大きく左右するのが「色」です。名刺の色には、ロゴや模様、文字などのデザイン要素の色のほか、紙の色も含まれます。この記事では、名刺の配色のポイントや、それぞれの色が与える印象などをご紹介します。

名刺の目的から考える色選びのポイント

一般的に、ビジネスで使用する名刺は白系の台紙に黒で文字が印刷されているものが多いですが、最近では、個性的な名刺も増えてきました。特にフリーランスや個人事業主の方などで、名刺でも差を付けたいと考えている方もいると思います。ここでは、名刺の「色」に着目して、ポイントを紹介します。

与えたい印象に合わせた色を選ぶ

例えば、鮮やかな赤い紙に蛍光色で印字された名刺を渡されたとします。おそらく、非常にインパクトがあり目立つことは間違いありません。しかし同時に、相手に奇抜な印象を与えることが予想されます。名刺は自己紹介のためのツールであり、相手の手元に残るものですから、まずは相手に「どのような印象を与えたいのか」を考えた色使いをすることが大切です。

背景と文字の色を読みやすい組み合わせにする

名刺は、名前や所属、連絡先などの「情報」を相手に伝えるためのものです。そのため、文字(情報)が無理なく認識できることが重要です。白系の台紙に黒で印字されるものが多いのも、最も視認性が高いからです。このことからも台紙と印字が同系色で同化して見えるものや、低コントラストのものは避ける方が無難です。また、色覚にはいろいろなタイプがあるため、一般色覚者からの見え方だけではなく、色弱者の方々への配慮も大切なポイントです。

デザインのテイストと合わせる

名刺の配色を検討する前に、単色でレイアウトやデザインを考え、そのデザインに合わせた色を選ぶ方法がお勧めです。名刺全体のイメージを明確にしていきながら、前述の「与えたい印象」や「視認性」を考慮して各要素の色を決めると、あまり迷わずに配色できるようになります。

名刺の紙色でおすすめの色・避けた方がいい

名刺の色は、台紙の色が全体のベースカラーとなります。名刺に限らず、一般的なカラーコーディネートの基本として、ベースカラー70%、アソートカラー25%、アクセントカラー5%の比率がバランスの取れた配色とされています。アソートカラーとは、ベースカラーを引き立てる色でメインカラーとも呼ばれます。ここでは、最も比率が高いベースカラー、つまり台紙の色について考えてみます。

おすすめの

名刺のベースカラーとなる台紙は、明るい色を使用することが多いです。最も明度が高いのは白。そのほか、アイボリーやクリームをはじめ、淡いパステル系の色などの明るい色を使うのがお勧めです。印字が読みやすくなる、爽やかな印象を与えやすいといった理由のほか、通常の印刷方法では、濃い色の台紙には明るい色を印字できない点も考慮しなければなりません。

避けた方がいい

通常の印刷では、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(キーパレット≒黒)の4色のインクを掛け合わせて色を表現します。混ぜるほど暗い色になるので「減法混色」と呼ばれます。

しかし、色つきの台紙に印刷する場合、インクのほかに台紙の色も影響するので、同じように印刷しても、まったく違う色に仕上がることが少なくありません。そのため、濃い色や鮮やかすぎる色、暗い色の紙は、名刺の台紙にはあまり向きません。

名刺の紙色の選び方のポイント

名刺のベースカラーとなる台紙の色を選ぶときには、どういった点に気をつければ良いのでしょうか。ここでは、名刺台紙の色だけでインパクトある名刺にしたいという場合、メインカラーを中心に考えて、その色を引き立てる紙色を選ぶ場合の2つのケースを紹介します。

名刺の紙色で目を引きたい場合

前述のとおり、濃い色の紙などは名刺に台紙には不向きです。しかし、あまり使用されていないため、ほかの名刺との差別化が図りやすく目を引くことができるという側面もあります。濃い色の紙に印刷をする際、文字などの色が入る位置に、ベースとして先に白インクを乗せてから印刷する手法を用いたり、金や銀などの箔を貼る「箔押し」と呼ばれる手法を用いたりすることもあります。ただし、通常印刷よりもコストは高くなります。

ロゴや文字を引き立てる紙色を選ぶ

名刺の紙色を考える際のベースカラーは台紙の色となります。このとき、アソートカラー(メインカラー)が25%、アクセントカラーが5%という考え方に基づけば、ベースカラーを引き立てる役割となるのがアソートカラーですが、逆にアソートカラーを中心(メイン)に位置づけて、メインカラーを引き立てられるベースカラーを選ぶという考え方もできます。つまり、会社のロゴなどに使用するコーポレートカラーなどを軸に、その色が最も引き立つ名刺台紙を選ぶというという発想です。

色が与える印象

色は、それぞれ与える印象や効果が異なります。ここでは基本色となる12色を暖色系と寒色系に分け、一般的にそれぞれの色が与えるとされている印象・効果を紹介します。

暖色系

基本12色のうち暖色系の色は、赤・オレンジ・ピンク・黄色・黄緑・緑の6色とされています。


  • 情熱的で活動的な色。積極性や躍動感を感じさせることができ、企業ロゴにもよく使われています。また食欲を刺激するともいわれており、飲食店の看板などにも多く採用されています。
  • オレンジ
    明朗快活で若々しい印象の色です。また陽気で親切なイメージを与えるとされており、安心感や親近感を抱いてもらいたい場合に適している色です。
  • ピンク
    かわいらしい印象の色です。明度や彩度の調整により印象が変わるので、女性をターゲットにした幅広い商品や企業のブランドに採用されています。
  • 黄色
    元気で冒険的な色。また幸せを感じさせるといわれる色でもあります。軽快な印象を与えやすく人を和ませ楽しくさせるという効果があります。
  • 黄緑
    新緑を想起させ、初々しさを感じさせる色です。未完成の可能性や成長を印象づけるといわれており、爽やかなイメージを与えるときに適した色です。

  • 希望や平和、協力や平等といった調和の印象がある色です。また自然を想起させる色であり、安全性を感じさせたいときに適した色です。

寒色系

基本12色のうち寒色系の色は、青・紫・茶色・白・グレー・黒の6色とされています。


  • 清潔で静的な、落ち着いた印象を持つ色。また知的なイメージがあり、誠実さや真面目さを表現することも多く、日本人に好まれる色だといわれています。

  • 古来、高貴さや気高さを表すとされている色です。しかし、艶っぽい印象もあり、不安を象徴する色でもあるため、特に名刺では使い方が難しい色です。
  • 茶色
    慎重や堅実なイメージを持つ色です。土の色でもあり、黄緑や緑と組み合わせると樹木を連想させるので、落ち着いた印象を与えやすい色です。

  • 清潔感があり、純粋さや静けさを感じさせる色です。神聖さや新しさを感じさせる一方、従順なイメージがあるので、どんな色とも組み合わせやすい色です。
  • グレー
    控えめな印象があり、シックで落ち着いたイメージを与える色です。この色も組み合わせ次第でさまざまな印象に変わり、ほかの色を引き立てる効果があります。

  • フォーマルな印象が強く、礼儀正しさや自立したイメージを与えられる色です。一方で不幸を連想しやすい色でもあるので、適切な使用量を心掛けることが大切です。

光を感じさせる

上記の基本12色のほかに、光を感じさせる色として金と銀があります。前述した通常印刷で使用するCMYKの4色の掛け合わせでは、色が正確に再現できないため、「特色」と呼ばれる特別なインクを使用するか、箔押しなどを用いて表現することが一般的です。


  • 豊かさや成功を連想しやすい色で、存在感が強く特別な印象が与えられます。豪華さを演出することができますが、使いすぎると下品な印象を与えかねないため、アクセントの一つとして上品に使用するのがお勧めです。


  • 鋭敏さや強靱さの象徴ですが、クールな印象があります。強く主張し過ぎないため、白やグレーと同様に、どの色とも組み合わせやすい色だといえます。箔押しなどで光沢がある仕上がりにすると上品に使えます。

うまく色を組み合わせて効果的な名刺に

ここまで、色という視点で名刺のデザインを考えてきました。ビジネスで使用する名刺は、自己紹介ツールであり、連絡先等の情報を伝えるツールであることを念頭に配色を考えることが基本です。その中で個性を感じさせる工夫があれば、ほかの名刺との差別化を図ることも可能です。色が与える印象はさまざまですので組み合わせを試しながら「どんな印象を残したいのか」を考えていくことが大切です。この記事で紹介した「色が与える印象」なども参考に、目的に合った名刺を作成していただければと思います。

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