営業活動の成果に差をつけるTSR企業データベースと
SKYPCEの活用効果
近年、情報を活用した営業活動が当たり前になっていますが、重要なのは情報の正確性です。 そこで、SKYPCEの「企業データベース連携」機能に企業データベースを提供いただいている株式会社東京商工リサーチのご担当者に、正確な企業情報の収集方法やお客様にSKYPCEを紹介される際のアピールポイントについてお話を伺いました。
株式会社東京商工リサーチ
近畿地区本部 関西支社 上席部長
森田 卓実 氏
株式会社東京商工リサーチ
近畿地区本部 関西支社 営業部 リーダー
三枝 宏務 氏
営業職でなくても知っておきたい!
与信管理の基本情報を解説
与信管理の
与信管理とは
営業職の皆さんにとっては当たり前の与信管理。しかし、営業職以外の方の中には、何となくわかっていても人には説明できないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、まずは与信管理の基本情報をご紹介します。
与信
取引先の信用情報などを調査し評価した上で、取引が可能だと判断し、信用することです。
図1は、一般的な製造業でのお金の流れを表しています。自社内に資産があるのは「製品」までの間で、販売後は「代金を受け取る権利」である「売掛金」に変化。この時点で製品そのものは販売先企業に渡り、与信が発生しています。
与信は、販売による「売掛金」→回収による「受取手形」→取立による「現金・預金」までの間で、その間の合計金額が「与信限度額」です。このように製品を提供してから代金を回収をするまでの間を、「信用の供与」=「与信」といいます。
図1は製造業を営む製造会社の場合ですが、販売会社も同様です。金融機関の貸付金は返済までの間、サービス業はサービスという商品を提供してから代金回収までの間は信用供与、すなわち与信が発生しています。
与信管理
「この企業と取引しても大丈夫か」を見極め、「この企業とはいくらまで取引額を増やしても大丈夫(焦げ付かない)か」を判断し、取引先ごとに設定・定期的に見直す活動のことです。
企業の目的は、利益および売上の最大化です。その目的追求の過程において、売掛債権および与信金額の増大は避けて通れません。
また、与信金額の増大は不良債権や焦げ付き発生のリスクをより高めることになります。このなかで売掛債権が増大しても、損害の発生を抑制しようとするのが「与信管理」です。「与信管理」には相手先の経営内容を評価し、信用取引の可否を判断するための資料を入手・分析する「信用調査」と、信用供与の最大金額を算出し、取引金額および与信金額に限度を設定する「与信限度の設定・運用」の2大業務があるとされています。
参考:東京商工リサーチ社 Webサイトの情報を基に、Sky株式会社が一部編集。
https://www.tsr-net.co.jp/plus/yoshin/detail/1188150_1559.html
東京商工リサーチ社ご担当者に聞く!
「企業データベース連携」の活用効果とは
「企業データベース連携」の
まずは貴社の事業内容について教えてください。
当社は、企業の信用度を調査する信用調査会社です。取引を開始する前に相手の企業がしっかり代金を支払う能力があるかどうか、お客様に代わって調査し、その調査データと分析を加えた各種データを販売しています。約2,000名の社員の大半が調査員で、私どもも以前は調査員でした。
インターネット上で入手できる情報が増えていますが、調査員の方は今も実際に現地に足を運んで調査されているのでしょうか。
創業以来約130年、現地へ訪問し経営者に直接お会いして調査するスタイルは、今でも変わりません。創業のきっかけは、商取引が発達した明治時代に取引先の信用情報を知りたいという要望が高まったことだと聞いていますが、その時代から受け継がれたスタイルは、今後も変わらず続いていくと思います。
対面の調査だから変化に気づけるポイントはありますか?
スケジュールをホワイトボードに書いている企業であれば、埋まっているかをチェックします。そのほかにも、従業員が以前と比べて減っていないか、活気があるか、雰囲気が変わっていないかなど、チェックするポイントは結構あります。社長が急に老けてしまわれたと感じたら要注意です。
貴社の信用調査会社としての強みを教えてください。
先にお伝えしましたように、当社は1892年の創業から130年以上経つ、日本最古の信用調査会社です。1974年に企業情報データベースサービスを、1999年にはインターネット企業情報サービスを業界に先駆けていち早く開始。旧来のやり方に満足することなく、絶えず革新し続けることで、時代のニーズに応えています。また、取り扱うのは、国内の企業データだけではありません。世界最大の企業データを保有するアメリカの信用調査会社Dun and Bradstreet(D&B)と国内独占販売権を締結しているため、TSRが持つ国内屈指の企業データとD&Bが持つ世界約5億7,000万件(2024年6月時点)の企業データを、ワンストップで提供できる体制を確立し、国際取引を支援する情報提供にも貢献しています。
企業の評価はどのように決まりますか?
当社が定めた評価の指標に沿って、調査員がつけた評点で決まります。例えば、経営者能力20点、成長性25点、安定性45点など項目ごとに評点をつけて、総合評価の数値を決定します。評点のつけ方の詳細は、当社Webサイトの「国内企業調査レポート(TSR REPORT)」でご紹介していますので、ぜひご覧ください図2。
調査を断られてしまうと決算書を確認することはできませんが、銀行やその企業と付き合いのある企業へのヒアリングや、不動産の担保設定情報でおおよその内容がわかります。そういった側面取材で周りを埋めてレポートを作成すれば、評点をつけることが可能です。
企業が仕入・販売などの取引を行うにあたり、「本当にこの会社と取引して大丈夫か?」 「与信枠の適切な設定額は?」 といったビジネス上の重要な判断を行うために必要な情報をまとめたレポート。日本全国の東京商工リサーチ社の調査員が実際に企業を訪問し直接ヒアリングした情報はもちろん、保有する豊富な情報ソースも活用し、企業の公開情報、業界動向、地域情勢などさまざまな情報を提供している。
調査員が訪問して現場で感じたり、
経営者から直接話を聞くからわかる
経営者から
レポートを見れば、調査に応じられた企業と断られた企業のデータの違いがわかりますか?
SKYPCEから閲覧できる情報から判断することはできませんが、TSR REPORTをご覧いただくと、外堀から埋めて作成したレポートと調査に協力してくださった企業のレポートの違いは内容からわかるはずです。直接調査したレポートには、決算数値や今後の業績見込、設備投資状況などが詳細に記載されています。
調査を断られた企業との取引には注意が必要だと思いますが、一概にそうとはいえないのでしょうか。
基本的に、情報を公開している企業と取引する方が安心です。情報を出さないことが不利に働くケースの方が多いので、一度断られた企業に「ほかの競合企業はすべて公開されていますが、御社は公開しなくても大丈夫ですか?」とお伝えすると、協力してくださることもあります。
TSR の企業データベースの情報を与信管理以外で活用されるケースはありますか?
もちろん与信管理が主ですが、近年はマーケティングに活用される企業も増えてきました。通常ご提供しているサービスとは別に、オンラインサービスの「tsr-van2」をご契約いただけば、「リストアップ」という新規顧客開拓の効率化に役立つサービスが活用できます。このサービスは、620万件超のデータから40項目の条件を自由に組み合わせ、営業リストを作成することが可能で、見込みの高い企業の抽出にお使いいただけます。もちろん、企業分析の効率化にも役立ちますので、そのようなサービスをお探しであれば、ぜひご検討ください。
また、当社が提供している企業データベースは営業支援システム(SFA)のSalesforceと連携できますので、営業活動の効率を高める目的で活用される企業も増えています。SalesforceはSKYPCEとも連携しているので、3社のデータが連携できれば格段に運用効率が上がるはずです。今はそれぞれ2社間の連携ですが、今後、3社のデータ連携の実現に向けて協議していきますのでご期待ください。
その前に、間もなくSKYPCEと企業データベースの連携のさらなる強化を発表できる予定です。これまでよりも提供できるデータが増えることで、SKYPCEをご利用中のお客様の営業活動に活用いただける幅が広がると思います。
SKYPCEの「企業データベース連携」が、
営業成績を左右する
営業成績を
お客様にSKYPCEをご紹介いただく際、どのような点をアピールしてくださっていますか?
SKYPCEのメリットの一つは、業種や従業員数など詳細に情報を絞り込んでリスト化できることだと思います。これは一見当たり前に感じるかもしれませんが、企業データベースも名刺管理サービスも、最大の特長は情報の正確性です。その“足で稼いだ正確で信頼できる情報”から絞り込んだ結果と、ネットなどの曖昧な情報から絞り込んだ結果では、成果に大きな差が出ます。これは、数字が求められる営業の皆さんにとって大きな違いになるはずです。
また、SKYPCEの機能追加や改善スピード、キャッチアップ力に驚いています。初回の商談で、お客様から「求めているものとはちょっと違うかな」と言われた機能が、次の商談時にはすでに改善されていて、これまでの常識とは違うスピードで開発されていると感じました。そのときは、改善されるまでに3か月もなかったと記憶しています。このようなスピード感も、お客様が今後に期待できると感じられるポイントではないでしょうか図3。
ありがとうございます。SKYPCEは名刺管理サービスの中では最後発でしたので、お客様の声を取り入れて本当に役立つサービスに成長させていきたいと思っています。
私どもがお客様にご紹介する際には、機能だけでなく企業としてのサポート体制も選考要素に入れて検討することをお勧めしています。その点で、Skyさんは長年文教向けの製品やセキュリティ対策に活用されているSKYSEA Client Viewでの実績がありますので、サポート体制の面でも安心できる企業です。お客様にSKYPCEをご紹介する際には、Skyさんのサポート品質について必ずお伝えするようにしています。
最後にメッセージをお願いします。
SKYPCEと企業データベースとの連携が皆さまの営業活動にとって有用だと、多くの方に知っていただきたいと思っています。もう紙の時代ではないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、少なくとも古くからあいさつに名刺交換の文化が根づいている日本では、紙の名刺が不要になることはないはずです。名刺情報の管理は顧客管理の延長線上にありますから、SKYPCEに取り込んだ正確な名刺情報に、TSRの正確な企業情報を組み合わせれば営業効率化につながります。まずはぜひ、お問い合わせください。
国内・海外企業の信用調査を主体に、収集した企業情報を基にしたデータベース事業、情報事業(倒産集計・セミナーなど)、出版事業を行う企業。日本国内のデータベースは、現在日本最大級の400万社以上を有し、インターネットから企業情報(未上場含む)が取得できるtsr-van2や企業の詳しい企業情報が記載されているTSR REPORTなどが一般に知られている。
(「SKYPCE NEWS vol.13」 2024年8月掲載 / 2024年6月取材)